仮面ライダー響鬼 三十五之巻 「惑わす天使」 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

仮面ライダー響鬼 三十五之巻 「惑わす天使」


布施明
唯一無二~始まりの君へ~

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 ちょっと仕事で日曜日に色々あったため、10月2日放送分は見逃し(女房によればかなり”鰹”が面白かったとか…)。2週間遅れで10月9日放送分を。


 悩める恋心、轟鬼、明日夢、威吹鬼の三者三様。鬼の仕事と私生活は別物ではない、ということに気付く響鬼。毎晩出されるシチュー。斬鬼のキャラクターも弄られてきているようだ。弦が切れてしまった轟鬼のギター・プレイは特に新しいものなし。最後、響鬼+轟鬼+威吹鬼の音撃があったが、太鼓をたたくイメージ画像のようなもので演出されており、3者のアンサンブルは登場せず。う~ん、これは最後まで見れないのかもなぁ。仕方ない。


 音ネタとして、10月2日から変わったというオープニング曲「始まりの君へ」のコード進行をチェック。キーはAメジャー。歌うは小暮さん(布施明氏)。


【A】
*** *** ***
|4/4 A |A |G |G|
光溢れて くる*** ***  ***
|G |G |F#m7 |F#m7-E7|
*** *** ***
|D |A-G-F#m7 |E7 |E7|
***   ***
|A |Asus4 |A |A|

 1小節目は凝っていて、8部音符3-3-2でA-Asus4-Aトなっているようだ。真中はDでもいいかもしれない。ベース音はC#-D-Eと動いているようだ。10小節目の「A-G-F#m7」も8分音符で3-3-2のパターン。全体のコード進行は、

 Ⅰ-♭Ⅶ-Ⅵm7-Ⅴ7-Ⅳ-

 Ⅰ-♭Ⅶ-Ⅵm7-Ⅴ7-Ⅰ

と、ミクソリディアン・スケール(そらしどれみふぁそ)を加工していくもの。


【B】

*** ***  *** ***
|D |E7/D |D |E7/D|
*** *** ***
|D |E7 |F# |F#|

 ブリッジ。5小節までベースはDのままだ。これはペダルポイントというテクニック。コードが変わっても(和音の構成音範囲内である)同じ音を引き続ける技術だ。このことにより、6小節目からのコードの変化を際立たせている。

 Ⅳ-Ⅴ7-Ⅳ-Ⅴ7-Ⅳ-Ⅴ7-Ⅵ

7小節目で、スケール的にはマイナーであるはずのⅥm7(=F#m7)がメジャーになっているのは、元のキーAメジャーをまず平行調F#マイナーに転調させたものが同主調転調してF#メジャーになっている、という作曲手法。空耳ケーキ などで用いられている方法と同じで、最近のアニメ系での利用率はかなり高い。


【C】

*** *** *** ***
|D |A |D |F#m7|
*** *** ***に ***
|B7 |F#m7 |B7 |F#m7|
*** ****** ***始 まりの
|B7 |F#m7 |E7 |E7|
君へ
|F#m-F# |F# |F#|

 サビ。1~10小節は、サブドミナント(Ⅳ、Ⅱ7)→トニック(Ⅰ、Ⅵm7)のヴァンプをコードを代理させて言い換えているに過ぎない。11小節でドミナントへ行き、トニックⅥmに行って8分音符3拍待った後で、同主調転調して終わり。


 この構造を一見していただければ解ると思うが、繰り返しが一切ないコード進行。スポンサーが玩具を買って欲しい子供たちが覚えるには多少、難解な構成では? と不安だ。一体どこへ向かう? 響鬼。

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