カーニバル

ああ、やっと一年に一度の苦行が終わった❗

毎年やってくるこの日。ドイツでは「Alt Weiber 」と言って、老若男女仮装して愉快に騒ぎまくる日だ。職場にも学校にも思いっきり仮装して行くドイツ人たち。若者は街中でお酒をたらふく飲んで羽目をはずす。

朝9時の電車内。既に仮装したウキウキ気分の若者たちで一杯。私これからアンサンブルのリハーサルなんだけどなあ。

午前中の仕事が終わって一旦帰宅。午後から出勤する音楽学校への道中がカーニバルの佳境だ。お昼ごはんを食べた若者たちが一気に街へ繰り出してくる。

もう既にへべれけ状態。ビールやシュナップス（アルコール度の高いドイツの蒸留酒）をあおって、大音量の音楽と共に歌い、踊り、電車内は彼らのパーティー会場と化している。

こちらは、安物のお酒の匂いと耳をつんざく音量と東京並みの混雑に半ばグロッキー状態。ドイツに暮らして30年。未だにこの日だけはこの国が大嫌いになる。

騎士の剣に脇腹を小突かれ、ミッキーマウスの巨大な耳に頬をはたかれてヨロヨロと電車を降りて音楽学校に向かうと、６人のうち４人の生徒さんがドタキャン。先週は「絶対来る」って言っていたけど、ウサギやハリー・ポッターのままじゃあチェロ弾けないよってお母さんに言われて悲しくなっちゃったらしい。まあ、わかるけどね。子供にとっても最高に楽しい日だものね。でも「先生待ってるよ。約束したんだから行こうね」ってお母さん、何で言わないかなあ。

空き時間だらけの不毛な午後を過ごし、帰宅時の車内に空しく転がるパーティーの残骸。ゴミはちゃんと持って帰ろうよお

「来年は、絶対にこの日は休講にしちゃおう」って決心しつつ家路に着いた昨日でした。