1985/12月号の月刊デラックスプロレスにジャパングランプリ決勝の模様が記載されていましたので引用します。
-------------------------------------------------------------------
突如、5人の覆面"影武者"軍団が登場
「どいつがダンプなんだ?」
「タッグリーグ・ザ・ベスト16」は10月10日、体育の日に晴れの優勝決定戦を迎えた。
まず同率2位(5点)となったダンプ松本、ブル中野組と山崎五紀、立野記代組が優勝戦進出をかけて激突。体力的に劣る山崎、立野組は極悪同盟に対して分(ぶ)が悪く、公式戦に次いで、この日もダンプのラリアットの前に山崎が沈んだ。10分間のインタバルをおいて迎え優勝決定戦は、まず場内に「極悪同盟のテーマ」が鳴り響く。
ところが通路に姿を現したのは黒装束に身を包んだ5人の黒い覆面軍団だった。あの髪切りデスマッチでニセダンプまで登場させたダンプは、どこまで悪知恵が働くのか場外を歩いた影武者”軍団は意気揚々とリングへ。
5人の正体は誰なのか?この中にダンプはいるのか?
イライラした飛鳥が、ヌンチャクを手にした人をつかまえ、試合はスタート。キックの連発で追い込みサッとマスクをはがすと、その正体はブル中野。これは予想通りだ。
次の長与がダンプとおぼしき巨体の一人につかまり、ロープに飛ばされたが、カウンターのドロップキックを見舞い、すかさず馬乗りになってマスクをはがす。正体はダンプではなく、髪切りデスマッチに"初登場"したダンプのニセ者だった。
あとはコンドル斎藤、新人の仲前芽久美もう1人も新人か・・・。
そのどさくさにまぎれて、竹刀を手にしたダンプが、ついに姿を現す。
-------------------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------------------
完全に極悪同盟のペース。
極悪同盟のターゲットは長与だ。東北サーキットで痛めた長与の右とザは包帯が巻かれているが、これがかっこうのマトとなったのだ。1本目は、勝負を度外視した極悪同盟が長与の右ヒザを狙い撃ち、反負けを宣せられたが、これで長与の出足は止められてしまった。
2本目、動けない長与の分も、と飛鳥が燃えて中野をジャイアント・スイングで振り回し、長与にリレー、足を引きずりながらも、長与は正拳、パイルドライバー、さらに飛鳥のエルボーを呼び込むと、代わった飛鳥が思い切ったジャーマンを爆発させる。クラッシュらしいシーンは、このあたりだけだった。
中野を取り逃がしたのが悔やまれる。息を吹き返した極悪同盟はダイナミックな2人がかりの攻撃を披露する。ダンプが飛鳥を頭上高く肩車に担ぎ上げ、そこに中野が空中ラリアットを見舞ったのだ。この1発は飛鳥「このあとのことは全く覚えていない。勝ったか負けたのかも・・・」という記憶喪失に追い込んだほど強烈なダメージを与えた。
3本目は長与が1人で奮戦するが、しょせんは手負いだ。右ヒザを痛ぶられ、鼻血まで流しながら、向かっていくが「これ以上、続けると選手生命に関わる」と植田コミッショナーがレフェリーにストップを命じ、ついに極悪同盟の初優勝が決まった。試合後、クラッシュは記憶喪失におちいっており、報道陣の前に姿を現せないほどだった。惨敗だ!
-------------------------------------------------------------------
10/10のタッグリーグ・ザ・ベスト決勝の模様が詳しく書かれています。
まず、卒塔婆を片手に覆面の選手が5名ほど登場。この中にダンプはおらず、中身はブル、コンドル、仲前、坂本、影だったと思われます。
2本目に飛鳥が失神しますが、この時に「その後の記憶がない」と書かれています。すると3本目にかろうじて長与を助けていた飛鳥は、その時ほぼ記憶がなかった状態だったということですね。凄い事実です。
写真を拡大してみます。
ダンプがめちゃくちゃ楽しそうです。
ブルのトップロープからのフライングラリアートで勝負あった、という感じでした。
当時流行していたアキレス腱固めを披露したブル中野です。凶器を使わずに技で魅せようとこの時から模索していたようです。