前回は→その①
【前回の話の流れと補足】
戸隠し神社は、元来は古代の山信仰に始まり修験道仏教と変遷してきた場所です。御神体も当時の物から全く変わってしまっています。昔の御神体は九頭竜社として一見残されている様にも見えますが・・・・。今回は実際はどうなのか?という事を論じていきます。
明治に入り、廃仏毀釈により全く違う宗教の神道が入り込んできました。つまりタジカラオとしての歴史はとても浅いです。明治時代というのは戦争に向けて国家の力を天皇に集約せねばならずそこから天皇はアマテラスと同一視しようとした(神様扱い)そして件の人間宣言とやらにつながってくるわけです。記紀の神様に名前がすり替わっているのはその名残だと思われます。
神社が出来る前にその場所で信仰されていたのは岩窟でした。岩窟は現在はっきり認識されている数は33個です
(※実際に調査をすると崩れたりしていてそもそも穴が開いていたかも分からないとか、埋まっていてどこだか分からないという状態のも有るそうなので)
神社の敷地内に2つと戸隠し山の中に有ります。
※神社敷地に 2個 戸隠し山に32個
それではまず最初に戸隠し山に存在する岩窟の中から気になったものを見て行きたいと思います。
※参考文献:戸隠郷土資料より
この33窟は戸隠山に向かって左が真言宗の陣地。右側が天台宗の縄張りに大まかにはなっています。しかし共通して使用している岩窟も有ります。
【天台宗だけで使用していた岩窟の中から気になるキーワードを拾ってみました】
まずは天台宗のみで使用している岩窟の中から気になったものを紹介していきたいと思います。
●象窟 普賢菩薩
●虚空菩薩窟 虚空蔵菩薩
●月天窟 月天尊
●弁天窟 弁財天
●日天窟 大日如来
●中ノ山神 山神
~以上~
他には何ちゃら如来とかの仏教の神々なので端折ると致しまして・・・・。
ええと・・・どこがタジカラオ何ですかねぇ?って思いませんか?天台宗の他の岩窟にも当然出て来ません。しかし、このリストを見て皆様どう思いました?
そう、弁財天や大日如来と来ればアマテラスってなるはずだと思いませんか?
でも逆に天台宗さん見事にそれまでの信仰をこれで表現されているなと感じました。真言宗の方もそうなんですが、また違った言い方を両者はしていて大変興味深かったので両方とも分析していきたいと思います。
上記の神様の詳細を解説していくと文章が長すぎてしまい眠くなってしまうと思いますのでいったんここで文章を切ります。
次回は『天台宗が表現している古代の信仰』です
続く