先日あるご夫婦とともにお食事をする機会があった。(訂正:ご馳走になった)

その時、器の上に飾られていたススキの穂を奥さまが手に取り、

配膳したスタッフに「これって持って帰ってはいけないんですよね?」と尋ねられた。

スタッフは申し訳なさげに「はい、すみません」と応えた。

ススキ…ススキの穂ってそんなに大切?

リユースするほど貴重なのか?というきっかけから、

お料理を味わいながら脳のバックヤードでつらつらススキについて考えてみた。

確かに最近、群生している姿を見かけることがなくなったような気がする。


そのご夫婦に、

お宅まわりにススキが生えていそうなところはたくさんあるのではないですか?

と聞いてみるが、いざ刈り取ろうとするとクルマが止められない場所だったり、

他の植物にさえぎられて草むらに踏み入らなくては手が届かなかったりするようだ。

 

(草むらに無防備に立ち入ることは絶対にしないでね、

まず草で手足を切り傷だらけにされるけど、

一番怖いのはマダニにやられること。

アイツら皮下にまで潜り込むからね!)

そんな話が頭のどこかに残っていた。
そして今日、

そのご夫妻の家の所在地近辺まで

免許の書き換えに出掛けた。

数か所寄り道をしたその帰り道、

ふと目の端にススキが見えた。

優良運転者講習を終えたばかりなのに

掟破りな急ブレーキ。一応後方確認はしたつもり。

幹線道路から少し入ったところだったので

クルマを端に寄せて停車、

ダッシュボードにいつも常備してある花切狭(;´∀`)ナニユエ...

を取り出す。

 

草むらに足を半歩だけ踏み込み、

思いきり手を伸ばす。

足がプルプルするけど堪えて

数本、美しく白金の穂を見せつけているものと、

まだ穂が開ききっていないものを選んで採取。

ほんの少しだけ葉に腕を切り付けられたが、

まあ収穫の代償としよう。

ありがとう。

ご夫妻の家へとUターン。

在宅しておられた二人にお届けし、奥様にも喜んでいただけた。

自己満足感ハンパない。

さて、話は元に戻る。
昔は、ススキとセイタカアワダチソウの両巨頭が

近所の空き地を席巻していたような気がするのだが、

今はススキの代わりにヨシばかりが勢力を拡大しているようだ。


昔、三ケ日の林道に踏み入った先に、

童話の挿絵のような一面のススキの原を見たことを鮮明に覚えている。

あそこも今はヨシに取って代わられているのかしら。

ちなみに、私はススキも好きだがエノコログサが大好きだ。

あの茎の先にモフモフが揺れる、通称猫じゃらし。

キンエノコロ、ムラサキエノコロ、オオエノコログサなどがあるが、

穂の小さめのノーマルなものがかわいらしくて良き。

たった今、写真にも写っている、子供の頃に「カンザシ」と呼んでいたものの本名が

「メヒシバ」ということを知った。明日まで覚えていられる自信はない。

(ちなみにこの写真にはススキは一本もない。

お届けする前に一枚撮っとけばよかったなあ(;´∀`)

昭和天皇が

「雑草という名の植物はない」という某植物学者の言葉を引用して

いいこと言っていたなぁと、ときどき思い出す。

が、どっちにしても草たちには関係ないよなぁと、

家中グリーンまみれにしながら、

雑草にまでいろいろ文句をたれる民草であるところの自分。