1984/7月 雑誌「エキサイティングプロレス」ダンプ松本はダーティだ!! | 時系列でみる! 極悪同盟 ダンプ松本 ファンブログ

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極悪同盟(特にダンプ松本さん)のプロレスを時系列で整理します。思い入れのある雑誌処分のためブログに残して廃棄します。「テーマ別」で時系列で閲覧することができます。妄想で書くこともしばしばですが1年(+α)かけてやる予定です

1984年7月号の「エキサイティングプロレス」には、ダンプの「笑っていいとも」乱入や、女子プロレスの抗争劇について書かれていますので、見ていこうかと思います。

 

エキサイティングプロレスは、他のプロレス誌(週刊プロレス、週刊ゴング)に比べて、女子プロレスの取り上げが早く、この「何かが起ころうとしている」という記事も、確かにクラッシュ旋風で大きく変わっていくわけですから、目の付け所は良いプロレス誌だったのではないでしょうか。(とはいえ、あっという間に廃刊になり、その後は「デラックスプロレス」が女子プロレスは引き継いだように見えます)

 

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女子プロレス界に今何かが起ころうとしている

吹き荒れるタッグ戦争 生き残るのはだれだ!?

 

 

 

女子プロレス界に今、何かが起ころうとしている。クラッシュ・ギャルズの台頭によって長年続いた軍団抗争の図式が崩壊し、デビル軍団は解散に追い込まれた。そしてタッグ戦争の嵐が吹き荒れているのだ。

 

吹き荒れるタッグ戦争の嵐


全日本女子プロレスは今、戦乱の時を迎えている。そこには、さまざまなタイプのタッグチームが、強烈な個性を競い合う凄 絶な "タッグ戦争"が繰り広げられているのだ。
なぜ、タッグ戦が闘いの主流となっているのだろうか? 去年までの図式は、ジャ ガー横田を頂点とする「ジャガー軍団」と、デビル雅美率いる「デビル軍団」の対抗戦がベースとなっていたのだが・・・。
確かに、軍団同士の激突は、様々な試合 パターンで、リング上を賑やかにしてくれた。だが、この軍団抗争は、ある意味で最もライバルとしてしのぎを削っている、 ジャガーとデビルの決着マッチの延長上でしかなかったのである。だから、両軍団の精鋭はジャガーとデビルの鉄碗玉であり引き立て役にしか過ぎなかったのだ。
抗争も長く続くと、マンネリ状態で飽きがくる。ジャガーとデビルが、トップに立つ限り、新しい芽は生まれてこない。
そんな食傷気味の女子プロ界に、大きな刺激を与えたのが、クラッシュギャルズ (ライオネス飛鳥&長与千種)の出現だったのだ。

 

「女子プロレスに革命を!」 飛鳥と長与は、 ジャガーとデビルに反旗を翻し、自らをクラッシュ・ギャルズと名乗ることで、行動を共にするのだった。
「ジャガーやデビルのプロレスは、あくまでも女子プロレスの枠の中でしか勝負していない。私たちは、決められたレールの上を進むのではなく、プロレスそのものを極 めたい」
クラッシュ・ギャルズの"クラッシュ"は破壊を意味する。
それは、これまでの女子プロレスのイメージを破壊するという宣言なのである。 58年8月27日、東京、後楽園ホール、クラッシュ・ギャルズは、ジャンボ堀&大森ゆかりの持つWWWA世界タッグ王座にチャレンジした。
この試合は、クラッシュ・ギャルズが、 タッグの定石である「ナット・ローン・バトル」 一人で戦うなという、見事な連けいプレイで一進一退のベストバウトを展開。 しかし、結果は大観衆の期待空しく王者 組が勝利を握ったのだった。
そう、まるで死んでいた獅子が生き返るように、堀&大森の底力が全回したのである。

堀と大森は、それまで楽天的な性格が災いしてか、緊迫感のある試合とは縁遠い存在だったといえる。
だが、格下のクラッシュ・ギャルズにファンの熱い視線が集中すればするほど、こ のコンビは"力の差"を見せる闘い方をしていった。特に大森は、強引なパワーでチャレンジャーをねじ伏せにかかったのだ。 クラッシュ・ギャルズの誕生は、このように堀&大森というタッグチームまで"再生"させてしまったのである。

 

 

一方のデビル軍団は、今年に入り大波乱が続いた。まず、デビルの片腕であり、懐刀であったタランチュラ(本名・伊藤浩江) が新春シリーズ前半戦で突然の引退。
タランチュラといえば、軍団の頭脳タワーであり、絶品のテクニックで世界タッグに君臨した実績を持つ、副将的役割を果していた。膝の悪化もさることながら、私的な理由が先に立ち、リングを後にしただけに惜しまれる限りだ。
最高のパートナーを失い、放心状態のデ ビルに追い打ちをかけたのが、ダンプ松本とマスクド・ユウの造反だった。

 

新春シリーズの最終戦、2月28日・相模原大会で、デビルと組んだ松本は事もあろうに、ユウと結託しデビルを襲うハプニン グ。松本は、今年から"ダンプ"というリングネームを改め、従来の肉弾ファイトから、極悪非道の"怪物派"にイメージチェンジをした矢先の出来事だったのだ。
怒り心頭のデビルは「デビル軍団解散」 を発表するなど、デビルには年頭から暗い話題が多かった。
ここに、数年来続いた軍団抗争の終焉を迎えたのであった。
デビルは、愛弟子である山崎五紀をパートナーに抜テキ。ストロング・スタイルの 道を歩み出した。ところが"デビルつぶし"を目論むダンプ松本は、クレーン・ユウ(4月1日の後楽園大会で、マスクド・ユウは 覆面をとられ改名)と悪の同盟を結び、無差別の凶器弾で、ケンカ・プロレスを仕掛けたのだった。

 

それに拍車を賭けたのが、突如現われた正体不明の覆面マネージャーの、不透明な動向だ。女子プロレスラーに、マネジャーという発想は、実にユニークであり、必然的に松本とユウの存在感がクローズアップされて きている。
この覆面マネジャーは、正式契約ではなく、何の前ぶれもなく、会場に出没するというから、いかにも"疑惑"そのものである
WWWA世界タッグチャンピオンの堀& 大森組を中心に、クラッシュ・ギャルズ、ダンプ&ユウの極悪ペア、デビル&山崎の師弟ペアと4チームが、タッグの醍醐味をみせており、最も時代にマッチした闘いぶ りで、各ペアが光り輝いている。 キャラクターが勝負のタッグチームだけ に、バラエティかつファッショナブルな魅力を充分にバラまいてもらいたいものものだ。

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男子プロレスではよくあった軍団抗争劇や謎のレスラーの存在ですが、それを女子プロレスに対し、この時期に当てはめています。

特にダンプ&ユウに覆面マネージャがついた、というところはいかにも当時のプロレスらしい、うさん臭さが爆発しており、それが話題の提供となるばかりか、女子プロレスも裏目読みや、グレーゾーンをどう楽しむか、という面白さが出ている頃だとアピールしている記事なんじゃないかと思います。

「ザ・ベートーベン」など、よくよく考えると噴飯ものですが、これこそ、プロレスという世界だからこその存在、プロレスを楽しむ行為なんだと思います。

 

また、ダンプを「肉弾派」から「怪物派」にイメージチェンジしたという表現もなかなか秀逸です。確かに松本香時代はキャッチコピーが「90キロの肉弾戦車」と書かれていましたから、そこから脱皮して「怪物派」になったのはプロレスならではの面白い表現だと思います。

 

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レスラー紹介 ダンプ松本

 

◆今回で4回めを迎える、女子プ ロレスラー紹介は、凶器攻撃で悪名を高めたダンプ松本選手の登場 です。
本名、松本香、身長165センチ、 体重100キロ。昭和35年11月11 日生まれ。埼玉県熊谷市出身で、 全日本女子プロ入りは、昭和55年。その後、昭和57年1月全日本チャンピオン王座を奪取して約1年4か月保持したが、58年5月、ラ イオネス飛鳥に奪われた。
このダンプ松本の凶器攻撃が、 デビル軍団解散の引き金になったが、彼女は、カウント5以内に攻撃をやめているのだから反則には ならない、と一歩も譲らない。また、クレーン・ユウとコンビを組んでからは、その凶悪ぶりがます ますエスカレートしている。
得意技は、ボディアタック、ヒップドロップなど。今後、技に磨 きをかけ、WWWAのタッグタイトルに、再度挑戦することだろう。

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すでに紹介が間違えています(^^; 全日本チャンピオンは昭和58年1月、タイトルの保持は約4か月ですね。1年4か月の長期政権ではありません。2度防衛して飛鳥に奪われてしまいましたし・・。

 

また、当時の学生さんからダンプの批判があります。

ダンプにとってはとても嬉しい投稿でしょう。

 

 

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ダンプ松本はダーティーだ
僕は4月1日に女子プロレスを 観に行った。
ミミ萩原、タランチュラの引退、 さらにデビル雅美のオールパシフィック奪取と会場は盛り上がっていた。
そしてメーンエベントのクラッシュギャルズvsダンプ松本、マスクド・ユウの試合で、一本目は反則攻撃で飛鳥はフォールされてしまった。
レフリーが反則を止めようとしないからだ。しかも続く二本目にとんでもないことが起こった。松本がロープで長与の首をはさんでいる時であった。なんと松本の手にはハサミが・・・。
僕はその時猪木vs木村の一戦を思い出した。
その一瞬の思いにふけっていた途端、すでに松本は長与の髪の毛を切り落としていたのだ。猪木も木村に髪を切られたが・・・長与は女の子である。
松本はいくらなんでもやり過ぎだ! いくらヒールといっても、そこまでする必要はあるのか。鉄柱、 椅子攻撃ならまだ許せるが・・・度が過ぎるぞ! 松本選手、もうこんなことはしないでください。
〈編集部〉 田中君は女の子の気持をよく理解していますね。髪の毛を切られるということは、女子プロにとっては 一番の屈辱だと思います。だが、そこ は女の執念・・・長与選手は必ずこの雪辱を果たしてくれるでしょう。

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1984/4/1のクラッシュvs極悪の試合だと思いますが、こんな投稿が来るということは、ダンプがやったハサミ攻撃は効果抜群だったことが証明されました(^^;。この男性投稿者は、猪木vs木村を例に出しているので、男子プロレスのファンでもあるようです。「男性から嫌がられるのは難しい」とダンプが話していましたから、ダンプの凶悪さが当時のプロレス好き少年の心を揺り動かしていたという、素晴らしい証拠となる当時の投稿ですね。

 

1984/4/1の試合はこちら↓