手術終わってる??
手術日当日(手術室退室)
◆手術室:退室
全身麻酔中、夢を全く見ることがなかった。幕が下りるように視界が狭まり、意識が薄れていくことを感じたのみ。手術室看護師から「全身麻酔は、ワープしたようだったとおっしゃられる方が多いですね。」と聞いていたが、私の感覚も同じだった。
全身麻酔後の気管挿管、手術後の抜管が恐怖だったが、ラッキーなことにどちらも記憶にない。朦朧としていたのか、抜管時の記憶も一切ない。手術室看護師の話では、強めに肩を叩き「手術が終わりましたよ。」と大声で起こしたとのこと。声掛けに対するうなずき、手の握り返し等の反応もあったとのことだった。(全く記憶になし…。)
記憶があるのは、病棟看護師から「手術は終わりましたからね。」と話しかけられ、ベットで院内を移動しているところからだ。角を曲がる度に視界が歪み、船酔いのような強烈な吐き気をもよおした。天井がぐるぐる回る感覚があり、眩暈もあったように記憶している。
手術日当日(手術室退室~夜)
◆手術日当日:15時
腹腔鏡下子宮全摘術(子宮、卵管摘出)にかかった時間は、麻酔前後含め5時間強だった。20年前の帝王切開時の癒着があり、その部分で少し時間を要したようだった。病室に戻り、3時間ほどは意識を失うように眠りのなかにいたようだ。18時に担当医に声をかけられ目が覚める。
🧏♂️「痛みはどうですか?」
🧏♀️「手術ありがとうございました。下腹部全体に重苦しい痛みがあります。」
🧏♂️「子宮と卵管を摘出していますからね。靭帯や動脈等の処置、膣断端部も縫合しているので、鈍い痛みはあると思います。痛みがあるときは、我慢せずに鎮痛剤を入れるように看護師に伝えてください。」
🧏♀️「ありがとうございます。」
手術後、担当医には何点か質問させてもらった。
一点目。
子宮全摘時、目視で確認できる範囲で悪性を疑われる所見はあったか。(回答:子宮頸部、子宮体部いずれも目視の範囲では悪性を疑われる変化は確認できない。)
二点目。
子宮全摘後の病理検査は、いつ頃、結果が判明するのか。(回答:子宮頸部、子宮体部をすべて病理検査に回した。子宮頸部には1cmのポリープもあったため、それも含めて病理検査に回している。判定には10日ほど要する。)
三点目。
今回は子宮、卵管を切除したが、今後、膣断端部や膣部に異形成が発生することはあるか。(回答:発生確率は低いがゼロではない。子宮全摘した場合、稀に異形成が発生することがあるため、これまで通り子宮頸がん検査として検査することは早期発見観点から大切。膣部は範囲が広いため、検査に適さない。おりもの、出血、下腹部痛等の小さな変化を見逃さないようにすることが大切。)
子宮全摘していても、膣断端部、膣部から発生する悪性腫瘍もあるため、定期的な検査は必要そうだ。
◆手術日当日:23時
18時以降は、全身麻酔が残っていたのか意識が朦朧としていた。気づいたら23時だった。
無意識的に寝返りを打とうとしたのか、びりっとした内臓痛で目が覚める。
🧏♀️「いった…。」
これは体表の傷口ではなく、内臓痛だ。
鎮痛剤が切れてきたのか、鋭い痛みだったためナースコールを押す。点滴から鎮痛剤を入れていただき、即効性があるのか下半身の痛みがすっと消える。まだ心電図もパルスオキシメーターもついたままだ。
傷口を確認すると、臍部1箇所、下腹部3箇所に保護テープが貼られている。そっと近くに触れてみると、やはり体表の傷口ではなく内臓が痛い。
血圧:107-60
酸素:94
体温:38.2度
無駄に身体を動かすこと、創部に触れることはやめて、今はただ時間が過ぎるように目を閉じた。
続きます。