zeraniumのブログより。



癌発見の検査でガンになる!


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   「欧米には人間ドックはない」、と聞いて私は耳を疑った。


   私は前著『がん検診は受けてはいけない』の執筆時に、10人前後の医師に取材したが、答えはみな同じで、「人間ドックどころか、その考え方そのものがない」というのである。ドックとは本来、船舶修理のための施設であり、人間ドックとは日本独特の造語であるので、海外で「ヒューマン・ドック」などと言っても通じない。欧米人は、毎年約300万人もの日本人が律儀に人間ドックに通っていることに驚く。彼らの目には奇妙で不思議な習慣にしか見えない人間ドックは、世界でも珍しい日本独特の「奇習」なのであり、それを知らないのは日本人だけなのである。人間ドックの一日コースの利用者が全国で約280万人おり、二日コースが約25万人なので、合わせて300万人もの人々が利用していることになる。まさに世界に類を見ない「人間ドック商法」は、既に国内では巨大産業に成長しているのだ。



   ところが、人間ドックの「検査」でガンになるのは、世界の医学界では常識になっている。最大の発ガン原因は、CTスキャン検査である。2004年にイギリスの研究機関が、「CT普及率世界一の日本は、CTによる発ガンも世界一」と研究報告を発表した。15カ国で、日本がもっとも検査回数が多い」「発ガン性寄与率はイギリスの5倍」、と読売新聞は一面トップで報道した。X線には強い発ガン作用がある。しかしCTスキャン検査はレントゲン検査の数百倍、ときには数千倍ものX線をあなたに浴びせるのである。



   CTとは、Computed Tomography の略である。
   それは「断層撮影」の名前の通り、X線で輪切りにして断面画像を得る技術である。しかし驚いたことに、患者への被爆線量を制限する規則やガイドラインなどはまったく存在せず、被ばくの上限さえ定められていない。つまり医者や病院は、人間ドックでレントゲンやCTを患者に向けてどれほど使用してもかまわず、その結果患者は、発ガンX線を無制限に浴びせられることになる。ちなみにCTやレントゲンを扱う技師には、「被ばく線量が平均して20ミリシーベルトを超えてはならない」という法的規制がある。しかし病院関係者の被ばくは法律で守られているが、患者の被ばくについては無制限なのである。



   「1990年代後半から普及したCTは、高画質が得られる代償として、単純X線撮影の100倍から500倍もの放射線被ばくを余儀なくされる。『選択』2010/9」


   CT被ばく量増大の背景には、CT装置の飛躍的な性能向上がある。初期のCTはX線照射の検出器が1列しかなかったが、最近のCTはほとんどが「多列検出器CT」である。多列型になったことで1回の回転でより多くのX線撮影ができる。そして今や最大320列もの検出器を備えたものが販売されているのである。これは1回転するだけで、心臓や脳のほぼ全体を撮影することができる。それが意味することは、旧来の1列CTに比べて、実に320倍のX線被ばくをするということである。しかし医療関係者はその精度を誇ることはあっても、X線の大量被ばくについてこちらに説明することは決してない。



   近年のCTによるX線被ばく量急増の原因の一つが「造影CT」の増加である。
   造影CTとは、X線吸収率の高いヨード剤を血管内に注射して、CTスキャンで撮影を行なう。するとヨード剤の部分が、CT画像では白く浮き出る。しかし、このCT撮影のX線被ばくでがん患者が急増しているという事実は見過ごされているのだ。3DのCT画像に関心している場合ではないのである。さらに、最新のCTスキャン検査はそれだけではない。それはダイナミックCT、パーフゥージョンCT、CT血管撮影、IVR-CTと呼ばれる検査方法で、血管内に造影剤を注入することでさまざまな画像を得ることができる。



   最初の商品化されたCTスキャン装置は、”EMIスキャナー”と呼ばれた。
   EMIとはどこかで聞いた記憶のある名前ではないだろうか。EMI社は、かつてレコード会社であった。そしてそこに所属していたのがビートルズである。つまりその記録的な売り上げによる莫大な利益が、同社の進めるCT開発費用の供給源になったのである。「CTはビートルズによる最大の遺産」と言われているゆえんである。日本には1975年に、CT1号機が輸入されており、それは東京女子医科大学に設置された。価格は現在の貨幣価値でも10億円をくだらない超高額医療機器であった。その後さまざまな改良が加えられ、ついには3D立体映像まで撮影可能になった。ビデオカメラは画素数が上がるほど鮮明になり、さらに3D撮影も可能になる。同様にCT画像精度は当然、X線被ばく量の上昇を意味している。しかしここでも、CT被ばくによる患者のダメージが関係者の間で議論されることはなかった。



   20代の男性が、右下腹の痛みを訴えて深夜に受診した。
   病院側はCTで腹部を2通りの方法でCTスキャンした。しかし痛みが続くので、翌日再びスキャンした。最終的に虫垂炎の診断が下されたが、男性はそれまでに4回の腹部CTスキャンを受けることで被ばくしてしまった。その被爆量は37mGy(ミリグレイ)だった。専門医によると、「男性生殖器に対する一時不妊の確定線量が150mGyなので、精子の量が一時的に低下した可能性が高い」という。つまりX線を浴びることで精子が死ぬのである。このケースではまず腹部超音波検査を行なって、診断が確定しない場合にのみCT検査を1回行なえば十分だったのである。



   70代の女性が転倒して頭を打ち、深夜に病院へ運ばれた。
   CT検査の結果、外傷性クモ膜下出血と診断された。しかし病院側はその後も、「血腫増大の有無を確認するため」と再度CT検査を行ない、さらに翌日も、翌々日も「念のため」にCT撮影をした。さらに退院前にも「ダメ押し」でCTを撮られた。合計5回の被ばく量は557mGyに達した。X線被ばくで眼球の水晶体が混濁する線量は、500~2000mGyとされているので、女性は水晶体混濁の危険水域に達していたことになる。2回目以降の「念のため」CT検査はまったく不要であった。これは明らかに、「念のため」ではなく、「経営のため」であったと思われる。



   「CT検査を受けると放射線被ばくで、数十年後に発ガンする可能性がある」とする警告論文が、海外でも続出している。たとえば告発論文によると、「CTによる1枚の冠状動脈造影図の被ばく量は、胸部レントゲン写真309枚に匹敵する」という。別の論文では、「2007年度中に、アメリカ全土で行なわれた7200万回のCT検査が原因で、今後2万9000人が発ガンする可能性がある」という。この研究データにはガン腫瘍があった患者やガン患者は含まれていない。つまりまったく健康なアメリカ人が1年間の間に受けたCT検査のために、将来3万人近くがガンになる・・・といっているのである。



   アメリカのCT産業は、毎年約3万人のガン患者を大量生産しており、しかも今度は抗がん剤など、闇の権力の巨大製薬資本の利益増大に貢献している。さらに、子供へのCT検査の危険性にも警鐘が乱打されている。コロンビア大学からの警告として『ニューイングランド・ジャーナルオブメディスン』誌に発表されたが、「この20年間のアメリカにおけるガンの2%が、CTスキャンによって発ガンしている」とし、とくに「小児は放射線の影響を受けやすくガンを発症しやすいので、これらの検査は避けるべきである」と、全国民に向けて健康に対する注意を喚起している。



   しかしそれでも、現場の医師たちはCT濫用を決してやめない。
   その理由はあらゆる症状について自分たちに代わり、CTが診断してくれるからである。しかし医師にとっては非常に便利なCTではあろうが、それは大量の放射線を患者に照射するのである。ガンを発見するための検査でガンになるというブラックジョークは、まさにCTを指しているのだ。また太った人は痩せた人に比べて、精査する体積が増えるので、被ばく量は当然多くなる。そして被ばく量は一生涯、患者の体内にリスクとして蓄積されていくことになる。



   CT普及率が先進諸国の5倍である日本は、世界一、CTによる被ばくを受けていることは明らかであるが、ガンや脳梗塞などの死亡率が5分の1に改善されているかといえば、そうでもない。主要疾患の国別死亡率は、日本も、米、英、仏、独などとほぼ変わらない。以上のようにメーカーや病院にとって日本はCT天国である。しかし病院や「人間ドック」で有害放射線を浴びせられる国民にとってはCT地獄である。それをこれまで野放しにしてきた厚労省の責任は重大である。CT検査利権でうるおっている日本医師会の責任も重い。



             「五大検診は病人狩りビジネス!」 船瀬俊介著
                        ヒカルランド

                       


   抜粋