「…花形」
恥らうように寄り添う藤真に、花形は驚いた表情で彼を見つめた。
高鳴る心臓は、藤真に気づかれるのではないかと思うくらいだ。
いつもの罵詈雑言を吐き出す、『毒舌』は形を潜め、
恥じらいながらトロンと潤んだ瞳で花形をしっとりと見つめる。
「…ふ…藤真…?」
想定外のシュチュエーションにどうしていいか分からず
思わず声が裏返ってしまう。
藤真は尚もうっとりと花形を見つめ、はにかんだように微笑む。
頬はうっすらと桜色になっている。
藤真はいつからか自分の気持ちに気づいているんだ…。
なかなか言い出せない自分に、焦れてしまったのだろうか…?
「藤真…。」
やんわりと両肩を抱き、真剣な眼差しで藤真の顔に自分の顔を近づけた。
その瞬間、藤真の身体に似合わない大きな手の平が花形の顔面に直撃する。
「あいたっ!」
「高野ぉ、これでラーメン奢りな!」
藤真は後ろを振り返りながら嬉しそうに大声で叫びながら
今にも泣きそうなそんな情けない表情の花形チラリと見やる。
「サカるのはお姉ちゃんだけにしとけよ、花形!」
藤真はそう云って、豪快に笑いながら
花形の尻をバシンと叩いた。
ほんの少しだけ涙声ではあっと大きなため息を吐く花形であった。
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4月2日
今日の誕生花は、カラー。
花言葉は『乙女のしとやかさ』
今回は、お礼に途中から
にしむらなるほ嬢にチェンジして書いてもらいました。
なるほちゃん、ありがとう。
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