知的障害児の学びの特徴とは?記憶・理解・定着のしくみ
こんにちは、うさぎです🐰
今回は「知的障害のある子どもたちは、どのように学ぶのか?」
について、現場経験からわかりやすくお話しします。
📌 知的障害がある子の「学び」は、どう違うの?
知的障害のある子どもたちは、情報を記憶する力・理解する力・定着させる力に困難があることが多くあります。
でもそれは「学べない」わけではありません。
学び方に工夫が必要なだけです。
この記事では、よく見られる学びの特性と、それに応じた支援の工夫を紹介します。
① 短期記憶が苦手な子が多い
知的障害のある子は、「聞いたこと」「見たこと」を一時的に覚える力が弱いことがあります。
たとえば…
- 先生の指示を1分後に忘れてしまう
- 今日やるプリントを聞いた直後に「何やるんだっけ?」と尋ねる
- 算数の手順を覚えていられない
🔧支援の工夫:
- 口頭で伝えるだけでなく、視覚的に示す(絵・写真・ホワイトボード)
- 1つの指示を短く区切って伝える
- 「言いながらやる」「手順表を使う」などマルチ感覚で覚える
② 言葉の理解に時間がかかる
抽象的な表現や比喩を理解するのが難しい子もいます。
たとえば…
- 「ここ片づけて」→ どこをどう片づければいいかわからない
- 「いいかげんにしなさい」→ 「いい」+「かげん」?と混乱
🔧支援の工夫:
- 具体的でシンプルな言葉に言いかえる
例:「このおもちゃをかごに入れてね」 - ジェスチャー・写真・実物を併用する
- 繰り返し伝えて、「これのことなんだ」と実体験と結びつける
③ 一度覚えたことを忘れやすい
昨日はできたのに、今日はできない…という場面も多く見られます。
それは「身についていない」のではなく、「定着までに時間がかかる」だけかもしれません。
🔧支援の工夫:
- 何度も繰り返して練習する(ドリルよりも実体験)
- 日常生活に組み込む(例:買い物でお金を使う → 計算練習)
- 「○○できたね」と言葉にして振り返る
④ 学びが断片的になりやすい
「1回1回はできるけど、つながらない」という姿もよく見られます。
例:
- 時計の「3時」は読めるけど、「3時に教室に行く」が結びつかない
- 計算はできても、文章問題が解けない
🔧支援の工夫:
- 教えたことが「いつ・どこで・なぜ使うか」を具体的に伝える
- 体験と結びつけて学ぶ(ごっこ遊び、生活単元など)
- 学習後に「いつ使うか」を一緒に話す
⑤ 感覚的な学びが得意な子も多い
視覚・聴覚・身体を使った学びのほうが、頭に残りやすい子も多いです。
例:
- 実際に体を動かして覚える(時計の針を動かすなど)
- 歌・リズムに乗せて覚える
- 色や形、音に意味を持たせる
🔧支援の工夫:
- 絵カードや図を使う
- ジェスチャーを加える
- 「目で見て、手で触って、声に出して」学ぶ
🕊 まとめ
- 知的障害のある子は「記憶」「理解」「定着」に時間がかかる
- でも「わかる力」「学びたい気持ち」はちゃんとある
- 教え方を工夫すれば、力をぐんぐん伸ばせる
私たち大人ができるのは、
「その子に合った学び方」を一緒に見つけること。
つまずいた時こそ、関わり方を見直すチャンスかもしれません。
💬 コメントお待ちしています
「うちの子もこのタイプかも」「こんな工夫が効いたよ」
そんな気づきがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね🌷