(前篇からの続き)
私は逆にポールのアーティストとしての誠実さを感じた。
S&Gとして売ったほうが、ポールとしては実入りが多いし、
大衆を満足させることも出来るのに、敢えて、そうしなかったのである。
大衆に迎合するのではなく、
自分自身のアーティスティックな感性を大事にしたいと、彼は考えたのだ。
また、ふたりがハーモニーしていた時代の曲に比べると、
個人的な内容、歌い方に特化したものが多く、
無理にアートのハーモニーを付け足す必要はないと判断したのだろう。
私見だが、
アートのボイスが入っているほうが効果的だと思う曲は……
アレジー
ギタリストのアル・ディメオラが参加、
驚異の速弾きを披露している。
当時のデジタルサウンド風味付けがされている。
ポールファンには評判が悪いw
カーズ・アー・カーズ
こういった軽快な曲は、
アートの声が入るほうがポップでいいと思う。
月に捧げる想い
ミディアム・テンポではこれだろうか。
1983年のツアーでは、実際にふたりで歌っている。
まったく違和感はなかった。
犬を連れたルネとジョルジェット
S&Gで、この曲を聴いてみたい。
ポールのソロも味わい深いものがある。
アコギ1本をバックに歌ったデモバージョンがあるが、
それもポールらしくて聴きごたえがあるものになっていた。
ポールのソロで正解と思われる曲は…
ハーツ・アンド・ボーンズ
遥かなる汽笛に
レイト・グレイト・ジョニー・エース
3曲ともポールのソロ・ボーカルがベストだと思う。
深遠で独自の世界に到達しており、
ポールの個人的想いがそうとう強い曲ばかりだ。
レイト・グレイト・ジョニー・エースのエンディングに、
現代音楽作曲家フィリップ・グラスの作った
ループ風な室内楽が入っているが、なぜこんなものを入れたのだろう…?
はっきり言って蛇足。
フィリップ・グラスのアルバムを買ってみたのだが、
この曲に挿入したものと、ほとんど同じ雰囲気を持った曲ばかりだった。
耳触りは悪くない。
「環境音楽」にカテゴライズされるのだろうか。
ポールが後に、アルバム「SURPRISE」で協力を仰いだブライアン・イーノと
共通したものを感じるのだが、
この時点では、ポールとブライアンの接点はなかったと思う。
全体的によく出来たアルバムだが、当時は50万枚くらいしか売れなかった。
ポールはショックのあまり、しばらく別荘に引きこもっていたらしい。
だが、この不遇があったからこそ、
次のアルバム「グレイスランド(グラミー賞受賞作、500万枚以上売れた)」
が生まれたとも言われている。
なお、私生活も不遇続きで、
女優キャリー・フィッシャー(スター・ウォーズのレイア姫)と再婚したものの、
僅か1年で離婚してしまった。
原因は、キャリーのドラッグ中毒があまりにもひどく、
ポールの手に負えなかったらしい。
キャリーは離婚後、ポールが置いていったギターを
オークションにかけて売ってしまった……。
たしかセントラル・パーク・コンサートで使用した黒のオーべイション。
かなりの高値がついたと聞く。
(そりゃそうだろう!)
ポールは女を見る目がない(悲)
最近、驚くべきニュースが飛び込んできた。
ポールと3人目の奥さんエディ・ブリッケルが逮捕されたと。
理由はたんなる夫婦喧嘩……治安を乱した罪だそうで。
警察に通報したのは、エディのお母さんらしい。
エディとは結婚生活20年くらいで、間に3人の子供がいる。
普段は近所付き合いもよく、とても評判の良い夫婦らしい。
逮捕後、すぐに仲直りしたとのことで。
それにしても、アメリカというのは、恐ろしい国だ。
日本ではDVとか、よほどのことがなければ、警察は関知しない。
この程度のことで逮捕されるなら、
日本の夫婦の半分くらいは逮捕されるだろう。
いやはやなんともw