1985/12/11 日立池ノ川体育館 大森・飛鳥vsダンプ・コンドル
元の動画がわかりませんので、発見しだい貼り付けたいと思います。
(↓AIでフルハイビジョンに変換した動画です。試合部分のみ抜粋)
今回は日立池ノ川体育館で行われた大森・飛鳥vsダンプ・コンドルの試合を見ていきたいと思います。
まずは極悪側の入場。
今回もダンプはニューヨークで購入した紫のロン毛のカツラをつけて登場。
コンドルは金髪に染めた後に伸びてきたのか? という感じです。
志生野アナ「このところ大森ゆかり選手も、ちょっとヒザが心配ですね、宮本さん」
宮本「本当ですねー、まぁサポーターで固めてはいるんですけどね」
この日は長与もヒザの故障で欠場。大森もヒザに不安を抱えての試合です。
ダンプのコールがされたあと、すぐに奇襲。
少々ノシノシと走っている感じはしますが・・(笑)
1本目
奇襲からのボディアタック。さらに飛鳥のヒザを攻めます。
その後、コンドルにタッチすると、飛鳥が反撃。そして大森へ。
(たまに見せる大森のラリアート)
志生野アナ「極悪同盟がこれだけ席捲した年はないんじゃないでしょうか」
志生野アナ「いわば悪役の年でもありました」
志生野アナ「今日はメインイベント、本来ならばライオネス飛鳥、長与千種、こうだったんでしょうけど」
志生野アナ「今日はライオネス飛鳥、大森ゆかりのコンビがダンプ松本、コンドル斉藤に挑戦しております」
志生野アナ「あらためて長与千種の口からダンプ松本のことを聞きたいですね」
長与「そうですねー、旅先にいきますよね。そうするとベビーフェイスはみんな固まって練習をするわけなんですけど」
長与「極悪は器具使わないんですよ、器具使わないで隠れて反則の練習をよくやってたのを見ちゃったんですよ」
長与「それをダンプが手取り足取り、新人に教えていた、徹底して凄かったですよ、あれは」
志生野アナ「ですから密かに行うダンプ教室とでもいうんでしょうか」
志生野アナ「新人たちを巻き込んで徹底的な思想教育みたいなのをやっているんでしょ」
志生野アナ「例えば、凶器を使う時も中途半端な気持ちで使うなと、徹底的に思い切ってやれと」
長与「なんか張り紙をしてあるんですよ、ダンプたちのバスのほうに」
長与「『勝つためには手段を選ばず』と。その言葉が一番頭にありますけど」
志生野アナ「そういった悪の徹底教育で、現在極悪同盟はご覧のような陣容になっているわけではあります」
長与の「反則の練習をしている」の意見ですが、これだけだとまるで極悪はレスリングの練習は全くしていないように聞こえますね。わざとそう話しているようにも感じます。また、赤バスの張り紙といえば「陰口を言わない」、「こちょこちょ話をしない」という掟が書かれていたとぶるちゃんねるで話していました。長与が「『勝つためには手段を選ばず』と。その言葉が一番頭にありますけど」と話しているので、他の掟も知っていたかもしれませんね。
今日のダンプのペイントは何でしょうね。なにかの妖怪を描いていると思うのですが、良く分かりません。
志生野アナ「それにしてもダンプ松本、今日のメーキャップはいかがですか」
ゲスト「すごいですね、アップになったときには」
志生野アナ「よくあれだけ思い切ってできますね」
長与「歌舞伎役者みたいですね」
(飛鳥をサソリ固めに持っていくダンプ)
長与「サソリ固めにもっていってます」
長与「痛いんですよ」
長与「ダンプの足が太いですよね、短いから食い込んでくるんですよ」
長与「で、その上に体重を落とされちゃうとギブアップしかねないですよね」
長与の話によると、ダンプのサソリ固めはかなり効くらしいです。
さてここからが問題。
志生野アナ「そして大森が出て参りました。大森も足が悪いんですけど迫力十分であります」
志生野アナ「コンドル斉藤がすっ飛んでおります」
ここでコンドルを抱え上げたときに、リングのくぼみに足を取られて、ヒザを完全に痛めてしまいます。
長与「あ、足首!」
志生野アナ「ヒザをやった」
志生野アナ「大森ゆかりのほうが、逆に相手を投げ飛ばしてヒザをやりましたね」
志生野アナ「さっき長与千種選手が一番心配していたところ、ヒザをやったようであります」
志生野アナ「しかしそのヒザに対して竹刀攻撃を仕掛けようとしております」
アクシデント発生で大変な状況です。大森はリング下で治療となります。
志生野アナ「ヒザをやりましたか?」
長与「ヒザか足首かですね。体重があるんでそっちのほうに負担がきやすいんですよね」
志生野アナ「しかし格闘技、本当にもう目を覆いたくなります」
ある意味、放送事故のような大森の怪我。ダンプも驚いたかもしれません。
ここでダンプはどうするのかと思いきや。
放送席の長与千種を挑発!!
冷静ですね。
ケガをした大森に追い打ちをかけず、試合をぶち壊さないようなヒールの演出を見せています。
試合に関係ない長与を挑発するところが頭が良いというか、悪役としての仕事をきちんとしています。
これに対して長与も、時間稼ぎとして放送席から出ていっても良かったかもです。
宮本「大森がヒザを痛めるアクシデントがねぇ、ちょっと影響が大きいですね」
志生野アナ「もうね、大森はほとんど歩けないような状態」
志生野アナ「ちょっと試合が出来そうにありません」
長与「涙がでてますね」
志生野アナ「泣いてる?」
大森が試合中に泣くほどですから、相当な痛さなんでしょう。
志生野アナ「痛さに泣いております、悔しさに泣いております、大森ゆかり」
ここで大森がリングインしますが動けない状態です。これは試合として成立しない感じもします。
こういう場合、ダンプは心中、どう思っていたのでしょうか。
プロとして試合は成立させないといけないわけです。こういう時こそ長年のプロレスの経験が試されるときなのかもしれません。
ここでダンプがチェーンを大森に向かって投げました。自分は竹刀です。
ケガをした大森にはレスリングではなく、お互いに凶器で戦ったほうが試合として成立するというダンプの計算でしょうか。
志生野アナ「いやー、千種、どうしても大森とダンプ松本ってのは因縁があるんですね」
長与「どうしても大森のパワー自体を欲しくて仕方ないんですね」
志生野アナ「極悪同盟に入れたいわけでしょ?」
長与「ジャンボ堀さんも引退しますよね、そうするとペアがいなくなっちゃうんですよ」
長与「パートナーが。そうすると一匹狼にするには勿体ないんですね」
長与「極悪の方に。だからダンプに負けたら、そのまま無条件で青コーナーのほうに行かなきゃ行けなくなっちゃうんですけど」
志生野アナ「ですからいま大森に剣チェーンを渡しましたでしょ、『これで来いと』」
志生野アナ「これで攻撃したら思う壺でしょ」
長与「まだ早すぎます」
長与「大森自身は行きたくないんですよ」
志生野アナ「行きたくない、しかしその大森を極悪陣営に誘っていますのがダンプ松本であります」
(チェーンは投げ捨てて凶器攻撃は放棄する大森)
凶器を使わない大森に対して、ダンプは仕方なくヒザを攻めていますね。
多少オーバーアクション気味ではありますが・・。
志生野アナ「もう大森も右の足の状態、左のヒザの状態、最悪の事態じゃないですか」
宮本「先ほどから立つのも苦しそうですからね」
長与「あ、あ、あ、抜けていますよ、足首」
志生野アナ「右のヒザか」
長与「右の足首」
長与「前に私が足首を脱臼して同じ状態になりました」
志生野アナ「こういったことは長与千種しか分かりませんが」
この状態でも大森を痛めつける極悪同盟。さすが全女。見ている方が痛々しくなります。
コンドルもヒザを攻撃。たまらず飛鳥が飛び出しています。
志生野アナ「その足を攻撃しておりますのがコンドル斉藤であります」
志生野アナ「なにかあの、もう正視できないようなリング上ですね」
宮本「これは試合続行を考えなくちゃいけないですね」
志生野アナ「大森ゆかり、もうほとんど足が使えません」
ダンプの後輩のブルやコンドルは、ダンプの教えを忠実に守って、大森を「これでもか!!」というほど痛めつけています。
ケガをした大森にも容赦ないです。ある意味、本当によく教育が行き届いていますが、壮絶です。
志生野アナ「いまライオネス飛鳥、大森ゆかりを助けに入りました」
志生野アナ「しかしちょっと大森は試合が出来そうにない」
志生野アナ「足が完全に使えないですもんね」
長与「ちょっとおかしいですよ、右足の足首。内側向いちゃってるから」
長与「普段はあんなにならないですよ」
このダンプの怪獣のようなアクションがなんともいいですね。
志生野アナ「ダンプ松本、大森に対しまして容赦のない攻撃であります」
志生野アナ「まったく情け容赦がありません」
志生野アナ「もう大森ゆかりはちょっと試合ができない」
その後、リングの外へダンプが飛鳥と大森を投げ飛ばしますが、その後はコンドルと同士討ち。
大森がトップロープからのボディアタックを敢行。あれだけヒザを痛めているのに、信じ難いプロ根性。
しかしダンプが避けて自爆してしまいます。大森のヒザを考えると、ダンプが受けても良かったかも?
ダンプが大森をフォール。同時に飛鳥がコンドルをフォール。
ここでホセ・トレスがスリーカウント。
志生野アナ「カウントが入った~!!」
長与「あ、ちょっと待ってくださいよ」
志生野アナ「ライオネス飛鳥、かたやダンプ松本」
志生野アナ「どうするの、これは」
長与「いまのダブルフォールは正式な試合では規定されていないと思うんですけど」
志生野アナ「あれ、ライオネス飛鳥とダンプ松本と両方の手を、宮本さんあげましたね」
宮本「あげましたね」
志生野アナ「これで1本1本ですか、そうなりますと」
志生野アナ「いまホセ・トレスの判定は1本1本ということですよ」
宮本「そうですね」
志生野アナ「そうすると次は決勝の3本目ということになりますか?」
宮本「えー、あのー、まー、レフェリーの指示で進めるとなればそうなりますよね」
志生野アナ「どうやら1対1ですって。そうなるとダブルフォールを取って1対1」
長与の話ですと正式なルールにはダブルフォールというのは無いようです。
もっともプロレスですから、正式なルールというのがどこまであるのかは疑問ですが・・。
大森の足のことを考えると、早めに試合を終えたほうが良さそうですから、この1本1本は結果として良かったと思います。長与も静観しています。
3本目
ダブルフォールのために2本目はなくなりました。
まずは飛鳥とダンプが睨み合い。
志生野アナ「決勝の3本目に入ります」
志生野アナ「赤コーナー、なんといっても宮本さん、不利ですよ」
志生野アナ「大森がいまほとんど戦力になってませんもん」
宮本「あの状態ではね、本当にちょっと戦ってほしくないですね」
志生野アナ「そうですね、ですから事実上はライオネス飛鳥対ダンプ松本、そしてコンドル斉藤ということになります」
志生野アナ「2対1、赤コーナーは1人!」
お客様「アースーカ!! アースーカ!! アースーカ!! アースーカ!! アースーカ!! 」
(クラッシュファンにガンを飛ばすダンプ)
飛鳥はこの日はまだまだ元気なのでダンプを5回転ほどのジャイアントスイングに持っていきます。
この後、ダンプをフォールした飛鳥を影武者軍団が邪魔をしてきます。
ここでついに放送席から長与が参戦!
遅いくらい。大森のヒザのケガがあるのだから、むしろガンガンいきべきでした。
志生野アナ「ああーっと、いきなり長与が行った!」
志生野アナ「放送席に座っていることができません」
志生野アナ「とうとう戦線に参加であります」
志生野アナ「宮本さん、長与が出ていっちゃいましたよ」
宮本「気持ちは分からないことはないですが、無理はしてほしくないですね」
ダンプが長与とやりあっている間に、袋叩きに合うコンドル(笑)
立野のトップロープからのニーキック、飛鳥のトップロープからのフライングラリアート、そして大森のパイルドライバー。
酷いです。
映像には映っていませんが、ここでコンドルがフォールを取られてスリーカウントが入ったようです。
最後はベビーフェイス側が、セコンドも交えて強引に試合を終わらせに行った感じがします。
大森のヒザの状態からして、賢明な判断だったと思われます。しかしコンドルに寄ってたかって高ダメージの攻撃を集中するのは、えげつなくも感じもしますが(^^;
この試合で大森はヒザを痛めてしまい、ダンプとの直接マッチも延期。1986年までお預けとなります。
今日の凶器 竹刀、チェーン