時代が変遷しても変わらないものはありますね…
 


天地最大 (下)
(山本周五郎著)
(2024/04/22読了 : 四読目)
 
幕末の時代。時代の荒波に飲み込まれる二人の男性。
一人は大名家に生まれながら分家の当主になった水谷興臣。
もう一人は新たな西洋の学問を学び極める道を目指す杉浦透。
勤王か佐幕か。そんな時代の流れとは関係のないところに身を置きたい二人の生き様を描きます。
 
下巻では時代の流れがいよいよ強くなり、自分の処し方を選択せざるを得なくなります。
二人の結末は対照的。どういう結末を迎えるのかは本編を読んでいただくとして…。
 
最後に、利根川越しに筑波山を見ている場面が印象的でした。
時代の激流に翻弄される様子をずっと描いていて、そのラストでの大自然のシーン。
大自然の中では、人間なんてちっぽけなものなんだな、と思わせます。
しかし、そんなことは文章には書いていないのです。
そこに至るまでの描写と、最後にドーンと出てくる大自然。それが読者の心象風景に大きく残ります。
 
考えてみたら、旅行に行って圧倒的な自然をみると、日頃の仕事のことなど全く敵わないと思うこと、ありますね。
そんなことを思い出したのでした照れ
 


(これも買い直した本です)

(--.-/--.-)