ギョーザ経済学(餃子の王将) | 道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

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Il n'est qu'un luxe veritable, et c'est celui des relations humaines.
Saint-Exupery(真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。
サン=テグジュペリ)
 

「6万個の餃子を1日で完売」という伝説をもつ
餃子の王将(東北1号店オープン時)。
 
そして、29ヶ月連続増収の餃子の王将。 
  
そんな餃子の王将は、他のチェーン店と異なる店がいくつかあります。
 
・本部主導でなく店舗主導経営で、各店舗が独自のメニュー開発が可能
・店長が予算計画を立案し、損益計算をする
・加工済み食品を排し、店舗で調理
・店長、従業員は全員、調理人として一人前
 
特に、店長、従業員が調理人であるというのが、
餃子の王将の特長。
 
餃子の王将では、味の統一させるために、
プロの料理人を集めるのではなく、自前で料理人を育てており、
料理経験を持たない新人を入社させ、調理の研修を行います。
 
一人の料理人を育てるには3年から5年、
飲食チェーンでは、最大規模の千数百人の料理人を超え、
それがファンをつくる最大の要因になっています。
 
社長、大東隆行氏は率先垂範で誰よりも働き、
毎朝6時半に出社し、本社の前の道路を掃除し、仕事。
 
「僕は本部で夜中まで仕事をして、それから店に行って、
 従業員が休んでいる間に、朝までかかって掃除をしたことが
 数えきれんほどある。朝になると、店の鍋で湯を沸かして体を拭いた。
 そんなこと、なんぼでもあるよ。血の汗、血のしょんべんを流しながら働いた。
 うちの従業員はそれを見てる。だから、会社はまとまった。」(大東隆行氏)
 
餃子の王将の店長は、日々、店の売り上げ、伸び率、
原価率といった数字を確認するとともに、
「部下をわかる力」「愛嬌」などの人間的資質が要求される。
 
経済学者のマーシャルが、

「Cool Head,but Warm Heart」といいましたが、
まさに餃子の王将は、仕事にかける情熱と
厳しく数字を見つめる頭脳が融合されています。
  
「ローマは一日にしてならず」といいますが、
連続増収している背景には、それなりの理由があり、
学ぶことはできても、マネることはできません。
 
最終的には、社長・大東隆行氏の仕事ぶりに、
店長、従業員が感服しているからこそ、
なりたっているのであって、同じようなシステムを
確立したところで、感情抜きでは、
画竜点睛で、肝心の血が通っていない状態になります。

そういう自分は、実は餃子の王将に行った記憶がなく、
行動範囲が狭い自分は、店がどこにあるのかさえ、
知らない状況ですが、今度、調べてうわさの餃子を
試食してみたいと思っています。
 
「血の汗と 餃子一皿 かみしめて」 シチョウアタリ
 

なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか? (プレジデントムック)/野地 秩嘉
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