それなりに生きていると、いろいろなことがありますよね。
 
 
そして、生きる (2019)
(2024/02/14)
 
流石に主人公の二人のような壮絶な経験はないです。
でも、ちょっとした出来事でも、自分の人生が変わったことはあります。
その時に思うのは、「自分で選択した」ということ。
私、今の自分に比較的満足しているのですけれど、人の言うように人生を歩んでいたら満足していないと思うのです。
自分に満足できていなかったとすると、何かを言ったその人を恨んだりするのかな。
 
主人公の一人、瞳子はとても重大な決心をするのですが、ラストでの自分に満足しているようです。
 
男女がすれ違うのは、「マチネの終わりに」や「First Love 初恋」に似ているところがあります。
しかし、これらの作品が、偶然や事故が原因ですれ違うのに対して、「そして、生きる」では自分の意思であること。
 
…、と、書きつつ、私の心に響いたのは、光石研さんと萩原聖人さん。
子供がいない私でも、光石研さんの子を思う気持ちに心揺さぶられましたし、萩原聖人さんの優しさが心に沁みました。
南果歩さんの母親の思いは、私は好きではないけれど、気持ちは分かるし、終盤はほっこりしてしまいました。あれだけ本気で坂口健太郎さんを育てられるってすごいですね。
 
細かな演出にも「おっ」と思ったところが。
坂口健太郎さん一家が、母親の誕生祝いを高級レストランでするシーン。
震災後、ボランティアの仲間が焚き火を囲うシーン。
照明が両方一緒なんです。下から暖色系のライトが顔を照らしている。
でも、シチュエーションは全く違います。
平穏に、でも自分をある意味殺して暮らしている中での贅沢な一家団欒。
生活物資が不十分ながら、眠っていた自分が目覚めて「生きている」と感じている仲間たちとの焚き火。
坂口健太郎さん演じる清隆の周りの状況と心境の変化を同じライティングで表現するのがすごいなと思いました。
 
ラストシーンをどう観るか。
鑑賞者に委ねられています。
オススメのドラマです。
(--.-/--.-)