30チラシL

3月30日(水)東京オペラシティ公演は、予定通り
コンサートを行います。
最近会社に
「公演の有無」についての確認の電話が多くなっています。
でも、キャンセルされる方はほとんどいらっしゃいません。
ありがとうございます。

人の集まるところに温もりがあり、絆を確認したり、
新しい絆も生まれます。そこから
前向きな発想につながり、力も湧いてきます。

生演奏とその場を共有するお客樣方の思いが集合する
時空間というのは、そういう
前向きなエネルギーにあふれた「場」なのです。
そうでなければ、演奏の力も
耳を傾ける力も湧いてきません。


これからしばらく、わたしたちのコンサートでは
最初に必ず、震災の犠牲者・被災者に祈る瞑想曲として
《埴生の宿》を演奏しようと思います。


《埴生の宿》は、『ビルマの竪琴』の中で
敵味方を越える融和の音楽であると同時に、 
遺骨すら祖国に帰れない戦死者への鎮魂歌でもありました。 

《 Home! Sweet Home! 》 と、ビックリ・マークが 
2カ所もついているのが、原題です。 
 

「帰ろう!温かいわが家へ!」・・・これは
震災で亡くなった人々の魂や、家を失った人々の気持ちと 
同じではないかと思います。 
 

ぼくらのこの曲のアレンジ、2番・3番のアルパの伴奏は 
お経なのです。 
この曲を、わたしたちは最初から「祈り」として演奏してきました。 
 

また、
《埴生の宿》は、
昔の日本人が持っていた精神性を歌っています。
と同時に、
これからの日本人のめざすべき暮らしの哲学でもあるということです。
 

自然との交流と感謝、質素な暮らしの中の喜び。
まさに、日本人だけでなく、
経済発展だけを目標にしている世界の国々や人々にとって
これから地球人としてどう生きれば良いか、という
答えがここにあります。


この歌が日本の歌でなく、
英国を中心に比較的知られている歌であることも、
その意味は大きいと思います。

埴生の宿
   里見義・訳詞

埴生(はにゅう)の宿も 我が宿
玉の装い 羨やまじ
のどかなりや 春の空
花はあるじ 鳥は友
おお わが宿よ
たのしとも たのもしや

書(ふみ)読む窓も わが窓
瑠璃(るり)の床も 羨やまじ
きよらなりや 秋の夜半(よわ)
月はあるじ 虫は友
おお わが窓よ
たのしとも たのもしや

尚、デュオ・ケーナルパの《埴生の宿》は、
2月15日 TBSラジオ『大沢悠里のゆうゆうワイド』に
わたしたちが出演したときにも
生演奏しました。
3分位以内という制約のため
1番と3番のみ演奏しました。
放送の録音はこちらです。