MY HEART REVIVES WITH A EMOTIONAL SOUND

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この度、10月15日に京都ARCDUEX(四条河原町より少し南)

というライブハウスで、Linkin Parkのコピーバンド(バンド名:Breaking the habit)としてライブさせていただくことになりました。持ち時間40分、10曲ほど演奏させていただく予定です。もし、京都近郊にお住まいで、Linkin Parkが好きだという方がおられましたら、是非一緒に彼らの曲を分かち合いたいので、遊びに来ていただけたら嬉しいです。今のところ、このバンドはこのライブ一回限りの活動の予定です。

 

日程:10月15日(日曜)

場所:京都ARCDUEX(京都市下京区河原町通高辻下る清水町454-1[林ビルB1])

チケット代:1500+500(ドリンク代)

時間:OPEN 17時・START 17時半

Breaking the habitの出番は20時10分から40分間の演奏予定

 

 

 

以下、この機会に自分なりに思うことを書いてみたいと思います。というより気づいたら、ついついライブと関係ない話を書いてしまったのです。よかったらお付き合いください。

 

Linkin Parkは言わずもがな00年代以降のアメリカを代表するロックバンドであり、また先月に稀代のボーカリストであるチェスター・ベニントン氏が亡くなったことも知られていると思います。

 

 

 

 

10代の頃に彼らの音楽と出会い、様々な音楽を聴くようになっていった現在に至るまでの中でも、リンキンパークの音楽・そしてチェスターの歌声というものは自分の中で根強く、自分にとってのロックの模範や基盤といった存在でした。

 

チェスターの黄昏の夕日を思わせる艶を持った美しい高音に、痛みを隠さないスクリーム。その圧倒的な歌唱力に加え、僕が彼に憧れるのは、ナイーヴな心を実直に表現する彼の姿勢でした。

 

初期から一貫して彼の綴るリリックは自らの痛みや脆さをあまりに正直すぎるほどに表していました。例えば大ヒット曲であるNUMBでさえ、そこに描かれているのは「他者に期待される理想像に苦しめられる自分」というナイーヴなテーマで、それが世界中の誰もが口ずさめるほどのシンガロング曲として浸透している事実は感動的に思います。

 

 

 

 

チェスターは幼少時から虐待などの苦しい人生を歩み、ドラッグに溺れていたと聞きます。そんな彼がロックという表現手段に出会ったことは必然なのかもしれません。特に彼自身が後にボーカルの代役を勤めたSTONE TEMPLE PILOTSなどのグランジロックは彼に大きく影響を与えていたそうです。

 

グランジといえば退廃的な世界観と刹那主義とも言える生き方が反映された音楽で、その生き方を証明するように若くして命を落としてしまった人々がいました。NIRVANAのカートコバーンをはじめ、戦術のStone Temple Pilotsのスコットウェイランド、Alice In Chainsのレインステイリー。そして、今年5月に自殺で亡くなった、チェスターの大親友とも言われていたSOUNDGARDEのクリスコーネル。

 

リンキンパークはグランジバンドではありませんが、今思えばチェスターのナイーヴな表現をヘヴィなサウンドに乗せて昇華する姿勢は極めてグランジ的であった気がします。でもそこにあるのは破滅に対する憧憬としての魅力ではなく、その痛みの中でも踠きながら生きようとするその生命力こそが、真に彼らの人々を惹きつけてやまない魅力だったのではないかと思います。

 

 

少なくとも自分はそうしてリンキンパーク・そしてチェスターの声に勇気付けられて生きてきました。「こんなに痛みに塗れているのに、彼は懸命に生きている」という事実が美しく、自分も命を全うせねばという気持ちになれました。多分、チェスター自身もグランジのバンド達に勇気付けられ、そんな彼にとって、クリスコーネルはどこまでも強く深くシンパシーを覚える相手であっただろうことは想像に難しくありません。けれどそんな相手であるクリスが、この世に生きることを諦めてしまった。その事実は、生きる支えそのものを失ったような出来事だったのだと想像します。「同じ境遇の彼がこの世を共に生きているから、自分も生きていられる」、それくらい彼にはクリスの存在が大きかったのではないかと。クリスの誕生日を自分の命日に選んでしまうほどに。

 

 

 

 

 

自殺、もちろんするべきではないです。

けれど自殺してしまった人の胸中は誰にもわかりませんし、想像ができない以上は一概に非難する権利もないと思うのです。

 

僕の想像では、彼はもう生きている間ずっと悪魔と戦ってきたのだと思います。そして悪魔はいつまでも居なくならない。というより、誰の側にもいるのだけれど見えないだけで、一度見えるようになった人は常に奴らにコントロールを奪われる可能性がある中を生きて行く事になるのだと思います。チェスターは若くして悪魔と戦う日々が始まり、亡くなるまで戦い続けたとのだと思います。何十年も死からの「楽になれよ」という誘惑に負けずに生きてきた彼が、弱者なわけがありません。能天気に生きている人間にその辛さがわかるわけがないでしょう。

 

僕は彼は命が尽きるまで、理性を守るエネルギーの一滴がなくなるまで戦い抜いたのだと思います。クリスの死が、チェスターをこの世に繋ぎ止める最後の理由が失われた時、彼をこの世に留められるものが尽きたのかもしれません。その結果、彼は死に奪われた。しかしこの世で何人がそれだけ長きに渡って生き延びることができるでしょうか。彼はあまりにも苦しみを知りすぎた、世界的に成功しても、愛する家族ができても、それを払拭できないほどの。

 

 

結果的にチェスターの遺作となってしまったリンキンパーク最新作“One More Light”はその戦いを記しているようにも思います。

 

ロック的なサウンドアプローチを封印しポップなサウンドに転換した事で旧作のファンから批判を浴びました。確かに賛否両論あると思いますし、自分も名作とは言えないと思っています。

 

しかしながら、削ぎ落とした音の中にあってより浮き彫りになり聞こえてくるチェスターの言葉は、以前よりも更にナイーヴさを増していました。言うなれば、表面的でなく本質的な「ヘヴィさ」を持った作品だと思います。それだけ魂を込めて自らを投影した楽曲達。しかしそんな作品たちを非難されれば、「世界は自分を認めてくれない」という錯覚に陥っても仕方ありません。(どこかのフェスで、新曲群を演奏した途端にゴミを投げられたという話もありました。なんと悲しい話でしょう。)

 

 

 

 

 

冒頭Nobody Can Save Meで「悪魔とダンスをする(先述との悪魔との戦いの果てに、彼は悪魔を受け入れたのかもしれません)」と歌い始め、先行シングルHeavyでは「耐え続けている、なんで全てはこんなに重いのだろう」と苦悩を隠さない。彼の最後の訴えだったのかもしれません。

 

 

ですが、それほどまでの彼の実直さが慈悲となって表れているのがタイトル曲One More Light。

 

亡くなってしまった人に宛てた歌。「無数の星々の夜空から、光が一つ消えたって誰も気付くだろう?誰かの時が尽きたことを誰が気にかけるだろう?僕が気にするよ」と祈るように紡ぐチェスター。この曲は過去にリンキンパークの元で働いていたがガンによって亡くなったスタッフの方に宛てて書かれたそうだが、この普遍的なテーマをもって、彼らはクリスコーネルを追悼する形でも演奏した。その時の映像は涙なしでは語れません。チェスターは、誰より真っ直ぐ他者を愛する人だったのではないでしょうか。

 

 

 

カートコバーンは亡くなる直前にAll Apologies、Pay money To my PainのKはRainという穏やかな曲を遺しましたが、死というものはなぜ彼らに愛を悟らせ、慈悲というものを描かせるのでしょうか。One More Lightもまたそうした曲に思えてなりません。人の命が果てる時、そこに残るものは悲しくも美しい。

 

 

 

 

 

気づいたらここまで綴ってしました。まとまりがなくてすみません。ただ自分が思うのは、自らの痛みをさらけ出して美しく昇華してくれたチェスターの歌はいつまでも自分を救うだろうということです。自分も懸命に生き抜かねばと。

 

今回のライブでLinkin Parkを演奏する事になったは偶然なのですが、自分としてはこれほど光栄なことはありません。もちろん歌唱技術は遠くチェスターに及びません、比べるのもおこがましいです。しかし、彼らの懸命に命を輝かせた証である楽曲を、少しでもしっかりと表現できたらと思いますし、見に来ていただける方々と分かち合えたらと思います。しっかりと準備を進めています。一緒に演奏してくれるメンバーの技術も申し分ないです。しんみりというより、単純に彼らの楽曲の素晴らしさを楽しく表現できたらと考えております。よかったら、一緒に歌って共に素晴らしい時間にできたらと思います。よろしくお願いします。

 

 

メンバーは以下です。

ボーカル・ピアノ:Mitzki(ex Affection Propagandist)

ギター・コーラス:Ikkun(ex $tock Out)

ギター:HAYATO(Ebony N' Ivory)

ベース:Ichi(Ebony N' Ivory)

ドラム:Luigi(The Mayflowers)

1~5
・David Bowie“★”


・Daughter“Not To Disappear”


・Katatonia“The Fall Of Hearts”


・Deftones“Gore”


・BOOM BOOM SATELLITES“LAY YOUR HANDS ON ME”



6〜20
・Radiohead“a moon shaped pool”



・TK from 凛として時雨“Secret Sensation”




・Hammock“Everything and Nothing”



・James Blake“The Color In Anything”



・ANHONI“HOPELESSNESS”


・Aurora“All My Demons Greeting Me As A Friend


・Galileo Galilei“Sea and the darkness”



・Underworld“Barbara Barbara, we face a shining future”


・Massive Attack“The Ritual Spirit”


・agraph“the shader”


・Richard Ashcroft“THESE PEOPLE”


・GRAPEVINE“BABEL,BABEL”


・GOJIRA“MAGMA”


・SCHAFT“Ultra”


・Savages“Adore Life”





2016年1月1日〜6月30日までの上半期でリリースされたアルバムの、私的ベスト20です。

David Bowieの最新作にして遺作となってしまった★は、やはりその状況が影響せざるを得ないとはいえ、純粋に一作品として素晴らしいクオリティとスピリットが宿った名作と言い切る。前作“The Next Day”が旧来のロックスター像に真っ正面から向き合ったアルバムだとすれば、こちらはアートサイド・オブ・ボウイの極致で、生き方がオルタナティヴそのものと言える彼の、最後まで留まらなかった進化ぶりが感動的。若手ジャズミュージシャンの器用による真新しいグルーヴと、レディオヘッド等に通づるメランコリックなポスト感。正直、往年の彼のロックスターな音の時代を聴いていると、このサウンドに行き着くことなんて予想できなかった。私的には“BRING ME THE DISCO KING”のロナーリミックス(TOOLのボーカル・メイナードとデュエット)での、浮遊感ある夜を想わせるサウンドの中で唄うボウイのムーディーな声が好きだったので、その感覚を彼のオリジナルアルバムで存分に堪能できるのもまた美味しいところ。歌詞に関しても言及したいけど、生半可な考察は自分が許せないので割愛。ただ彼は死を覚悟しながら生きることに対して前を向いていたのは間違いない。だってこのアルバムからはすごく生命力を感じるから。




初の単独来日公演でその美しき幽玄世界を魅せたDaughterのセカンドアルバム“Not To Disappear”は、ファーストの方向性を変えることなく一音一音の良さをさらに追求し深化したセカンドアルバムのお手本のような一枚。ファーストアルバムでは似た曲調が続く中でダレる印象もあったが、この新譜においてその問題もクリア。一曲一曲の純度が高く、リズムワークで新機軸になっている曲“No Care”や“Numbers”といった曲においてもDaughter節が絶妙に感じられるのが素晴らしい。自分の思うメランコリックの魅力を見事に具現化した名作。



スウェーデンのゴシックメタルを出自とするKATATONIAが、同郷のOpethらと同じレトロなプログレッシヴロック路線に進みながら独自のオルタナティヴメタルサウンドとして昇華した新作“The Fall Of Hearts”は私的人生の名盤“Night Is The New Day”に並ぶ傑作!と喝采したくなる進化ぶりで。先行公開された“Old Heart Falls”一曲で、その新機軸ぶりは語れるのだけど、そのレトロプログレ×オルタナヘヴィの融合のバランスの良さ、彼らの持ち味である静と動の引き合い、ヨナスのヴォーカリストとして異次元に達した表現力、アコースティック路線を通過したことによるオーガニックなバンドグルーヴ、それを何倍もの快楽へ変換するイェンスボグレンのミックス、等等全ての伏線が最高潮のクオリティを持って収束した名盤。こんなに期待していながら期待を越えてきた作品は近年なかった。



オルタナへヴィロック界の重鎮、Deftonesの4年ぶりの新作は前評判通り久しぶりにダークでシリアスな世界観。こうしたDeftonesが面白いのは間違いない、DIAMOND EYES程のヘヴィネス・KOI NO YOKAN程のロマンティックな色気という特徴に振り切れていない分に地味な印象があるのだけど、そこはスルメの王者と呼ばれたDeftones(勝手に命名)。聴けば聴く程に味わい深い音使いとメロディをしている。ジャケットのイメージそのままの、粗暴に見える中に浮き上がる美しさ、或いは美しく見えて実は暴力的という相反する魅力が詰まった一枚である。


BOOM BOOM SATELLITES、最後の音源は四曲入りEPであるがアルバムとしてカウントさせていただく。最後の最後に、こうした未来に想いを馳せる曲たちを遺してくれたことに感謝する。ただただ美しく、混じり気のない光。愛なき世界を知りながら、世界を抱きしめることを歌い、太陽そのもののような光と化した彼らの音楽はどこまでも眩しい。



Radioheadはここにきてポストクラシカルなサウンドを吸収して、彼らとしては比較的素直な歌を聴かせつつ、やはり一筋縄に噛み切れない音楽を提供してくる辺りが流石。ただ、思いのほか先行の2曲程のインパクトがアルバムの曲順的にも現段階で足りていない印象なのでこの順位。


Daughterに通づるのが、音楽性が違えど同じイギリスで同時期にデビューしたポストパンクウィメンズ“Savages”の新譜も、ファーストの良さを失わずに幅を広げた良作。暴力性と知性、相反するようで同居している魅力は彼女たちならでは。


そんなUK勢の中でベテランといえる元The Verveのヴォーカリスト・Richard Ashcroftの6年ぶりの復活作が、そのThe Verve全盛期といわれる“Urban Hymns”の頃のクラシカル感やサイケ感を更新した王道的アルバムだったことがまた感動的だった。普遍的なソングライターであると同時にその声には独特のサイケデリック感が付き纏う、彼の魅力は衰えていないし、やはり唯一無二であると再確認した。


Antony&The Johnsonの活動で知られる、アントニーヴェガティーが女性名義ANOHNIとしてリリースしたアルバムは、彼女のクラシカルな魅力をエレクトロニカとして反映した音楽としての面白さも去ることながら、圧倒的哀しみを内包した歌の力に圧倒される。間違いなく16年の問題作。

メランコリックミュージックが相変わらず自分のど真ん中であることを再確認させてくれたのは、ナシュビルのポストロック・アンビエントデュオHammockの新作と、ノルウェーの早熟女性シンガーソングライターAuroraの2組。Hammockはepic45と並んで、毎作進化を重ねながら変わらない魅力を放ち続ける、私的にとても大切なポストロック・アンビエントミュージック。


邦楽で良かったのはTK from 凛として時雨Galileo Galilei、GRAPEVINE
TKに関しては最早盲目的に虜的なところがあるので苦笑、彼がエレクトロニカに挑戦したことも素直に受け入れた。Contrast以降の、歌を大切にした彼流のPOP精神は今作でも充実している。

着実に進化を重ね、日本において独自の存在となっていたGalileo Galileiがまさかの解散とのことで残念で仕方ない。。。また最後のアルバムとなった今作が大変充実の内容だっただけに。
リード曲“ウエンズデイ”の、イギリスのインディーポップのような仄かにメランコリックなサウンドを聴いた時、「彼らはついにここまできたか!」と喝采を送りたくなった。
アルバムも様々な曲調を丁寧なグルーヴの演奏で乗りこなし、その上で尾崎氏のストーリー性と影のあるリリックと透明感ある歌声が泳ぐ様は美しい。

GRAPEVINEの新作も「歌」に重きを置いたアルバム、だが彼らの場合は「如何に普通に仕上げずに歌も活かすか」という方向性。前作“Burning Tree”以上に風通しが良いにも関わらず、独特の捻れがあって聴けば聴く程良いというのは彼らの真骨頂。私的には「真昼のストレンジランド」のグレードアップ版という印象もあるが、歌詞においてはあの頃のようなストーリー性というより田中和将自身の言いたいことがいつもより数段生々しさを持って描かれている。10作以上のアルバムをリリースしてきたにも関わらず、止まることのない進化と成熟ぶり。これ以上熟れてどうするつもりだ、と不思議になるバンド。


それらと畑は違うけれど、SCHAFTの黒いインダストリアル轟音は、今までの日本人に描けなかったハイオクオリティかつ日本人らしい響きを携えていて刺激的。



エレクトロ界隈は大御所が充実、サマーソニック出演のUnderworldとフジロック出演のMassive Attackが圧巻のクオリティを見せつけた。EDMという、身体的快楽がメインストリームを席巻する時代において、アートとしてのダンスを追求する彼らの姿勢があらためて胸を打つ。

邦楽ではagraphの新譜が大充実作。LAMAやアニメ・ピンポンのサウンドトラックでその豊かな音作りとノスタルジックな音運びを知っていたけれど、そこを通過してきた本家ソロプロジェクト作もまた故郷を懐かしむような温かい音楽で溢れている。

エクストリームなメタルサウンドはこの頃遠ざかっていたのだけど、その衝撃の破壊力を携えながら絶妙にトリッキーでクレバーな魅力を持つGOJIRAの新作は痛快だった。



・・・といった具合に、今年もジャンルの脈絡なく音楽を聴いています。昨年はリスナーとして音楽への情熱を失っており、聴く枚数も少なかったと思うと、こうして刺激を与えてくれる音楽に沢山触れられることがとても奇跡的で尊いことに感じます。元来からとても好きなアーティストの新作が多く、どれも今までの作品を超える刺激を与えてくれるものばかりでした。下半期も9月に私的好みのアーティストのリリースラッシュ(宇多田ヒカル・TK from 凛として時雨・downy・THE NOVEMBERS・lynch. etc...)で、音楽的充実が止まらない1年になりそうです。




:2016上半期私的ベストトラック50
[今年リリースでないものも含む、()内はアルバム名、今年リリースの曲は☆]

New Ways/Daughter(Not To Disappear)☆
nano -TK kaleidoscope Remix-/Spangle call lilli line(SINCE2)
Old Hearts Fall/Katatonia(The Fall Of Hearts)☆
Blur/myna
ninelie/Aimer with chelly(EGOIST)☆
ウェンズデイ/Galileo Galilei(Sea and The Darkness)☆
sense as climber/myna(myna)
How/Daughter(Not To Disappear)☆
Avarice/Throwing Snow(Mosaic)
FLARE/BOOM BOOM SATELLITES

Mothers/Daughter(Not To Disappear)☆
Rubicon/Deftones(Gore)☆
To Belong/Daughter(Not To Disappear)☆
Tempest Featuring. Adda Kaleh/Throwing Snow(Mosaic)
Blackstar/David Bowie(★)☆
corridor/myna(myna)
Hypnotise/Thrrowing(Mosaic)
Here We Divide/Dead Letter Circus
Take Over/Katatonia“The Fall Of Hearts”☆
Follow You/BRING ME THE HORIZON(That's The Spirit)

Lay Your Hands On Me/BOOM BOOM SATELLITES☆
The Nobodies/Marilyn Manson(Lest We Forget)
Coma White/Marilyn Manson(Lest We Forget)
Lazarus/David Bowie(★)☆
No Care/Daughter(Not To Disappear)☆
Secret Sensation/TK from 凛として時雨(Secret Sensation)☆
Eden/TESSERACT(One)
ブルース/Galileo Galilei(Sea and The Darkness)☆
Prayers・Triangle/Deftones(Gore)☆
Hearts・Wires/Deftones(Gore)☆

Tourniquet/TESSERACT(Polaris)
Katatonia/Dispossession(Last Fair Deal Gone Down)
SPF/GRAPEVINE(BABEL,BABEL)☆
White Silence[live]/TK from 凛として時雨(Secret Sensation)
Falling Away From Me/KORN(Issues)
That Home/The Cinematic Orchestra(Ma Fluer)
Reach For Dead/Boards Of Canada(Tomorrow's Harvest)
The Fight Song/Marilyn Manson(Lest We Forget)
Here To Stay/KORN(Untouchables)
Acceptance(Concealing Fate Pt1)/TESSERACT(One)

Black Star/David Bowie(★)☆
listen listen/HaKU(シンバイオシス) 
like there is tomorrow/TK from 凛として時雨(Secret Sensation)☆
Heavenly/GRAPEVINE(BABEL, BABEL)☆
Burn The Witch/Radiohead(A Moon Shaped Pool)☆
Reach/The Butterfly Effect(IMAGO)
Doomed User/Deftones(GORE)☆
Daydreaming/Radiohead(A Moon Shaped Pool)☆
EMBRACE/BOOM BOOM SATELLITES(EMBRACE)
Right Now/KORN(See You On The Other Side)

高次元なエレクトロビート×ロックのハイブリッドサウンドを操り、日本はもとより世界的な活躍で知られるBOOM BOOM SATELLITES。その輝かしい遍歴は常にボーカル・川島道行氏の、死と隣り合わせになる脳腫瘍との闘いの年月でもあることは既知の通り。そして彼らはついにその苦難でありつつも美しい音楽の旅路を終えることとなった。それはとても寂しさを伴うものであるが、彼らが全力で遺してくれた数々の音源を何度も味わいながら、その功績に感謝するのみである。


最後の作品“LAY YOUR HANDS ON ME”を聴く前に、過去作を聴き返しながら自分がBBSにどのように傾倒していったかを振り返ってみている。自分は彼らの音楽の魅力に真に取り憑かれたのは一昨年の夏という新参も新参で、このタイミングは幸か不幸か、である。ライブも2回しか見ることができなかったし、もっと早く彼らの魅力に気がついていたかった歯痒さが込み上げる。だが僅かな時間でもその活動のリアルタイムに触れることができたという点は誇るべき人生の歓びである。




ファンになる以前にも何度かBBSに触れる機会はあった。一つ目は映画ピンポンのサントラに提供された“Scatterin' Monkey”という曲。その興奮を煽るブレイクビーツとクールに洗練された音響処理は、映画における重要な試合のシーンを彩っていて印象深かった。けれども当時浅はかな中坊でエレクトロミュージックというものに対する「電子音楽は無機質で人の剥き出しの感情を味わえない」という偏見を持っていた自分は、その時点でBBSを開拓することをしなかった。ましてこの曲がBBSにおける人間味の強さを表す川島氏のその歌声が聴けるものでなかったことも、自分にとっては間違った入り口となってしまった節がある。(現在は勿論、ボーカルのないこの曲から人間味を感じるられるし、自分の浅かった感性を反省するのみである)


2つ目の機会は2011年、凛として時雨の対バン企画“トキニ雨”でのツーマン公演。しかし、この時点でも先述のエレクトロ・ダンスミュージックへの偏見は完全に解消されておらず、世界で活躍するクオリティの音楽を鳴らすといわれるBBSに対しても(ある意味そのての音楽の代表であるからこそ)人の心を感じられる音楽でないという勝手なイメージを抱いてしまっていた。その日は諸事情により凛として時雨が先手のライブで、正直その時点で満足してしまい、BBSは中途半端に観てしまった。本当に失礼な話である。そのライブの時点でハマれなかった自分は本当に愚かだと思っている。今や愛聴盤となっているアルバム“TO THE LOVELESS”期の曲たちをメインに演奏していたというのに。でも言い訳をするとすれば、当時の自分にとって彼らの音楽はクオリティが高すぎたというのが大きい。邦楽リスナーと洋楽リスナーの耳の肥え方は、正直に言って差があると思う。当時の自分はまだ邦楽中心の耳をしていたから、彼らの音楽は洋楽リスナーには届く可能性が高くても所謂ロックキッズと呼ばれる身には率直に言って理解できない境地の音楽だったと思う。でも、一曲だけ眩い照明と共に演奏されたバラードが印象に残っていて、それはおそらく今や苦しい時に聴いて助けてくれている曲“STAY”だったと推測している。





それから数年。様々な音楽に触れ、ダンスミュージックにも「ただのフィジカルの快感を求めるだけではない、人の心に訴えるエモーショナルなエレクトロも存在する」と実感するようになった頃、ふと「今BOOM BOOM SATELLITESに触れ直したら、その魅力が理解できるかもしれない」と意識した。あれだけ同業のミュージシャンたち多数からのリスペクトが止まない存在なのだから、そのクオリティの高さに自分が追いつけてなかっただけなんだと。




2014年ROCK IN JAPAN FESのLAKE STAGEでのステージ、WOWOWでの生中継を観ていて鳥肌が立った。一曲目“Moment I Count”、武骨なまでのビートを反復する上で突き抜ける川島さんの歌声、なんてカッコいいんだ、と。「エレクトロには人間味がない」と言っていた自分の気持ちを撤回する、「そんじゃそこらのロックより遥かに人間味の塊だ」。後日放送された代表曲“KICK IT OUT”のライブ映像、これまた「ダンスの象徴」であり昔の自分からすると興味のないタイプの曲なのに、カッコ良すぎて涙が出てしまった。カッコ良くて泣く、って早々ない。




そしてまずベストアルバムをレンタルした。驚いたのはダンスミュージックとしての破格のグルーヴを実現するためのエレクトロと人力リズムの異様なまでのクオリティは勿論、近年のポストロックを先取りしていたかのように美しいアトモスフェリックサウンドを多用していたこと。ここが自分の大きなツボをついていた。BBSはメランコリックな魅力を持つバンドなのだ、と。(“On The Painted Desert”は宛ら映画音楽と言ってもいいオーケストレーションで、Craig Armstrongを想起させた。こんな曲を日本人が作っていたなんて、と身震いするほどの出来)



更にベスト以降にリリースされた“TO THE LOVELESS”〜“EMBRACE”はその魅力を更に強めた作品になっていた。美しいトラックに美しいメロディが追求された、メランコリックでいて生きる強さを携えたアルバムたち。この「人間力が溢れ出して止まらない」ような感情的魅力が、まさかエレクトロミュージック主体のバンドから感じられた驚きと感動は勿論のこと、この魅力の源を知りたくなった。



そこにはやはり川島さんの人生観が関わってくるのではないかと想像する。いつ死を迎えるかわからない人生、それを常人より遥かに理解している彼が、音楽を通して「生きること」に対して肯定であること、その美しさ力強さがBBSの莫大な人間味を生み出しているのではないかと。一つでも多く人に届けたい、という覚悟も。そして共に志し隣で支え続ける中野さんもまた凄まじい覚悟を持って音を生み出しているから、人の胸を打つのだと。




“TO THE LOVELESS”の何処か絶望から立ち上がろうとする空気と、その先に世界を肯定することを歌った“EMBRACE”、こんなこというと本人は否定するかもしれないけど、リスナーからすると彼はその過程で一つの達観を得たように見える。



そして「科学の限界です、どう生きるか選んで下さい」と余命宣告をされた上で「新しい音楽を届けたい」と作り上げたフルアルバム“SHINE LIKE A BILLION SUNS”。ファンになって初めての待ち侘びた新譜。先述の「達観」が具現化されたような曲たち。こんな美しいアルバムは人生で何度出会えるだろう。




そして新薬の臨床実験に成功し、脳腫瘍の拡大を防ぐことが出来たという安堵のニュースと共に、アルバムを引っさげた全国ツアー。運良く大阪公演に参加した。そこで目撃した美しさと力強さ、天国にいるような安らかさと多幸感。やっと、BOOM BOOM SATELLITESという尊い存在にしっかりと触れることができた、そしてそれは予想を遥かに超えて感動的すぎる世界だった。


そして「まだこれからがある」と信じてやまない中、脳腫瘍の再発により予定されていたライブは中止。ついに川島さんは歌うことさえ困難になった、という中野さんのインタビューでの言葉を観た時、信じられなかったというか信じたなくなかった。「どうにか戻ってきてくれる」という気持ちでいっぱいだった。でも一番の当事者でありながら冷静に全てを語ってくれる中野さんの胸中を思うと、リスナーである自分も覚悟を決めなきゃいけないのだと悟った。



自分は24年生きてきて、同時代を生きた尊敬する存在が逝ってしまうという状況に立ち会ったのは一度だけ。Pay money To my Pain、K。彼の訃報、そしてバンドの停止、最後の音源。その過程のやりきれなさは未だに続いていると言っていい。自分はBBSのファン歴は浅いにしろ、今では自分の中で十二分に大きすぎる存在となっている。川島さんはまだ生きている、でも近い将来お別れしなければならないという運命。なぜ皆に必要とされる真のアーティストほど、神というやつは悪戯にも奪っていくのか。


そんな言葉にならない悔しさや哀しさの中でも、彼らが前向きに最後の作品を届けようと全力を尽くしているという報告に勇気をもらった。だから最後の作品といえど、感傷的に触れるのは止めようと思った。きっと前向きで力強い曲が待っているんだろう。純粋に楽しみに、大切に聴こうと思った。だから、リリースして買ったCDも自分がそういう気持ちで触れられる日まで一度寝かせておくことにした。




そうして今日、今から聴く。彼らの美しい旅路の終わりを見届け、受け入れなければならない。それと同時にリスナーは彼らから受け取ったバトンを手にそれぞれ新しい旅が始まるのだ。きっとそんな気持ちにさせてくれる曲が待っているに違いない。


今年のベストを選出、と言いながらも今年は新譜を殆ど追えてない状態というか、未聴の作品が多いので順位をつけられないので、とりあえず暫定の10枚を。




ANATHEMA“Sorts Of Homecoming”


BOOM BOOM SATELLITES“SHINE LIKE A BILLION SUNS”


BRING ME THE HORIZON“That's the spirit”


TESSERACT“Polaris”


GRAPEVINE“Burning Tree”
Burning tree (初回限定盤)/ビクターエンタテインメント



Ludovico Einaudi“Element”

Bjork“Vulnicura”

My Autumn Empire“Dream Of Death And Other Favorites”

Agent Fresco“destrier”

吉田一郎不可触世界“あぱんだ”



1.ANATHEMAはライブ作品だけれども、全編アコースティックアレンジということで新作として捉える。元来から優れている曲の良さ・歌のポテンシャルを、削ぎ落したアコースティックアレンジによって120%解き放っている。これが名作にならないはずがない。

2.BOOM BOOM SATELLITESの哲学・音楽的可能性が高次元で結晶になった最新作。死と隣り合わせの彼が唄う生への究極の肯定。ネガティヴさなど何処にもない、真っすぐで眩い光。だから一声、一音すべてが感動的なのだと思う。音楽を愛する全ての人に触れて欲しい作品。

3.BRING ME THE HORIZON、前作“Sempiternal”は新メンバー・ジョーダンの加入によって多彩なエレクトロサウンドを獲得し、それまでのデスコアバンドとしての評価を度外視した意欲的な作品であった。と同時に、Vo.オリバーが死の淵から生還する行程が描かれた、壮絶でエモーショナルなアルバムだった。引き合いに出すのなら間違いなくPay money To my Pain“gene”と同じ感触だ。その“Sempiternal”で成功と再生を果たした彼らは、進化を止めないどころかさらに加速させた。その結果である“That' the spirit”、チアリーンディングとヘヴィロックを融合した先行シングル“Happy Song”、Linkin Parkに通づる“Throne”など、一段と大きくなったスケール感と留まることを知らないポジティヴなエナジー。一時期は死にかけていた男とは思えない、その力強さが感動的だ。「スタジアムクラスのバンドになりたい」と公言するオリバー、それを実践してみせたこの作品は、グッドメロディの宝庫かつニューウェーブ風・R&B風など様々なタイプの楽曲を揃えており、大衆性を獲得。それでいて彼ら独自のエモい感触が付き纏う、そのバランス感が素晴らしい。このアルバムからヘヴィ音楽の世界に入る人がいるだろうし、とても意義深い作品。

4.TESSERACT、ついにメジャーデビュー、それもANATHEMAと同じKscopeから。Kscopeの精神性とTESSERACTのDjentサウンドが絶妙に絡み合った瞬間、そこは宇宙と化した。複雑怪奇なリズムを最小限に留めつつ、絶妙のバランスで歌を引き立てながら主張する楽器隊、そして復帰した名シンガー・ダニエルのエモーショナルで美しい旋律が眩い星のように泳ぎ回る。こちらもまた、ヘヴィミュージックの垣根を超え様々なロックリスナーに届く普遍性を持ちながら、彼ららしさもまた更新した意欲的なアルバム。


5. GRAPEVINE、こんな独創的且つ着実な進化を遂げている日本のバンドは彼らしか居ないと思う。バインのオルタナティヴ精神は確実に欧米のバンドと呼応していて、その得難い事実がここ日本でキッチリと評価されているのか歯痒いくらいである。意欲的でカラフルな音色に、積み上げてきた円熟のグルーヴで紡ぐ多彩な楽曲、そこに完全に作家としてリミッターを解除してしまった田中のリリックがまた一つの大きな結実を果たした大傑作。生命賛歌!と唄いたくなるBig Tree Songに始まり、諸行無常の人生観が心をかき乱す“サクリファイス”に終わるというアルバムの流れもまた絶妙。私的ベストトラック“IPA”は、自分がGRAPEVINE・田中和将にシンパシーを抱く「喪失の夏のイメージ」を新たに更新したエモーショナルな曲。これからも自由にどこまでも得難い存在で居て欲しい。


6~10、私的ピアノインストナンバーワン・Ludovico Einaudiの新作は安定してエモーショナルで美しいメロディを奏でていて良かったです。Bjorkがパーソナルな表現をするとき、それがストリングスを交えた純粋無垢な歌を紡ぐとき、名作にならないはずがなかったです。自分が失恋した時に聴いたらもっとこの世界に入り込めるかも。epic45のベンのソロプロジェクト、説明しようがなくこの人の描く景色が好きだということを再確認。アイスランド期待のバンド、Agent Frescoはユニークなリズムワークとアイスランドならではの美しさを兼ね備えたバンド、毎作面白いです。ZAZEN BOYSの名ベーシストのソロワークス、まさに不可触すぎる空間の虜になること必死。





:次点or未聴

D'ANGELO&THE VANGUARD“BLACK MESSIAH”

Robert Glasper“Covered”

Periphery“Juggernaut -Alpha-+-Omega-”

sukekiyo“VITIUM”

THE NOVEMBERS“Elegance”

凛として時雨“es or s”

lynch.“D.A.R.K.”

Breaking Benjamin“Dark Before Dawn”

Tha BOSS“In the name of hip-hop” 

MUSE“Drones”

Coldplay“A Head Full Of Dream”

MUTEMATH“Vitals”

Death Cab For Cutie“Kintsugi”

Jamie XX“In Colour”

WILCO“STAR WARS”

toe“Hear You”

きのこ帝国“猫とアレルギー”

tricot“A N D”

イギリスはリヴァプール出身のバンド、ANATHEMA
以前から関心があったのだけれど、去年の中頃にリリースされた現在の最新作“Distant Satellites”でついに心奪われて以来、自分のなかで大きな存在になってゆく一方。

さらに今年は、(私的にはファンになってすぐのこの絶妙なタイミングで)デビュー20年以上にして初来日公演を行った。恵比寿リキッドルームで2DAYS。自分は都合上2日目しか行けなかったのだけど、一日だけで良かったとある意味感じる。こんなもの2日間も見たら幸せすぎて、この世に留まる必要性を失くしてしまう、それくらいの素晴らしさだったから。そんな来日公演を見て、益々自分の中でANATHEMAの存在は大きくなった。


そして少し歯痒く思うのが、彼らの実力や音楽スケールの大きさと、日本での知名度の圧倒的ギャップ。ライブを見て、彼らのダイナミズムは凄まじい領域に達していることはわかったし、これはもっと大きな会場で鳴らされるべき音楽だと思った。ヴォーカルのヴィンセント・カバナー自身がしきりに「自分たちはColdplayやMUSEといったバンドと共演したい」と発言しているけども、実際それぐらいのスケールで鳴ったとき、初めて真価を発揮するであろう普遍的な曲と圧倒的ダイナミズム。

だから、普段は好みの音楽を他人にゴリ押しするなんてことしないのだけど、このANATHEMAに関してはもっと広く知られて欲しいという気持ちが強く、こんな文章を書いている。勿論、微力にすらならないと思うけども、どうしても書き記しておきたい。なぜなら、彼らの普遍的魅力が届く人は沢山いるはずだから。極端な言い方だが、「音楽を心から愛している人」なら誰でもこの魅力が伝わる、それぐらいの勢いだ。というわけで前置きが長くなったが、ANATHEMAについて紹介してみようと思う。自分はリアルタイムで追っかけてきたファンではないので、現在のスタイルが形成された三枚のアルバムを主に紹介しようと思う。








メンバーはメインソングライターのダニエルと、ヴォーカルのヴィンセント、そしてベースのジミーのカヴァナー三兄弟とドラムのジョンダグラスを中心に結成された。

元々、ゴシックメタルバンドとしてデビューした彼ら、初期はデスボイスも使っていたとのこと。自分が惹かれるどこかメランコリックなコード進行やメロディの基盤はこの時点からのモノなのかもしれない。

けれど次々に音楽性を変化させ、着実に進化していく彼らは徐々にレディオヘッド等を彷彿とさせるオルタナティヴロックバンドとして認知されていった。だが、ゴシックメタルをやっていた頃から何一つ変わらないのは「楽曲至上主義・ソングライティング最優先」ということ。どんなサウンドになっても、メロディが・歌が中心にあるという、普遍的な価値観。



中でも転機となったのが、現在のスタイルの第一歩目とも言われる2010年のアルバム“We're here because we're here”
現代のプログレッシヴロックの重鎮・スティーヴンウィルソン氏が主宰するレーベルKscopeに移籍して最初のアルバム。このレーベルはプログレッシヴロックの多彩な側面を最新型の音色でもって鳴らすことを追求するジャンル・ポストプログレッシヴのバンドを抱えていて、ANATHEMAがその精神性をうまく吸収した結果でもある。

ジャケットのイメージそのままの、至福的な光が降り注ぐ様な肯定感のあるアルバム。オルタナティヴバンドとして培った多彩なアレンジと、アトモスフェリックな音響演出。ストリングスを交えたドラマ性。元来から普遍的なソングライティングを大事にしてきたANATHEMAの特性が爆発した瞬間でもあった。



“Dreaming Light”、地球上で最強のスローソングと言っても過言ではないと思う。何もかもを肯定してくれるような優しく力強いバンドサウンドと歌声。因みに自分の今年の再生回数一位です笑。




またこのアルバムの前にジョンの妹、リーダグラスがヴォーカリストとしてメンバーに加わったこともあり、男女混声のアレンジはより幅広い音楽表現を可能にした。“Summer Night Horizon”はエッジィなピアノリフと疾走感あるグルーヴが、まさに夏の夜明けの地平線を想わせるドラマ性を内包している名曲。(フジロックで聴きたい)




そしてこのアルバムの方向性を押し進めた2012年作“Weather System”多くのファンが最高傑作と評する一枚。自分にANATHEMAを教えてくれた某ブロガーさんの言葉を借りると、これは「黄金体験」。

前作の方向性が凄まじい覚醒を伴って完成した作品。このアルバムのソングライティングは異常なレベルで、冒頭の組曲“Untouchable pt1-2”に始まり、全曲が絶品のメロディ・リズムグルーヴを記録している。そして何より、全曲から放出されるかつてないエナジー。どこから湧いてくるのかわからないその溢れんばかりの愛・愛・愛。これが人間賛歌というものなのかもしれない。




これはライブを見た時に気付いたのだけど、暗いメランコリック好きの自分がなぜ、ANATHEMAが放つこの莫大な光を受け入れられるのか。ANATHEMAは出自がダークなバンドであり、闇を知っているバンド。そして光を照らすということは闇を浮き彫りにするということでもある。彼らの光とは、闇に向き合った上で描く、混じり気のない本当の強さを持った光なのだと思う。その世界観の源になっている歌詞にも是非目を通して欲しい。




またこの2作を中心として、ストリングス隊を招いて敢行されたライブ“UNIVERSAL”、DVDにもなっているけれど、この時点でもうヴィンセントのボーカルは異常なレベルに達している。どこまでもパワフルでエモーショナルな歌声。こんなに感情を込めて唄える人は他に居ない。




そして自分がANATHEMA初体験となった2014年最新作“Distant Satellites”がリリース。大絶賛された前作に負けず劣らず(自分は思い出深さもあってこちらが更に好き)、これまでの普遍的なソングライティング路線を更新しつつも、バンド名を冠した楽曲“ANATHEMA”を6曲目に配置し一曲目から6曲目まではどこか原点回帰したようなダークさも感じさせる。その6曲目で今までの自分たちと別れを告げるという意志が込められているのか、7曲目からは新境地となるエレクトロニカな楽曲が並ぶと言う構成になっている。



三部作“The Lost Song”を中心に(Part1のストリングスのスピード感、“The fear is just an illusion”という叫びは涙腺崩壊必死)、その間に挟まれたDusk(Dawn is descending)、Arielもエモーショナルな名曲で、ANATHEMAのドラマ性が凝縮された前半。時に交錯し、重なり合って人間模様を表現するヴィンセントとリーのヴォーカルは、過去最高の輝きを放っている。




そして先述の6曲目、“ANATHMA”は是非歌詞に目を通してもらいたい。
自分自身もライブ前に、この曲の歌詞がプリントされたTシャツを目にしてからライブを見たことが大きかった。ライブでは一曲目だったが、まさに最初からハイライトだった。


“But we laughed
And we cried
And we fought
And we tried
And we failed

But I loved you
I loved you.”

だけど僕らは笑い合った
泣き合った
戦った
繋ぎ止めようと試みた
失敗してしまった

だけど愛していたんだ



恋人たちの関係を唄っている歌詞にもとれるけど、これはバンドの歩んできた道のりを示しているとすれば、さらにこの曲のドラマ性が増す。ヴィンセントが張り叫ぶように“I loved you”と唄った後、天から降り注ぐギターソロの力強さと美しさといったら。

自分は最初この曲を、「バンド名の曲にしては地味だな」なんて思っていたけど、とんだ大間違い。この曲はこのミニマルな展開でしか語れない。これ以上ないソングライティング。



ここまでの文章で何度も繰り返して登場する単語が、エモーショナル・ドラマ・ソングライティング・ミニマル等。ANATHEMAの持つ普遍的魅力の要素はこの辺りにあると思う。世の中様々な音楽があれど、自分は「グッドメロディ・エモーショナルな歌」に敵う音楽はないと思ってる。誰しもの中心にあるものだから。そして、その点において無敵の境地にあるANATHEMAは、ここ日本でも確実に多くの人の心に刺さる存在となってしかるべき、と思えてならない。




因みに先述の初来日公演では一曲目にこの“ANATHEMA”からスタートし、続いてWeather Systemの最初を飾る組曲“Untouchable Part1~2”、さらにDistant Satellitesから“The Lost Song part1~2~3”と序盤にしてハイライトになってしまうほどのフルスロットル。DIR EN GREYでいうVINUSHKA、DIABOLOS、MACABRAを開始3曲で演奏してしまうようなものだ。


更にスゴいのは、その時点で満足感一杯なのに後半までライブのテンションが途切れることがなかったこと。一曲一曲が豊潤なクオリティで、演奏も鉄壁であるため、何処を切ってもハイライトと化す名ライブとなった。因みに来日公演でドラムを叩いていたのはジョンダグラスではなく、新メンバー・ダニエルカルトーゾ氏。この人のグルーヴは本当に凄まじかった、これは是非ライブで体感して欲しい。そしてジョンはドラムでなくとも、パーカッションやピアノ、マニピュレーターなどを器用にこなしていた(ソングライティングも実は彼の力が大きいらしい)


自分はこの2015年、生まれて初めて音楽との距離を置かなければいけない状況になった(楽しむことができなくなっていた)のだけれど、そんな自分にあらためて「音楽の素晴らしさ」を叩き込んでくれたのが、このANATHEMAのライブだった。


そんなハイライトだらけのライブの終盤に演奏される鉄板曲“A Natural Disaster”は、先述の闇と光の中間のバランスをもった、ゴシック期の名残も見受けられる実にANATHEMAらしい一曲。リーの聖母のような柔らかい歌声を中心に進行し、美しいギターソロを挟んで、ヴィンセントの声と掛け合う大サビはエモーショナルの極み。




“No matter What I say
No matter What I do
I can't change what happened”

何を言ったとしても
何をやったとしても
起きたことは変えられない




あれだけ輝かしく肯定間のある楽曲を前半に演奏しつつ、この後悔ともとれるフレーズのあるこの曲を終盤に演奏するのは、やはりANATHEMAは闇を唄うバンドなのだと思う。だが、それは本当の光を探すことの裏返し。このフレーズも、逆転の発想をすれば「変えられない過去より未来を見よう」と唄っているように思える。この辺り、DIR EN GREYなどが好きな方にも興味を持ってもらえると思う。




また最新映像作品“A Sort Of Homecoming”は旧作から最新作から選りすぐりの曲をアコースティックアレンジし、大聖堂というシチュエーションでコンサートしたもの(先に貼ったANATHEMAもこのライブの時のもの)。これがまた彼らの楽曲の芯・歌の力を際立たせていて素晴らしいです、だって予告映像だけで泣いたくらいだからね笑。入り口としても申し分ないと思うので、もしどれか購入される場合はこの作品を是非(笑)。





駆け足ながらANATHEMAの魅力についてまとめてみたのだけど、時系列に紹介している以外、私情も混じってまとまりにかけているような気がする苦笑。それでも一度聴いてみていただきたい。そして、この美しく感動的な世界の虜になってもらえれば幸いです。