DURANのブログ
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次の日の朝もあの子はかわりなく元気に挨拶をしてきた。


昨日のことは何もなかったかのように。



5月12日

あの子は一体なんであるのか、と思った。突然動き出した彼には、あの時何を考えてたかわからないが、しかし、僕もあの時飛び出そうとしていた。あの時の自分と彼の感じていたものは同じであったのであろうか、というのを考えても、わからないので厭なものだから終わる。

天気 雨

教室を出ていくと隣のクラスはとっくに放課後になっていて、うちのクラスの終礼がいつもの如く遅いことにつけてさらにさっきのこともあり、廊下は一ヶ所だけうるさい。

あちらこちらで、みんなグループを作って他のグループの人を引き付けないのが、戯れてるのを見ると、やはり一人でいたく感じ、すぐに帰ろうと思う。


帰るときには一旦止んだ雨がまたいっせいに降りだし、やはり厭になる。こんなときにはいつも近くの鶴見緑地公園、昔、万博で花に関してなんかやったらしい、に寄って気を晴らす、が今日はあの子のことを考えてたら近くまできたがいつのまにか家に着いてた。


観察日記

なんだろう。変わった人だなぁ、いま思うと。そう思いながら、明日は晴れの天気と聞いて喜んだ

観察

何事もなかったように先生は話をしている。その間中ずっとあの子の事を考えていた。


・・・この土はね、自分やの


僕には何のことかさっぱり分からない。でもその言葉を呟いた彼の目には悲しみが浮かんでいた。何があの子にあんな目をさせたのだろうか・・・。そんな事を思っているといつの間にか話は終わっていたようで皆がそれぞれ好きなことをしていた。

「やばい・・・」

僕も慌てて用意をして教室から出て行く。先ほど先生に教室に呼び戻されたときにある‘お願い’を受けたのだ。勝手に教室を出て行ってしまった罪悪感と、先生の困ったような顔を見て受け入れてしまった。

最初は軽い気持ちだった。適当にしていても誰にも迷惑をかけないだろうし、先生もあまり期待をしていない様子であった。だから僕は引き受けたのに。まさかこんな事になるとは思わなかった。

その‘お願い’というのは、その子の、自分はアジサイの花の下にあるといったその子の『観察日記』を書くことだった。