せつない努力 | 青パパの無限増殖ver.187

せつない努力

マイケル・ナイマンの音楽に弱い橋本治は「ガダカ」を見たらあんまりいいので「トゥルーマン・ショー」を見てしまったと書いていて。音楽ならハワード・ショアとは思いつつ、DVDを借りて見る。
「トゥルーマン・ショー」は同名のテレビ番組で四六時中その一挙一動を映し出される主人公(ジム・キャリー)が架空の街でエクストラと共に人生を過ごしている「からくり」に気付いて、逃げ出そうとする。真実の人生を得るために…
「ガダカ」は遺伝子の優劣で適性・不適性を決められた未来社会で、宇宙飛行士の夢を諦められない不適性者の主人公(イーサン・ホーク)が半身不随の適性者(ジュード・ロウ)の遺伝子を借りて夢を叶えようとする。主人公が勤めるNASA的会社内で殺人事件が起こって…
どちらも自分の理想を追い求める主人公が冷酷な現実を突き付ける社会と対峙して、悲しい真実を知ってもなお努力を続ける。その努力を橋本治は「なんとせつないものなのか」と。
「努力」の結果は認められるけれど「努力」そのものは正しく評価されない。「正しさ」を社会は求めていないから。でも「努力」なしには前に進めないので「努力」する。やっぱりどこかせつないのかも…
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
トゥルーマン・ショー