1985/5/3 雑誌「週刊サンケイ」その① ダンプの生みの親はデビルなのか? | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

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極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

1985/5/3号の「週刊サンケイ」にダンプ松本が特集されていましたので引用してみます。

 

 

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「健気な悪役」ダンプ松本


クラッシュ・ギャルズを頂点にした女子プロレスブーム の中で、悪役、ダンプ松本の"本気の迫力"が凄みを増し てきている。ベビー・フェースにキャアキャアいうのは子供にまかせて、大人は渋くダンプの悪役ぶりを楽しむべシ。身長一六四センチ、体重一〇〇キロ、モモの太さは七六センチ。 ダイエットなんかクソクラエの心意気(開き直り?)に幸い あれ。

ヨコから見ると・・・
「嫌われるのが私の仕事です」

ダンプ松本は、いまや新しいテレビタレントである。
クイズ番組などの中で、ゲス トの人気者が司 会者に乗せられ て、ダンプの悪口をまくしたてると、司会者が一声、「ダンプさん、ドウゾ !」。で、竹刀を肩にかついだ 黒いサングラス のダンプが、相棒のクレーン・ ユウを従えて登場。とたんに、ついさっきまで元気のよかったゲストは真っ青。両手を合わせて必死に謝る。とのパターンが 最近、流行っている。


テレビの芸能リポーターの役割も、このパターンに似ているが、一時ほどの新しさはさすがになくなって、いまはダンプの ほうが新しいのである。リポー ターは口だけだが、ダンプは下手をすると、本当に手を出しかねないところがあるから、もっとコワイ。もう、ひたすら、謝りまくるより手がないのだ。
 

テレビ出演、楽しいですか? 

「別に。だけど、ほかの選手がみんな休んでいるのに、自分たちだけテレビに出るような時はおもしろくないね」
口の端を、少しヒン曲げなが ら、本当におもしろくなさそうにいう。黒いサングラスに隠されて、目の表情がわからないと ころも凄みがある。

 

写真の都合があるんで、サングラスをとってもらえますか? 

「ダメ。いま、化粧していないから。 素顔は見せないことにしているの。イメージというものがありますからね」
 

さらに悪役の楽しさについ て、こう言う。
「やりたいことをやれるところじゃないですか。自分は悪役ですから、ファンはいらないんです。ファンは関係ないですよ。 ファンに好かれたいとも思ってないですね。嫌われるのが私の仕事です。でも、ファンからの手紙は、昔は嫌いだと言ってくるのが多かったんですが、最近はどういうわけか、好きだというのが多くなりましたね。昔から同じようなことをやっている んですけどね」

近ごろの女子プロレスのファンも、悪役の魅力がわかるレベ ルにまで"進化"してきている のである。

 

年はひとつ下だが、女子プロ レスでは先輩の

デビル雅美「ダ ンプとは、前にデビル軍団を組 んでいた時、一緒にやってまし たが、そのころはまだ悪役になりきれないというか、凄みがなかったですね。童顔なんで、反則をしても、お客さんが笑っちゃったりするんです。だからメークに気をつけて、もっとどぎつく見えるようにしたほうがいいといったら、最初は嫌がってたけど、だんだん、どぎつくす るようになったんです。
技や反則の覚えは、ハッキリ いって悪かったですね。そのころのデビル軍団にはタランチェラとか、とくに覚えの早いのが 一緒にいたから、余計にそう思 えたのかもしれないけれど、ダンプとユウは器用じゃなかったですね。
でも、ダンプも長年やってき て、最近、やっと自信を持ち始めたみたいですね。試合経験とか、自信を持つきっかけはいろ いろあったんでしょうが、ここにきて、やっと自信を 持つよう になったという感じです」

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さて、ここまでのインタビューの内容について考えてみます。

 

●テレビ出演について

この頃(1985年)のダンプは、テレビ出演に大忙しだったわけですが、役どころは「タレントに暴力で絡む役」と相場が決まっていました。100kgを超えるバンツファッションの大女が竹刀をもって乱入する、このような光景は当時はなく、現在でもインパクトが相当にあると思われます。

現在ではマツコ・デラックスのような「オカマキャラ」がバラエティでは幅を利かせていますが、「露悪」、「デカイ」、「珍獣」的なキャラクターの源流はダンプ松本にあると思います

そもそもダンプは上記のインタビューにあるように、プロレスが本職であり、テレビ出演自体は「仕方なく出てやる」程度に話しているので、現在のオカマキャラのようにポジションをとるためにバラエティに出ているわけでもありません。究極のアウトローなわけです。

 

いまはオカマキャラが人生相談に乗ったりもしていますが、当時はダンプも様々な雑誌で若い子の人生相談に乗っていました。ダンプの後継者になるような女性が誰もいなかったから、テレビ業界では、体のデカイ、男のオカマキャラクターに入れ替わったのではないかとも考えられます。

 

●ファンの変化について

『以前は「死ね」という手紙ばかりだったが、「好き」という手紙ももらうようになった』と書かれています。プロレス会場はクラッシュミーハーファンが占拠していたので、ダンプファンなど一人もいないように見えますが、「笑っていいとも」や「夕やけニャンニャン」などの出演をきっかけに、全国的に「悪」に憧れるファンを増やしていきました。

本来、「悪」というのは実は格好良いはずです。主人公とは逆の容姿で(最近は格好良い姿が多いが)、アイデンティティーは正反対、それでいて芯が強い。例えばドラゴンボールのベジータやフリーザ、ジョジョのディオ、天空の城ラピュタのムスカ大佐だって大人気です。悪キャラクターというのは、突き詰めれば主人公と同格であり、よりミステリアスで大人の魅力があり、刺激的です。ダンプはそれを知ってか、サングラスを外した素顔を見せません。本物の「松本香」を見せた瞬間に、悪の魅力は崩壊してしまうからです。

 

●デビル雅美の意見について

この頃のダンプとデビルは、それほどはいがみ合っていてなかったと思われます。

デビルのダンプに対する評価は意外と的確なものに見えます。「タランチェラのような覚えの良い選手がいたから、ダンプとユウは出来の悪い子に見えた」と話しています。

つまり、「松本香」という選手は「どんくさかった」が、けっして見捨てていたわけではない、というように読めます。それでもペアを組むのは嫌だったと思いますが。(^^;

ダンプは極悪同盟でトップで下の子の面倒をみていたように、デビルも軍団の下の子の面倒をみていたわけで、その苦労は同じはずです。

 

メイクについては、最初はデビルがダンプに対して遊びか冗談でやっていたものを、ダンプが取り入れてドギツくしたようなので、あの独特のメイクは、デビルも貢献したのではないかと考えられます。実際にはどこまでのメイクをデビルがしたのかは分かりません。

とはいえデビルは、デビル軍団を率いていたドンなのですから、ダンプにヒールのイロハを教えて(仮に指導はしていなくても背中で見せて)、最後の置き土産にメイクを残したのが本当だとしたら、ヒールレスラー・ダンプ松本の生みの親はデビルともいえるわけです。(これはダンプがとても嫌がりそうな意見ではあるが)

私は当時の内情は全く分かりませんから、なんともいえませんが、ダンプ&ブル組vsデビルの過去の因縁は目をつむり、デビルには胸を張って「ぶるちゃんねる」に登場してもらいたいです。(ブル様がコンタクトを取るかどうか・・わかりませんが・・)