自分が大変とか楽とか考えたことなかった。

楽しいとか楽しくないとかもわかんなかった。


私ってどんな子?


私自身、あんま知らない。


ねえ、しんちゃんはなんでそれでも一緒にいるの?


あと一呼吸で出てきそうなのに、

何かがつっかえて言葉にならない。


私は何が恐いんだろ…?

私は何を必要としているんだろ…?


自分が〝いる〟っていう存在価値?

誰かが近くにいてくれているっていう安心感?


しんちゃんは無口でそっけなくて愛情なんてないみたいに思えた。

そんな彼に不満を抱きつつも、別れを切り出すことができなくて1年が過ぎた。

ある日、違う男の子と仲良く写ってる写真を発見されてから

急に彼の態度が変わった。

今度は私を束縛するようになった。

状況は変わったけど、私のしんちゃんに対する気持ちは

一日、一日冷めていった…。

結局私も礼子もお互いにしんちゃんに謝った。

礼子は相当壁に怒られたみたいだけど

それでも二人の仲は何も変わらず

「好き」ってこういうことなのかもなー

なんて思った。


私の場合、しんちゃんに対して逆切れまでしてしまった。

罪悪感もあったし、しんちゃんには改めて

謝ろうと思い切って電話をかけた。


「なに?」


いきなりでたしんちゃんはそっけない態度。


「はなだけど・・・こないだはホントごめん」

「別に。もう済んだことだろ」

「そうなんだけど・・・私、ひどいこと言ったよね」

「・・・あぁ・・・別に気にしてない」

「とにかくごめん」

「用件はそれだけ?」

「あ・・・うん」

「お前さ、そーゆー自分で楽なの?」



しんちゃんのいってる意味がわからなかった。

楽って何が?そーゆー自分って??

またケンカ売られてんの??


「お前、オレに結構いいたい事言ってくれちゃったけど・・・笑

でもオレはそーゆー女初めてだったし嫌いじゃねぇよ。でも

今お前が謝ってきたのってほんとのお前じゃないだろ?

とりあえず謝ろうって気持ちだろ?」



・・・何もいえなかった。

確かに、とりあえず謝って自分って言う存在を

守ろうとしてただけだった。


「オレは、言いたいことちゃんと言って

まっすぐオレにぶつかってきたお前、

結構好きだけどな。

じゃ、オレ練習あるから」


そう言って電話は切れた。


しんちゃんに言われたことが

すごく響いて、声を張り上げて泣いた。

こんなに泣いたのは子供の頃くらい。

何が悲しいのか何が辛いのか

それさえもわからないけど

ただただ感情が爆発したように涙が止まらなかった。。。

礼子に電話をかけなきゃ…。

でも、なかなかコールボタンを押せない…。


自分はどうしたいんだろ。

結局、私の軽さが人を傷つけた…。


でも、そのころの私たちなんてみんなそんなものだった。


恋や愛なんて、漫画を読むみたいにストーリーが気になって

スリルと発展と刺激と…とにかく未知であれば

なんでもよかった。

その先ってどうやったら考えられるの?

大人は先を考えろとかって言うけど

そんなものの考え方すらわからないのに…。

人生の先がわかったら、傷つけたり傷ついたりなんてしなくていいのに。


でも、私たちは注意してばかり生きていくことなんてできなかった。

傷つけて、傷ついて…。


礼子に電話をかけた。

「はな?」

着信ですぐに私だとわかったらしく、声が暗かった。

「うん。」

「彼に怒られたでしょ。」

礼子はわかってるみたいだった。

「私…壁に怒られたんだ。怒られてわかった。

私がバカだった。みんなバレバレだよね~。

別れるって言われるかと思ったけど壁、言わなかったんだよね。

やっぱ壁がいいって思った。」

なんかケロッとしてた。

無性にバカバカしくなって

なんか自分にも礼子にも腹が立った。


壁と礼子はこのことをきっかけに仲が深まって、

私は課題を残された。


あー、どうしよ。

なんなの?この展開?

私がしんちゃんに逆切れして終わっちゃったよ。

涙がポロポロこぼれた。