名機 | duck official blog

名機

以前、ASUSの御方が


『うちのM/Bのことを
Blogでも取り上げてもらえたら
嬉しいなぁ・・』


と仰ってました。
イメージUPはお任せ下さい。


P5P800




Japan Cooling Artist



今も私の心に残る名機です。
前の記事で発熱に関して書いてる時、
すぐ頭にフィードバックしてきました。


仕様といいますと、
ちょうど時代はソケット478から
LGA775に移行してる最中で
何もかも不完全な時期でもありました。


普通は・・・


CPU:ソケット478
Mem:DDR 1


CPU:LGA775
Mem:DDR 2


の・・どちらかになるのですが、このM/Bは


CPU:LGA775
Mem:DDR 1


という親切なのか?不完全なのか?

よく判らん仕様でした。

まだ極冷なんぞベンダーが視野に

入れてない時代です。
それまで極冷でまともに廻る板は 
P4C800しか選択肢はありませんでした。


しかし、めちゃくちゃ廻る!ということを
TAMさんが発見され、沸騰くんがWRを
出されたりしたお陰で、皆こぞってこの板に特攻しました!
しかし、それも長くは続きませんでした。


理由は・・


1) 当たりハズレが激しすぎる。
廻るモノは20マイに一枚。


2)すぐ死ぬ。飛んできたコンデンサが
顔面にブチ当たるのは当たり前、
いわゆる炎上もする。


3)非常~にシビア。
それこそティッシュ一枚の厚みでも
性格が激変、途中でまったく起動しないどころか、
そうなったら2週間くらい後まで電源すら入らない。


4)基盤上の各チップの発熱が尋常ではない。
恐ろしく安物を使用している。


でも利点も一つありました。



約1万円


唯一の救いでしょうか。


絵描きの3WAYベンチも同時に
5個のPOTを面倒見なきゃだったので、
ベンチやってるのか?モグラ叩きやってるのか?
判らなくなる状態でしたが、
P5P800はCPUしか冷やさないのに、
それに負けないくらい忙しいベンチでした。


CPUを冷やすのは当たり前・・


当たり前とは言っても、なぜか?
LN2満水状態OKなはずのP-4が
LN2満水だとシステム落ちやがります。
適温が-180℃前後という非常~に
人間業を超えたところをキープしなきゃいけません。
点滴作業どころか?ソレ以下?
のコントロールが義務づけられます。


それ以外にも・・・


基板上の爆熱危険箇所約8箇所に
小さく砕いたドライアイスを
乗せ続けなければいけません。
気を抜いたら爆発したからです。
しかも、チップ自体が小さい為、
ドラの大きさは大きくても
直径0.5センチ程度と、手を抜いたらすぐ気化します。
もちろん、ドライアイス大もメモリ2枚の上や、
ノースチップに乗せてます。



Japan Cooling Artist


それに加え、揃いも揃って
安物揃いなコンデンサ群が
冷却に手を抜いたらロケット花火のように

襲いかかってきます。
コンデンサまでLN2で冷やしたのは

最初で最後かもしれません。


アゲていけばキリがないのですが、
次第に世の中では



使い捨てマザー


と呼ばれるようになりました。


私も最高一日3回殺してました。
たとえ良い結果が出ても、
次回にはそのM/Bはこの世にはいないのです。
寂しかったですね~


こういったこともあり、
当時のTeamJapanな皆さんもしだいに
廻さなくなり、最後はとうとう私だけになりました。
世界中見回しても、その頃は誰もLN2で廻しておらず、
私一人、ただのバカ状態で毎日毎日充填して
何ヶ月も廻してた記憶があります。
当時、そういうパターンも多かったのですが。


なんで??そこまで拘ったのか?


そう・・


このASUS P5P800が

好きだったからです(爆)



最近のM/Bやパーツ類が嫌いなわけではありません。

ベンダーの努力のお陰で安心してOC出来る時代になりました。
私もいっぱい結果を出す事が出来ました。
完璧を目指すのも良いことでしょう。


しかしOverClockerとはヘンチクリンな生き物で、
それがベストとは言わないようです。


眠ってる能力を引き出すのがOverClockであって、
引き出されてしまってるモノには
魅力も半減してしまうものです。


何を書きたかったかというと・・


完璧な商品より魅力ある商品を。


今回、その地獄を味わってきた連中が作るパーツ類は
POTからベンチテーブル、常用PCまで
確実に魅力ある製品となっていくでしょう。