1984/11/8 雑誌「週刊明星」女子プロレス大図鑑 正調観戦術&C調応援技 | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

クラッシュブーム絶頂のとき、1984/11/8 雑誌「週刊明星」に女子プロの大図鑑が掲載されていたので引用します。

 

 

-------------------

女子プロレス大図鑑 政調観戦術&C調応援技 大図鑑

 

「体格はオトコに負ける。 でもそこをスピードとシャープな技で見せるのが、女子プロレスの魅力です」(全日本女子プロレス広報小川宏氏)。世界無敵のジャガー横田、デビルの最強コンビ人気最高 長与千種とライオネス飛鳥クラッシュギャルズ。
 

「コノヤロー」 ドガッバス!!! 四角いリングに雌豹たちの意地と執念が爆発! 女子プロレスは今最高に過激でごきげんなスポーツ。 テレビでただ見てるだけでもオモロイけど、女子プロ レスはずっと奥が深い心理ゲームでもあるんだ。 そこでお節介とは知りつつ本誌がみなさんに送る女子プロ レスの正しい見方&楽しみ方。 ウー ム、これでまた女性が強くなるなぁ。

赤い炎をリングに爆発させる奥深い女子プロレスの正しい見方、正しい楽しみ方を、キャピキャピお勉強しちゃおう。
 

ファンが声援すればリングも燃える

 

早大プロレス研究会の西村宗治クンは、女子プロレスのビョーキ的ファン。その魅力を解説する。「直接、選手に接触できるわけじゃないけど、身近でファイトする彼女らに、いとおしいほどの親近感を持つ。これがいちばんの魅力。手抜き試合は皆無。高度なテクニックの応酬と、クライマックでは選手がお客にアピール。 お客がこれに応えて声援する。 つまり、選手とお客が一緒になって試合を盛りあげるところに、ぞくぞくするほどの戦慄を感じるんだ」 メイン会場は後楽園ホールだが、あとは私鉄駅前広場や青果市前の駐車場にリングを作って興行する。 場所はちょっぴりうらびれているが、そこにはピッカピの選手んがあるのだ。
 

声援のポイント
 

とにかく、ファン は声を限りに声援をしなければいけない のだ。女子プロレスで客を盛りあげるのがうまいのは、デビルとジャンボ。 相手選手が反則をやろうものなら、客席に向かって大声で、「今、反則やったよねー」と、アピールする。もちろん、ファンはこの声に、 コーフンして「やれやれ、デビル!!」と、応援するギムがある。
アピールしたデビル雅美はこれで燃えあがり、大技をく出して客席の期待に応えてくれるのだ。早大プロレス研究会の加藤輝幸クンは、さらに女子プロ レスの奥深さを教えてくれる。
「お客がシラケているなと感じると、リング上のレスラー は、場外乱闘に持ち こんで、 エキサイトする。こうなったら、 選手の心情を汲んで、ファンも負けずにエキサイトすれば、選手はそれに応えて、 さらにエキサイト。 試合は超過激になっ て、おもしろくなります」

ただし、下品なヤジは禁物、特ものすごい気迫をムキ出すジャガー横田に下品なヤジをとばすと、 「文句があるから、こっちこい」 と、怒られるから 注意。

 

雨の日はどうするか
 

屋外の試合会場が多いから、雨は、選手もファンも大変。 ただし立見席のファンにはレインコートを配ってくれるから安心だ。雨の日の試合は、リング上も雨ですべり、思わぬハ プニングが起こる。
-------------------

 

 

-------------------

「また、観客も少なく、ゆっくり見 られるから、雨の日に行くファンは、この道の"通"です」(西村クン)
事情通の話によれば「川口市の試合が、最高にファンがエキサイ トして、おもしろい」そうだ。

 

熱心なファンはノートをつけよう
 

座席の取り方
なんといっても、リング・サイ ドで見るのが、迫力満点。でも、通はA席券を買い、その席で見ず に、立ち見をしながら、自由に歩き回って、見やすい場所から"こまかく"見る。そうすれば、試合のかけひきが十分にわかる。

 

観戦ノートをつけよう
毎週4~5回、女子プロレスを見にいく西村クンは、試合の組み合わせ、勝負の内容、客質、総評など、こまかくメモをとり、毎試合 ごと、記録をノートにつけている。
よう。
西村アンのノートをのぞいてみよう。

 

●8月8日(土) 鶴瀬駅西口広場 <チャレンジ・パワー・シリーズ> 

●参加外人 ラ・ギャラクティカ ・ローラン・ゴンザレス 

●試合開始7時15分 終了9時35分。
<総評>長与のハーフ・ハッチ・ジャーマンが出た。3本目、クラ ッシュ、立野組は3人で、サソリ固めをやった。なぜか、この日の 試合前、ふたりの議員が挨拶した。

市議会議員は「お坊っちゃん、お嬢ちゃんも、プロレスを見て、精神力や鍛えた肉体などを勉強してください」、県議会議員は「私も女子プロレスのみなさんの心意気を、今後の"人生活動"に役立てたいと思います」と言った。アホ か、こいつら!

●10月7日(日) 羽生南小学校前 広場。試合開始6時31分。

<戦評>レフェリーは世界一かわいいEちゃんだ。ギャラクティカが反則し、止めに入ったEちゃん を殴った。腹が立ったから「がんばれ」と声援してしまった。Eちゃんのカウントはへたで可愛い。 「トエルブ」だって・・・・・・

 

 ●10月10日(水) 鎌倉青果市場 ジャガー横田(回転エビ固め) 山崎五紀
<戦評> 山崎はヒール(悪役)のファイト。ロープを使ってのサミン グや、コーナーに足をかけ相手の 顔にシューズの紐をこすりつけたり。そんな反則もサマになってい る。実に幅の広いレスラーだ。

 <総評>試合後、田村久美子(新 人)が「試合が終わったんだから 早く帰ってください」と呼びかけているのに、ひとりのオッサンが 「金払ってるからいいじゃねえか」と怒鳴り、田村を困らせていた。 腹立したかったので、ぶん殴って やろうと思ったが我慢した。 人波が移動したと思ったら、飛鳥と長与の「バカヤロウ」の声。誰かに さわられたらしい。帰り道で、さっきのオッサンが「フン、股ぐらさわられたぐらいで、格好つけんな」 と声高に話していた。コイツだったのか。殴っておくべきだった

 

試合のテクニック
男子のプロレスは、ともすると リング上で派手な大技をくり出す のは、クライマックス。そこまで持っていくまでは、腕や足の関節を締めつける、グラウンドの闘い に終始するので、どうしても動きは多くない。
だが、女子プロレスは男子にく らべると体格が劣るから、動きの速さで見せてくれる。試合開始早々から、派手な飛び技の立体殺法 がとび出すから、視覚的に楽しめる。
それに、女子プロレスは選手の数が少ないから、全員が相手の手の内を知っているので、技のかかりがスムーズでリズミカル。それに常に全力で勝負するから、迫力がある。地方の試合でも、手抜きをしないのもいい。


さらに深~く試合を見よう
試合の形式
女子プロレスは選手数が、男子にくらべて少ない。だから、1日 の平均試合は、6~7試合だ。前半戦は新人戦が組まれ、技は未熟だが、その分、ファイトでカバーする。前半と後半戦のつなぎ部分に、コミカルな動きの小人ブ ロレスが入るから、後半戦の声援のためにも、大いに声を出して笑い、のどの調子を整えておく。
さて、その後半戦だが、女子プロレスは、セミファイナルのシングルカード、メーンエベントのタッグとつづく。ほんとうの通は、シン グルカードから注目する。ここでじっくりそのレスラーの技や実力の伸びなどを熟視する。そして、 いよいよ、タッグマッチ。タッグ は、60分3本勝負。動きと激しさ と華やかさで、勝負するから、どのレスラーが、いつ得意技を出すか。また、相手の技をどれだけ出 させて耐えることができたか、タ ッグの連携はどうだったかなどを

メモをとりながら見る。


応援に必要な4種の神器

①メガホン ②紙テープ ③カメ ラ ④色紙を持っていくこと。 ①と②は会場で売っている。クラッ シュギャルズの歌の時は紙テープをバンバンとばして、応援しよう。 最近は、クラッシュギャルズに 親衛隊ができて、おそろいのハチマキ、ハッピを着て応援している。 試合前に会場の隅で、応援の言葉をレポート用紙に書いて、応援の練習をしているが、試合になると、応援するほうが熱狂して、コー ルがぜんぜん合わない。これは実に悲しいことだ。でも、ご希望の向きは、親衛隊に入ることを勧める。 

また、女子プロレスの選手は全員サービス精神が旺盛だから、カ メラを構えれば、こころよく応じるし、サインだってしてくれる。 失恋した時などは、ジャガー横田の『闘魂』のサインを壁に貼っ ておいて眺めていれば、たちまち 立ち直ることができるかも。 メガホンは、クラッシュギャルズの『炎の聖書』の応援の時や試 合中の応援に使う。メガホンにサインしてもらえば、家宝になる。 

 

大事なレフェリーの役
女子プロレスの演出に欠かせないのが、レフェリーの役目だ。ベテラン・レフェリーのミスター郭ともなれば、ちょっとでも試合がダレると「技は効いてないぞ」とか、「外人に負けていいのかよ」など と、選手にアドバイスして、試合 を盛りあげてくれる。
レフェリーにも個性があって阿部四郎レフェリーは、極悪同盟の味方になり、クラッシュギャルズの敵にまわる。その憎ったらしさ が、また楽しいのだ。試合が終わ れば、サイン会を毎回ひらいてく れる。女子プロレスの良さは、こうした家族的なところにある。 

 

女子プロレスラーになるには 

女子プロレスラーのオーディションは年1回、1月15日に開かれ る。受験資格は、その年の3月中卒見込み以上の15~18才までの女 子で身長160m以上ある人。両親の承諾書をそえて、〒153東京都目黒区下目黒2の1の17 全日本女子 プロレス興業(株)に申しこむ。書類審査の後、体カテストを受ける。内容は縄とび、 腕立て伏せなど行なう。最低50回はできないとだめ。つぎに面接があり、これに合格すると練習生に なれる。今年の場合は、100名がオ ーディションを受け、10名合格。 でも、今はそのなかの4名しか残っていない。それほど練習はハードなのだ。さて、練習生になると、 1日6時間、基礎体力作りに励み、 3カ月後に再テストを受ける。こ の時は体力テストとして、腕立て、 腹筋を50回、ウサギとび10回などを行なう。合格後はブリッジ、受け身、スパーリングなどの練習を毎日行ない、3年目くらいでやっと 一人前のレスラーになれる。とにかく下積み時代が長いから、忍耐力がないとだめなのだ。

-------------------

 

 

-------------------

タイトル
女子プロレスラーのあこがれの 世界最高峰のタイトルは、WWWだが、メキシコのUWA、アメリ カのオールパシフィックのタイトルがこれにつづく。日本は女子ブロレスの先進国。立体技を駆使す るメキシコ、ショーマンスタイル のアメリカ、グラウンド・レスリン グのヨーロッパにくらべ、ストロング・スタイルの日本は、実力、 技とも世界ナンバーワンなのだ。
では、世界に誇るわが日本の人 気女子プロレスラーを紹介しよう。

 

これが最新女子プロレスラー名鑑だ!

●ジャガー横田
得意技/原爆固め、ジャンピング ・ヒップアタック、ミサイル・キ ック、ドロップキック、卍字固め。 昔は攻撃タイプの選手だったが、 エースになり自覚がでてきた。 相手の技を受けてやり、能力ギリギリのところまで、引き出そう としている。試合になると、気迫 がすごい。たいていの相手は、ジャガーの気迫に負けてしまう。からだはレスラーとしては小さいほ うだが、全身バネのような筋力で、 華麗な技を見せてくれる。
現在、WWWAとUWAのふた つの世界タイトルを持つ、無敵の チャンピオンだ。

 

●デビル雅美
北九州市出 身。得意技/パイルドライバー、 ボディリフト・バスター、風車式バックブリーカー、ロメロ・スペシャル。二冠王のジャガー横田と は、紙一重の差の実力を持つ、すごいパワーファイターだ。昔はデビル軍団のエースとして、ヒール (悪役)を演じてきたが、軍団解散後、一時的低迷期を脱し、ジャ ガー横田と合体、今は、クラッシ ユギャルズの好敵手となる。大柄なからだとパワー殺法は、迫力が あるが、リングをはなれると手芸や編み物を趣味にする、女らしさ がある。ファッションセンスも抜群で、ほかのレスラーのリング・ コスチュームを作ってやったりし ている。現在、オールパシフィッ ク・チャンピオン。 

 

●ライオネス飛鳥
埼玉県出身。 得意技/ブレーンバスター、ジャ イアント・スウイング、ローリン グ・ソバット、雪崩式バックドロ ップ。ご存知、クラッシュギャルズのひとり。ヒール(悪役)がべビーフェイス(善玉)をやっつけ、 最後は逆転するというパターンを 破ったのが、クラッシュギャルズ。 彼女たちは、強い者が勝つという 新しいスタイルを作った。この功績は大。飛鳥は入門当時から、大型新人と期待され、一時は膝を痛め引退を覚悟したが、頑張って再起した。愛称はトモ。WWWA世 界タッグチャンピオン。 

 

●長与千種
長崎県出身。 得意技/ハーフハッチ、回し蹴り、 延ズイ斬り、サソリ固め、原爆固め、トベ、パイルドライバー。 学校4年の時、女子プロレスをみ て、レスラーになろうと決意。翌 日から、自動車のタイヤをひいて トレーニングしたほどの根性の持 ち主。やがて念願のプロレス入り を果たしたが、前座時代は病気で、 どん底。それを、のりきって、ライオネス飛鳥とタッグを組み、WWWA世界タッグチャンピオンに なった。愛称、チコ。 

 

●ジャンボ堀
東京都出身。 得意技/雪崩式アバランシュ・ホ ールド、エアブレーンバスター、 ブロックバスターホールド、振り子式落とし。からだが大柄だから、 技がダイナミック。もっとスピードがつけばすごい。大森ゆかりと 組んで、ダイナマイトギャルズを 結成している、根性の持ち主。 

 

●大森ゆかり
北海道出身。 得意技/ボディアタック、ダイ ピング・ボディプレス、ベンジュ ラム・バックブリーカー、アキレ ス腱固め。相手を持ちあげて、リ ングに叩きつける、ボディスラム が得意なのは、パワーがあるから だ。
新人の頃、ライオネス飛鳥と新 人王を争った。クラッシュとは同 期生なので、ライバル心は旺盛。 スタミナがつけば、恐ろしい存在 になる。ジャンボ堀と組んで、ダ イナマイトギャルズとして大暴れ している。

 

●ダンプ松本
埼玉県出身。 得意技/ボディアタック、ヒップ ドロップ、ラリアート、絞首刑。 なにしろ100kgの体重が凶器その もの、最近は悪の攻撃がますます エスカレート。ハサミ、ドライバー、バケツ、チェーンを使って、 相手レスラーを流血させ、凄絶な試合をする。クレーン・ ユウと組んで、極悪同盟を結成している。

 

●クレーン・ユウ
東京都出身。得意技/ボデ ィアタック、ヒップドロ コップ、絞首刑。巨体を使 って、相手を圧殺する攻撃は迫力がある。守勢にまわると、悪役レフェリ ーの阿部四郎を味方につ け、凶器を使って、相手 を流血させて痛めつけ る。ダンプ松本と組んで 極悪同盟の一員として、 ヒールの花を咲かせ、フ アンの憎しみを買うこと を生き甲斐としている。 

 

●山崎五紀
兵庫県出身。得意技/バッ クフリップ、セントーン、 フライング・ボディアタ ック、ミサイル・キック。 デビル雅美の秘蔵っ子 で技に切れ味がある。長 与千種とのシングル・マ ッチは負けたが、内容は山崎のほうが押してい した。ジャガー横田ばりの 空中殺法が得意。全日本チャンピオン。

 

●立野記代
栃木県出身。得意技/ドロ ップキック、ダイビング ラリアート、足四の字 固め。受けの名人。相手が技をかけてくると、そ の技を利用して、返し技 で勝つのがうまい。そのためおしんレスラーの異名があるが、かわいい顔 をしているので、男の子 のファンが多い。山崎五紀とは同期生なので、ラ イバル心は旺盛。

 

●中野恵子
まだ、レスリングが一 本調子。これから技と実力をつければ、 のびる要素は十分。期待されている若手のひとり。体力にめぐまれ ている。ライバルの小倉由美から 9月にタイトルをとり、現在、全 日本ジュニア・チャンピオンだ。 

 

●小倉由美
群馬県出身。 からだはそれほど大きくないが、 全体にがっしりして豆タンクみたいな体型。だが、ファイトは人一 倍ある。
同期の中野には、ジュニアのタ イトルを奪われたが、その悔しさ を、今、試合にぶっつけている。 良きライバルを持つと、実力はの びるから期待は大きい。 

 

●永友香奈子
北海道出身。 からだが小さいハンデを飛び技で カバーしている。今は大いに食べ て太ることを目指している。
ドロップキックを連発してから フォールに持ちこむ戦法が得意。 もっと技の種類を身につければ素 質があるから、期待は大。 

 

●小松美加
千葉県出身。 研究心が旺盛だから、先輩の試合 をみては、技の習得につとめてい る。大器晩成型のレスラーを目指 しているが、実力ののびは速いと 評判だ。

 

*
どうです、ワザと気迫が華麗にぶつかり合う女子プロレスの世界。もうあなたは、この魅力から逃れられない............なんちゃって!

-------------------

 

 

極悪を大きくとりあげてるわけではありませんが、当時の女子プロレスの観戦模様や、女子プロレスにハマッている学生さんの観戦の仕方が分かるので、なかなか面白い記事だと思います。