Dunder Headの軌跡 -3ページ目

「フィリピン人出稼ぎ労働者」②

「フィリピン出稼ぎ労働者 ~夢を追い日本に生きて~ 」

出版社:柘植書房

著者:石山永一郎

発行年月日:1989年6月20日

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第2章 「アジアの香りのするドヤで ~横浜・寿町~」

横浜・寿町は、通称ドヤと呼ばれる労働者たちの宿が立ち並ぶ、日雇い労働者の街。

この街には、観光ビザで来日し、日本各地を転々としたあげく、流れてきたフィリピン人が100人ほど暮らしている。

・寿町で働くフィリピン人出稼ぎ労働者

ポール:来日して1年2ヶ月。

      現地のリクルーターを通して3万ペソを渡航費用(ビザ手続き、飛行機の手配など)として払っ

      来日後、いくつかの現場を転々として、寿町へ。

      低賃金、賃金不払いの仕事にしか就けない。

ホセ:3万ペソをリクルーターに払って来日。

    いくつかの現場を転々として、寿町へ。

    低賃金、賃金不払いの仕事にしか就けない。

外国人労働者の問題を女性のケースと男性のケースで比較すると、男性のほとんどに共通することは、日本に渡航するために多額の借金(フィリピンで5.6人の家族が1年間でも暮らせる額の2~3万ペソ)をしていること。

(女性は、渡航のために借金をするケースはめずらしい。)

(興行ビザで来日するダンサーの中には、1ヶ月分の賃金を前払いで受け取っていることも多い。)

・理由

男性の職業形態からして、来日後、女性のようにプロモーターの管理・監督下において賃金を中間搾取することが難しいために、渡航の段階で実質的にあっせん料を上乗せしてプロモーターが儲ける仕組みになっているため。




・「外国人労働者は日本人の失業率を増やすか?」

これまでのところ、フィリピン人出稼ぎ労働者に対する寄せ場の人々の感情はそう悪くはない。

現在の寿町でのフィリピン人労働者が日本人労働者に比して、あくまで少数にすぎないから、日本人労働者も静観しているという状況があるとも言えるだろう。

これが何倍にも増え、実際に日本人労働者の仕事を具体的に奪うような状況が出てきたとき、日本人労働者から反発がでてくることは十分考えられる。

しかし、外国人労働者が日本人から仕事を奪うような状況がどれだけ具体的に起きうるのかを考える必要がある。

・結論

現在の状況の中では、外国人労働者の流入によって日本人の失業率にはっきりした影響が生じるとは思われない。

影響があるとすれば、低賃金に甘んじる外国人労働者の置かれた状況を日本人労働者が放置することによって、賃金相場が全体的に低く固定し、日本人労働者の賃金上昇が抑えられるといった問題のほうが大きい。

・理由

これまでに外国人労働者が流れ込んでいる業種は、国内で人手不足が深刻になっている業種である。

・「カラバオの会」

 寿町では、87年5月、寿日雇労働組合のメンバーが中心となって、外国人労働者救援のための市民組織「カラバオの会」が結成された。

賃金不払い、労働災害などの労働相談から、医療をめぐる相談、帰国のための航空券の購入に至るまで、男性を中心とした出稼ぎ労働者のあらゆる救援活動を行っている。

 

・活動例

上記にあるホセに対する賃金不払いの件:

 建設業者と交渉し、未払い賃金として、18万2400円の支払いに応じさせた。

フィリピン男性の裁判支援、作業現場で事故に合い、重症を負ったフィリピン人男性の労災適用をめぐる労基省との交渉など。

「カラバオの会」の活動の中でも最も注目すべき点は、同会が日本の市民団体として最も早く、明確に単純労働者を含めた外国人労働者の合法化の必要性をはっきりと打ち出して、そのための取り組みを始めたこと。

「フィリピン出稼ぎ労働者」①

「フィリピン出稼ぎ労働者 ~夢を追い日本に生きて~ 」

出版社:柘植書房

著者:石山永一郎

発行年月日:1989年6月20日

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第1章「飛べない鳩たちの夜 名古屋・栄4丁目」


名古屋・栄4丁目。

この街には、細い路地が交差する1キロメートル四方ほどの狭い土地の中に、数百軒のスナックやバーがビルの中にひしめいている。

ここよりもわずかに名古屋駅より離れた錦界隈が、高級でモダンな装いを持つ繁華街であるとすれば、

栄4丁目は、それよりもやや泥臭く、陰影のある街である。


この街に、フィリピンからの出稼ぎ労働者が目立つようになったのは、80年代に入ってからである。

フィリピン人出稼ぎ労働者の数は、毎年増え続け、少なくても2千人を超えるフィリピン男女が、

この街とその周辺のスナックやバーでホステスやダンサー、ウェイターとして働いている。


フィリピン人出稼ぎ労働者の密集度では、栄4丁目が全国1位である。

東京・大阪の繁華街にさえも、これほどフィリピン人が集まっているところはない。


~密集した理由~

・東京や大阪に比べて、名古屋は街全体が小さく、繁華街が限られる分、一箇所にフィリピン人出稼ぎ労働者が    集中する現象が生まれた。

・住居費の安さや繁華街の需要の大きさなど、彼女・彼らにとって、名古屋は働きやすい条件が揃っていた。


この2つの理由から、

「仲間が多い」という安心感から、各地で働くフィリピン人がこの街に次々と流れ込むようになった。


不法就労者の数が多いことでは、この街が郡を抜いている。

この街のフィリピン人の少なくても半数以上が、観光ビザなどで入国後、滞在期間を過ぎて働き続けている。

88年上半期の法務省入国管理局の統計で、不法就労で摘発されたフィリピン女性の数は、愛知県が東京・大阪を上回り、全国1位になっていることでも、それが裏づけられる。


日本の繁華街で働くフィリピン人は3つの形態に分かれる。

1.芸能人(ダンサーや歌手)として興行ビザで入国する

2.観光ビザなどの短期滞在のビザを取得し、不法なプロモーターによって連れて来られる不法就労者

3.フリーの不法就労者


1.芸能人

 1グループ5.6人で、日本国内で興行するという名目で来日。

 就労は合法的で、6ヶ月の滞在期間が許されている。

 芸能人というのは建前で、繁華街のパブやナイトクラブで働く、限りなくホステスやウェイターに近い就労者で

 ある例が多い。

 プロダクションやマネージャーによるコミッションが大きく、労働条件は恵まれておらず、給料は月給5万円程

 度が平均的。

 滞在が合法的な分、極端な人権侵害を受けたり、売春行為に染まる者は稀である。

 興行ビザでのフィリピンからの入国者の87年統計は36,039人


2.観光ビザなどの短期滞在のビザを取得し、不法なプロモーターによって連れて来られる不法就労者。

 ほとんどが女性。

 フィリピンでプロモーターに一本釣りでスカウトされる。

 来日にかかる費用(パスポート、ビザの取得代、航空運賃など)の全てをプローモーターが負担する。

 来日後もプロモーターや店に身分を拘束される。

 来日後数ヶ月間は、来日費用の精算として一切無給で働かされるケースが多い。

 給料がもらえるようになっても、月給5万円以下、時には3万円程度のときもある。

 悪質なプロモーターや店の経営者によって、賃金不払いや売春強要などの人権侵害を受けるケースが多い。


3.フリーの不法就労者

 観光ビザや就学ビザで訪れ、資格外活動をする点は、「2.観光ビザなどの短期滞在のビザを取得し、不法な 

 プロモーターによって連れて来られる不法就労者」と同じ。

 来日費用を自己負担するため、渡航手続きの一部でプロモーターの助けを借りることがあっても、来日後は原

 則としてプロモーターからの拘束がなく働けることが、「2.観光ビザなどの短期滞在のビザを取得し、不法なプ 

 ロモーターによって連れて来られる不法就労者」とは大きな差である。

 一定期間プロモーターの拘束下で働いた後に、契約を終え、フリーになるケースもある。

 男性の出稼ぎ労働者のほとんどがこのパターンを利用する。


最近では、繁華街で働く女性の中にも「3.フリーの不法就労者」として入国する者が多くなった。

フリーの女性出稼ぎ労働者はフィリピンの出稼ぎ労働者の中では、もっとも恵まれている層ではあるが、

彼女らにしても、賃金不払いのようなトラブルに巻き込まれる例は多く、不法就労者であるために、泣き寝入りしなければいけないケースがほとんどである。


栄4丁目には、「フリーの不法就労者」が比較的多い。

名古屋入管の興行ビザによる入国の事前審査が厳しいために、「フリーの不法就労者」を雇うケースが多い。


フィリピンでは、日本へ出稼ぎに行った女性に対する悪いイメージが広がっている。

~理由~

・フィリピンでは「水商売=売春」という考え方が一般的であること。

・フィリピンのジャーナリズムの中で、日本へ出稼ぎに行った女性たちの問題が繰り返し報道されている。

・その報道の中で、「フィリピン人女性を食い物にする日本人プロモーターを非難する」ニュースも多いが、 

 同時に、フィリピン女性を「国の恥」と伝える報道がある。



国際労働力移動のグローバリゼーション化③

今回は第6章から「マレーシアの経済発展と外国人労働者」

ドイツの時と同じように、マレーシアびのパターンを勉強して日本と比較検討していきます。

スタート!

1. 概要

もともと、マレーシアはマルチ・エスニック社会と言われていて、いろんな民族が暮らしている。
イギリスに占領されていた時代、印僑、華僑の流入があったころから始まったとされている。

現在は経済発展に伴い、労働力不足が叫ばれ、非熟練労働者の受け入れが進めれらている。

2. 1980年代以降労働力不足が深刻化

よくいう3Kの部門である建設業、農業、製造業において労働力不足が深刻化。
外国人労働者に頼るようになっていった。

これら特定の分野に不足が偏るのは、経済発展と生活水準の向上にともなって、労働水準の劣る低賃金・非熟練労働の職種が避けられるようになったから。

つまり
・教育を受ける人が増え、熟練労働志望者が多いこと
・単純に3Kがいやだから
・全般的な労働力不足の状況であるため、その分野につかなくても仕事はある
などが細かい要因。(日本と同じ?)

とにかく、つらい労働を外国人労働者に頼っている状況である。

3. 政府の規制
このような状況もあり、企業は何人必要で、なぜ必要なのか人材省に届出をださないといけない。
また、できるだけマレーシア人から雇用を捻出する努力をしているかどうかの確認書も添えないといけない。

ただし、不法滞在・就労が横行している。

4. まとめ

政府の規制も存在しているが、基本的に悪い条件化での外国人労働が根深く存在する。


以上!