クリスマスも近づいてきましたが

みなさん、聖歌隊と聞いてどんな絵が浮かびますか?

 

白いお揃いのローブをまとい

ベレー帽を被ってひな壇に立つ一団でしょうか。

 

ここで二つに分かれる気がします。

ひとつはウィーン少年合唱団やLiberaのような

変声期前の少年たちを思い浮かべる人と

もう一つ、私と同世代だとドリフの聖歌隊を

思い浮かべる人(笑)。

どちらにしても初々しさ若々しさがあります…よね…

 

いつものセレモニーアシスタントの仕事で

ちょっとした事件がありました。

 

宗派がキリスト教でした。

これだけでも私には初めてのことだったのですが

キリスト教の中でもレアなロシア正教会だったのです。

 

神父様と聖歌隊がやってくるというので

いつになく現場はソワソワしていました。

普通は教会で執り行うのですが

教会の神父様が体調を崩されたとかで

急遽、場所をこちらに変え、名古屋から神父様が呼ばれたのです。

 

さて、私と先輩は聖歌隊のお出ましを今か今かと待ちました。

着替えのために部屋が必要だろうと、

控室を一つ、暖房を入れ、照明をつけ…

しかしいつまでたってもそれらしき一団はやってきません。

いらっしゃる弔問客は、階段ではなくエレベーターをご案内する必要のある方ばかり

そしてそうこうしているうちに「もう来ている」という驚きの知らせが。

 

はい、そうなんです。

その聖歌隊は、思っていたよりずっとずっと

「天国に近い人々」だったのです…。

 

あまりの「思ってたのと違う」加減に

私たちがあっけにとられている間に式は始まり

香炉を振り子のように揺らしながら

神父様は聞いたことのない祝詞?を唱えられます。

それに合わせて随分と早口の聖歌が始まりました。

 

式を興味深く見ていたかったのですが

仕事ですから式場ばかりに張り付いてはいられません。

それ以外の場所にも仕事があるので少し離れているとき

事件は起こりました。

 

式場にタクシーの到着を告げに上がって行くと

何やら様子が変です。

 

担当者と先輩が「救急車って119だっけ」

「119です」と不穏な会話。(;'∀')

 

どうやら「天国に近い聖歌隊」の中でも

最も近いと見られる方が体調不良を訴えられた模様。

 

あの早口の讃美歌をマスク付けたままで歌うなんて

そりゃ健常な若者でも酸欠になりますよ?(;´∀`)

 

車寄せにけたたましくサイレンを鳴らしながら

「いつもとは違うクルマ」が停まります。

私は自動ドアとエレベーターを開放してストレッチャーを

誘導しました。

 

幸いにも当事者は救急車の到着を受けて正気を取り戻し、

自力で歩いて救急車まで行くと言い出しました。

 

気持ちはわかります。私も経験者ですから(笑)。

 

それでも当然ストレッチャーにお神輿のように担がれて

エレベーターへ。

私は階段を駆け下り、救急隊のお見送り。

 

いやはや、何とも何もかもがレアな経験でした。

 

が、先輩曰く、

「救急車、結構呼ぶよ…」とのこと。

 

うーん、人生交差点だなあ。