機材紹介編④MORPHEUS | DuelJewel Shunオフィシャルブログ「赤毛色の街」Powered by Ameba

機材紹介編④MORPHEUS

さてここからは激歪みです。
時代ですよね~。

というのも、昔はラックと言って、四角い箱のなかに色んなエフェクターやアンプを詰め込んでシステムを構築するのが大流行しました。


そして、時代は移り変わり、アンプヘッド直列!ってのが流行ってました。
すげー歪むアンプヘッド買って、ギターから直接インプットへ!
そして爆音でリフを刻む刻む!

今もそのスタイルでやってるギタリストさんは多いはず。
そこで問われたのがアンプの再生能力です。

アンプって実はアンプによって基礎の電圧が違います。
そりゃそうなんですよ。色んな国で作られてるんですから。
日本は100Vが基本です。これ、世界見渡してもかなり低い電圧なんですよね。

だから、海外のアンプを輸入する場合、日本の電圧に合わせて設定しなおさなきゃいけない。
例えば俺が使ってるDiezel Herbertはドイツのアンプですんで、基礎電圧は230V!でっか!
トランスと呼ばれる電源部分にその辺を日本の規格に合わせるものがあるので、日本で買えばちゃんと100Vで駆動してくれますが、
実際このアンプの本気を聞こうと思ったら、アンプの電圧を230Vに戻して、電圧を上げてくれる機械で100Vの電圧を230Vまで上げないといけない。

うん、当然事故率は上がりますね。例に上げたこのHerbert。日本だとMID(中域)が出ねえなんて評価が多いですが
やっぱトランスで230Vの状態で鳴らすと馬鹿みたいにちゃんとその辺も再生してくれるわけです。
まあ、ここはでも実際にそこまで音が変わるか?と聞かれたら、弾き手はわかるけど聞き手はわからんレベルってなぐらいには技術は進歩してます
まあでもそう考えると日本でライブするなら日本製のアンプ買ったほうが音は抜群に良いはずなんですけどね。
なんせ日本製のアンプが少ないのもありますし、流行った機種があまりなかったですね

しかしまた面倒なことにこのHerbertちゃんは出力W(ワット)数が180Wとかなりでかい。
このワットを合わせるのが非常に重要でして、日本のほとんどのライブハウスにおいてあるMarshallのキャビって…いやほとんどの普通のギターのキャビネットが受けられるワット数は100Wです。
そこに180W出力するヘッド持ち込んでもちゃんと再生されるわけがないんです。あー面倒臭い。
だから俺はORANGEのキャビを持ち歩いてるのもあります。このキャビは逆に無駄に240Wだかまで受けられます。
だから音が潰れないというわけですね。
このワット問題はすげえ重要です。ここはちゃんとしないと聞き手でもわかる。
泣く泣くキャビを持ち込めないイベントの時とか拷問です。音超潰れるしね。
アンプ壊れねーかなーとヒヤヒヤしたりします。

さて。ここまでやった上で俺はアンプ直列スタイルでしばらくライブをやっておりました。
超低音から超高音までしっかり再生される。気持ちいいことこの上なし。

だ が し か し !

真空管にかなりの負荷をかけて激歪みを作るこのアンプ直列スタイルの一番の弱点って何か。
それは音の回りこみやアンプからの出音を直接ギターのマイク(PU)が拾って起こる、ハウリングっていうものがすごく起こりやすいこと。
そして常に負荷がかかった状態であることから起こる、シャーって音がずっとしてるノイズが乗ってしまうというものがあります。

これの対策はまあ、いろんな手法があります。
さっきも言ったけどボルト(V)を基礎電圧までちゃんと設定しなおせばだいぶ緩和されるし、
ある一定のギターの信号のレベルまで音を出さないと、音が出ないようにする「ノイズゲート」というものをかます。
そんな方法で回避できるんです。

が。

何度も言いますが電圧の上げ下げは結局安い機械でやると、元の日本の電圧が低いため直ぐ壊れるのです。今は安いものでも耐久性に優れてるものは多いですが、結局のとこ、すっげえ高い電圧上げる機械買わないと結局意味ないし、電気系統の事故って、つながってる全部の機材に影響をおよぼすので、システム自体が全滅するなんてパターンが有るんです。

実際俺はラック用の電源を結構いいやつ使ってたんですけど、それが壊れたことによって使ってる機材全部が壊れた悲しい出来事がありました…。
少なくとも現時点の俺達の規模でこれをやるには余りにも勇気と金銭面と人員と予備が必要になります(笑)
このツアー中に導入しようかななんて話もあったんですが、やっぱりどんな先輩に聞いてもおすすめしない!の一点張りでしたからね~。

そしてノイズゲート。俺はこれが大っ嫌いです(笑)
なんで?ノイズ無くなるならいいじゃん?って思うでしょうが、これ使うとピッキングしてから音が出るまでの速度がすげえ遅くなって気持ち悪いんですよ・・・。だし、音を伸ばしてる時に当然信号の音量は衰退していきます。なんで気持ちよく音を伸ばしてる時にいきなり途中でぷつっと切れたりね。
そういうのもあって嫌いです(笑)
昔は挟んでましたが今は完全に外しました。
逆にものすごく立ち上がりがいいノイズゲートが出たんだと聞いたのは本当に最近で。
えー。そんなに早いならほしいわ!っていうのも本音です。
中古で出物ないかな~と密かに探してたりします(笑)

が。もう要らないのですよ。俺は。
いや、欲しいけども、それよりも画期的な時代が来たんです

それはね。コンパクトエフェクターの進化によってもたらされたものでした。
コンパクトエフェクターは所詮回路で歪みを足すもの。
それでどれだけ歪ませようが、真空管で歪ませてる音の迫力にはかなわない。
昔のギタリストの悩みの種でした。実際これは俺も何度も何度も立ち向かってきた壁でした。
でも結局実用化に至る物は出てこなかったのでした

そんな中、いわゆるOVERDRIVEやDISTORTIONに関しては、かなりアンプライクな音が出るコンパクトエフェクターが数多く出まわるようになりました。
これが本当に良かった。綺麗なクリーントーンをしっかりとアンプで作って、そこにそういう類のコンパクトを挟めばかなりの音圧、そして再現率が実現したのです。

そしてその技術は昨今、遂に激歪みが再び流行りだしたこのシーンで、激歪みエフェクターにも遂に本当にアンプライクなエフェクトペダルがこぞって発売されたのです!

これは本当に画期的です。なぜならアンプがクリーンチャンネルである状態ではさほど真空管に大きな負荷はかかりません。
でも信号自体に綺麗な歪み成分が乗っかってるから、アンプの再生能力がちゃんとしていればちゃんと激歪みします。
でもノイズはあまり出ない、ハウリングも起こりにくい。
ま、設定や環境によりますので一概には言えませんが、使いこなせるならかなり便利なエフェクターが数多く発売されました。
これはもうほんとうに嬉しい時代が来たな~って感じです。

さて、だいぶ前置きが長くなりましたが、今回そんなコンセプトを元に発売された数多くのエフェクターの中から
今回デモ演奏で使用させて頂いた、G2DさんのMORPHEUSをご紹介いたします。

どすん。



わー。見た目からしていかつい~。
歪みそう…。


実際鬼のように歪みます(笑)
これはびっくりした。いや歪みすぎだろ!こええって!
スタジオで一回鳴らした時、ピィィィィィィィガァァァァァァァ!と鬼のようなノイズが(笑)
いやいやいやいやこれ意味ねえだろ!
どーやって使うんじゃ!GAIN絞っても絞っても歪むぞ!使えねえよ!
さっき言ってたコンパクトエフェクターなのにローノイズで激歪ってコンセプトどこ行ったァァァァァァ!!!!

と思ったのもつかの間。

よく見てくださいツマミ。
この手のエフェクターで4つツマミといえば
Volume(音量)、TREBLE(高音)、Bass(低音)、GAIN(歪)と相場は大体決まってます
その先入観が間違いでした

このエフェクター、TONEは一つだけで、もう一個となりのツマミ…右から二番目ね。これ「GATE」って書いてあんですよ。

そう、さっき説明したノイズゲートが搭載されてるんです!(`-ω-´;)
意味わかんねえ・・・。
とりあえずこのGATEを13時ぐらいまで上げて、もう一回恐る恐るギターを掻き鳴らしてみました

フレーズはちゃんと出るけど音止めたらちゃんとノイズも止まる!!!(`-ω-´;)

そしてさっき言った音の立ち上がりですが
全然気にならない!(`-ω-´;)

なにこれ意味わかんねえ!すげえ!
もうこの一言につきます(笑)

ただまあ、すごく早い16分の刻みとかには果たしてちゃんとついてこれるかな・・・?(`-ω-´)
引きっぱなしならいいけど途中にミュートとか挟むフレーズはどうかな・・・?(`-ω-´)
さすがに無理でしょう(`-ω-´)フフフ

やってみました。

全然気にならん。ちゃんと再生される。
ちょっと呆然としました。

じゃ、じゃあノイズゲートのもう一つの弱点。
「音を切った時にゲートがかかるまでの間に起こる(シュワアア↓)っていうノイズはどうなんだ!」という点はどうなんだ!(`-ω-´;)

…これも凄くナチュラルでした。むしろGAIN上げすぎなければ、その効果がかっこいいとさえ思えるレベルのノイズゲートでした。

実際、こういった激歪みペダル。かなりの数を弾き倒しました。
その中で、このMORPHEUSを使った感想としては
「一番歪ませられる、鬼いかついエフェクター」と言う評価です

いやー本当にびっくり。発想の勝利ですねこれは。
一番最初に使った激歪みエフェクターがこれだったら俺は間違いなく即買いしてたでしょうね。

もう一つこのエフェクターのいいところを上げると、ハイゲインアンプで有名なHerbertのヘッドを所持してる俺からしても、
Herbertの歪みよりも強烈!って事ですね。
でもGATEがついてるからハウらないよ!ノイズもないよ!って点で相当優秀な子です
あと、僕が使ってる激歪みエフェクターよりも中低音の再生能力がすごいです。ド迫力です。

実際、色んな激歪みエフェクター鳴らして来ましたが、俺の判断基準はHerbertの歪より強いかどうか。
低音成分はちゃんとしてるかどうか。この2点です

詳しい説明は省きますが、どんな激歪みエフェクターも、Herbertよりも強い高音を出すことは出来ました。
まあそれはHerbertが実は激歪みChannelよりも、実はクリーンチャンネルの音の良さが半端じゃ無いことも多分にあるんですけどね。
Herbertの鬼のような歪みは、結局のところはプレセンスと呼ばれる超高音のツマミと、DEEPという超低音のツマミの効きがすごいいいんです。
そこがかなり作用して強い歪みを生み出すのですが、そこを上げすぎてしまうとクリーンチャンネルや、中間の歪みチャンネルにまで影響を及ぼしてしまう。
これが結果ハウリングやノイズを作るさらなる要因にもなり、更にはマイク乗りの邪魔にもなって、結果悪い音になるっていうパターンがすっげえ多いんです。

だから一番歪むChannelではなく、クリーンチャンネルを基本に考えた時に
どこまでコンパクトエフェクターで強い音を出せるのか。
そこはかなりこういうシステムを組む時に問われるところです。
そうなった時に外の激歪みエフェクターは、高音はきちんと再生されるのですが、低音が再生されなかったり、
そこを再生させようとした時に歪んでる感じが結果的に弱くなるという機種が殆どでした。

なぜそこに拘るのか。
それは結果的に音の迫力だけではなく、音の立ち上がりや音のヌケに一番左右されるからです。
Herbertは、それ単体で抜けも立ち上がりも相当いいアンプです
だからこそ、Herbertの歪みよりも優れていて、特筆する点がなければ俺にとっては意味が無いんです。

じゃあHerbert以外のアンプで鳴らしたらどうなるの?
という声が聞こえてきそうですが。
実際デモ機を鳴らしたのは実はスタジオだったらどこにでもある、ジャズコと言われるJC-120と、Fenderのツインリバーブでした。
あと宅録環境。俺が実際にレコーディングでギター弾くときの秘密兵器を全部かました状況です。
WhiteSandsもRedDirtもLANDGRAFFも全部その環境で聴き比べをしました。

結果、全部きちんと再生されました。
これは奇跡としか言いようが無いと俺は思います。
というかiMiさんの機材チョイスのセンス半端じゃねえ(`-ω-´;)
普通はこれはねーわ~ってなるエフェクターも出てきて当然なんですけどね。

ただし、このMORPHEUSは残念なところもありました。
ここは本当に個人差あると思うんですが

EQ的な、音作りをするツマミがTONE一つしか無いこと。
アンプのようにGAINとVolumeのツマミの絡ませ方で音圧を出すような作りは出来ないこと

この2点だけが惜しいです。
なぜなら、要するにこのエフェクター使うとだれでも同じ音になるんですよね。
そこが俺的にマイナスポイントですかね

逆に言えばジャズコだろうがHerbertだろうが÷13(超高級アンプ)だろうが15Wぐらいの自宅用アンプだろうが同じ音がします。
いや、厳密には全然違う音でアンプの音の癖とかは出ますけど、傾向は一緒です。
これは強みにもなりますよね。
だから人によってはかなり使えるエフェクターに化けるんですよ。

ツインギターのバンドで、片方のギターの音がすごい強くて、ユニゾンのフレーズ弾いた時にもう片方が弱い!
なんて状態に陥った時はとりあえずこれ使ってみたらだいたい解決しそうな気さえします。
そのぐらいパンチあります。

まだ激歪みアンプライクエフェクターを持ってない方はとりあえず鳴らしてきたらいいと思います。



宣伝宣伝。

まだ使ってる人少ないと思うよ!今がチャンス!(`-ω-´)b

あ、でももうひとつ気をつけて。
クリアアサヒをよく見て。このエフェクターのために置いたと行っても過言では無い。
そう、高さが半端じゃ無いです(`-ω-´;)
足元システムに組み込む際はお気をつけて・・・。