いつもその日は突然やって来る。昨日まで「先生、大好きラブ」と言っていた生徒の反抗期。まあ、毎日間近で見ている親御さんにとっては突然ではないかも知れないけれど、私にとってはいつも突然で面食らう(私の観察眼が鈍いのダロウカ)。


小学校1年から教えている「彼」にもやって来た。

始めの頃は、ちょっとお手本に弾いてあげるとビックリしたような真ん丸な目で私を見て、「ソンケイおねがい」と顔に大きく書いてあったというのに、今は私が弾こうとするとわざと汚い音で邪魔したり、ソッポ向いたり、ひどい時はこれ見よがしに耳をふさいだりする。


音階はサッパリ練習してこない。「基礎は大事だよ」って言っても「ボクには必要ない」って。チュー


「じゃあレッスンの場だけでいいから弾こうか。」

「音階書いてあげた楽譜出して(音階は五線紙にいつも指使いと一緒に書いて渡している。)」と私。


「捨てた」と彼。


「もう知らん。」

「好きな物を好きなように弾いて帰りなプンプン


それはそれで気に入らないようで、ふて腐れている魂


大体において、ドイツの子の反抗期は激しい。日本人の子供にももちろん反抗期はあるけれど、教育の違いなのかメンタルの違いなのか、反抗の敵はお母さん止まり。私という他人には刃を向けない。社会性を身に付けるのが早いのだろうか。

その点ドイツ人は子供っぽいというか、周りの大人はみんな「敵」らしい。全身で「自己」を主張してくる。


子供時代、反抗期のほぼなかった私。ことに男の兄弟がいなかった私には反抗期の男の子(女の子の反抗期は何となく理解できる。)は手強すぎる。


参ったなあ笑い泣き