今日、娘に誘われてアレサ・フランクリンの

『リスペクト』を観てきたのですが、

私は上映中3度ほど映画館から飛び出したくなりました。

 

あ、ネタバレしますので観に行く予定のある方は

ここでさようなら。

 

元々私と娘はアレサにほとんど興味はなく

アレサを演じたジェニファー・ハドソンの歌声を聞きに行ったのです。

 

ところが、この映画には人権に対する暴力が2重に出てくるのです。

ひとつはキング牧師を中心とした人種差別、

そしてもうひとつはドメスティックバイオレンス。

つまり身近な人から受ける身体的・精神的暴力。

 

私の元・夫はDVの人でした。

それがもとで離婚したので、男性の暴力に対して過敏です。

当時は子供たちを守ることに必死でそんなこと気が付かなかったのですが

数年前、入院した時に男性看護師が後輩の女性看護師を

病室の前で大きな声で罵倒するのが聞こえた時

はっきりと自覚しました。

その男性看護師が近くに来るだけで

吐き気がし、担当を外してくださいとお願いするときに

どうにも涙が止められませんでした。

 

もちろん娘もその被害を被っていたので

映画を見ながら心配になりました。

男性が怒りに任せて大きな音を立てるたびに

お尻が座席から数センチ浮き上がってしまいます。

 

それでも娘が誘ってくれたんだからと

映画が終わるまで何とか座っていましたが

終わると、二人ともしばらく口がきけませんでした。

そしてお互いに「大丈夫だった?」(笑)。

 

「胸くそ悪くならなかった?」と聞くと

「いや、むしろお母さん大丈夫かなと思った。

ごめん、リサーチ不足だった」と。

 

どうやら上映中、二人ともお互いの心配ばかりしていたようです。

金払って何やってんだか(笑)。

R指定みたいに

「暴力を想起する描写があります」とか

注意喚起してほしいと思ったけど

多分、もうみんな暴力描写に麻痺してるんだろうな。

がっつり殴るシーンはないんだけどそれが余計にリアルで…(;'∀')

まあそれだけ演技やカメラワークがすごいってことなんだけどさ。

こんなレベルでクレーム付けてもスルーだろうな。

でも、きっと私達だけじゃない。

ああ、まだ胸がむかむかする。

 

実は私が飛び出したくなったのはもう一つ理由があって

それは、おそらくアレサのオリジナルキーに合わせたんだろうけど

どう考えてもジェニファー・ハドソンには高いキーで歌っていて

その違和感がどうにも気持ち悪くて、何度も

「もう無理」と思いました。

 

いつもお金払って聞きに行ったライブでも

数分で出てきてしまうこともあるのに

よく最後まで我慢してたなと思いました。

大人になったなあ。