僕の好きな作家

重松清さんの小説 とんびの中のワンシーンで

好きな場面がある。


とんびのあらすじ 


舞台は瀬戸内海に面した広島県備後市(市名は架空の名称)。

高度経済成長時代の1962年(昭和37年)

運送会社に勤務する28歳のヤスは愛妻・美佐子との間に息子・アキラが誕生し、 生涯最高の喜びに浸っていた。

美佐子とともにアキラの成長を見守り、 幸せな日々を過ごしていたが、ある日、 ヤスが連れて行った仕事場でアキラを庇った美佐子が事故死してしまう。  


ヤスはその日から幼くして父親に捨てられた悲しみと美佐子を亡くした後悔を乗り越えながら、アキラを不器用ながら真っ直ぐに育てていく。



ヤスは、幼い頃に親に捨てられて

親の思い出がない。

美佐子が亡くなり、アキラと二人暮らしになるが

ヤス自身が父親の思い出がない為、

父親として、アキラにどう接すればいいか

わからなくなる時がある。


幼稚園に通うアキラは、

母の日にお母さんの絵を描くことになったのだが、、。

アキラ自身もお母さんの記憶がなく、絵を描くことが出来ないと言って、明日は幼稚園に行かないとヤスにただをこねる。


困ったヤスは、戸棚から母親美佐子の写真を取ってきて、アキラに渡す。


『ほら、これを持って幼稚園に行って絵を描いてこい。』


美人なお母さんの写真を持って アキラはうれしそうに幼稚園にいくのだが、、。


いたずらっ子とケンカになって、大事なお母さんの写真が破れてしまう。

大泣きをして、家に帰り、アキラはヤスに向かって、泣きながら訴える!


『どうして、僕にはお母さんがいないんだよ❗️』どう話せばいいか、わからず、ヤスは

頼りにしている寺の和尚さんに相談に行く。


何を思ったか、和尚は、ヤスとアキラと

ヤスの友達〔寺の息子 を連れて極寒の海岸に

連れて行く。


それがこのシーン



アキラを諭した和尚は

ヤスにも優しく、厳しく語り始める

海になれと!


どうな荒れ狂う嵐でも

しんしんと降り注ぐ冷たい雪でも

ごうごうと降り続く豪雨でも


海は

静かに、何事もなかったように

穏やかにおさめてくれる。


荒れ狂う嵐は

娘の怒りかもしれない。


冷たい雪は

息子の深い哀しみかもしれない


降り続く豪雨は

子供たちの涙かもしれない


海は全てを優しく包み込んでくれる。


そういえば、、、

海という字の中には、、


母がいる。