そいつは、移民する為に乗船してる訳でなく黒い大陸へ
行く目的を自分の精神の中に持っている男だった。
男を幼少期に育てた祖父が英語教師だったとかで毎日
決まった時間に必ず英語の授業が自主的に始められた。
ABCも書けぬ船中の移民者にとっては、ありがたいと同時
にその男同様格好の時間潰しでも有った。
そいつは、移民する為に乗船してる訳でなく黒い大陸へ
行く目的を自分の精神の中に持っている男だった。
男を幼少期に育てた祖父が英語教師だったとかで毎日
決まった時間に必ず英語の授業が自主的に始められた。
ABCも書けぬ船中の移民者にとっては、ありがたいと同時
にその男同様格好の時間潰しでも有った。
自分からも他人からも与えられた目的など無い
移民船で俺の毎日は、海と空しか目に入らない
空虚な毎日でしかなかった。
ほぼ全員がまだ見ぬ大陸への不安と少しの
希望の中、ただ一人だけ船内でそいつ自身だけが
面白い時間の潰し方をしている男が居た。