ファーレンハイト提督の最期 | デュランダルが語る日本の歴史

ファーレンハイト提督の最期

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銀河英雄伝説 第79話「回廊の戦い(前編)~常勝と不敗と~」より


帝国軍ビッテンフェルト上級大将に、ヤン艦隊アッテンボロー提督から降伏勧告に対する無礼極まる返答とメルカッツ提督からの密書が届く。これは、カイザーラインハルトからの命令を守って攻めようとしない帝国軍に罠をしかけ先端を開かせようとするヤンの策略であった。

罠だと知りつつ敢えて踏み込んだビッテンフェルトは、狭いイゼルローン回廊へと誘い込まれる。そこへ後続のファーレンハイト艦隊が侵入したため、帝国軍は身動きが取れなくなり、ヤン艦隊に次々と撃破されていった。

そして、帝国軍は後退を試みるが・・・



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「くっ!!」


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ヤン艦隊メルカッツ部隊からスパルタニアンが発進した。


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「敵は小型戦闘艇による近接戦闘をしかけてきます。」


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「この戦法・・・」


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「メルカッツ提督か・・・」


ダウン

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「さらばだ。もう会うこともあるまい・・・」


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「よろしい・・・本懐である。」


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「砲撃を一点に集中し、敵陣を強行突破する!!」


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「流石だな、ファーレンハイト。だが・・・」


回廊出口はヤン艦隊のクロスファイヤーポイントとなっていた。


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「我が方は各所で寸断されつつあります!」


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「本艦は最後衛にあって味方の退却を援護する!!」


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「恐るべきはヤン・ウェンリーの智略だ・・・」


「それと承知していながら、ついにヤツの術中にハマるとは・・・」


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「オレの武運の鉱脈も尽きたか・・・」


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「うわぁっ!!」


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「うっ・・・」


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「オレは・・・」


「カイザーラインハルト陛下に劣らぬ、貧乏貴族の家に生まれ・・・」


「食うために軍人になった・・・」


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「何度も無能な上官や盟主とめぐり会ったが・・・」


「最後にこの上なく偉大なカイザーにお仕えすることができた・・・」


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「結構、幸運な人生と言えるだろう・・・」


「順番が逆だったら目も当てられん・・・」


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「何をしている!さっさと脱出しないか!」


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「閣下・・・」


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「行くのだ・・・」


「アーダルベルト・フォン・ファーレンハイトが戦死するときに子供を道連れにしたと言われては・・・」


「ヴァルハラに行ってからオレの席が狭くなる・・・」


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「では、何か形見をください!」


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「命に代えても皇帝陛下の元にお届けしますから!!」


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「わかった・・・形見をやる。」


「お前の命だ・・・」


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「生きてカイザーにお目にかかれ・・・」


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「死ぬなよ・・・いいか・・・」


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ファーレンハイトの命をかけた奮戦により帝国軍は辛うじて全滅を免れた・・・


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