昨日のシルバニアホーム訪問(シルバー+シニア=シルバニアてことで)

歌の集いで、笑いの渦を巻き起こした後、感動的場面に出会えました。

 

そのホーム訪問で最前列にいらっしゃるお姉さん

(おそらくまだ60代)は、

いつも無表情で歌にも反応なさらない。

大きな瞳の美人さんでまるでお人形のよう。

 

それが昨日、「富士の山」を歌っていらっしゃいました。

おそらく声は出ていないと思われるけど

口をしっかりと動かしているのが見えました。

それだけでもかなり感動したのだけれど

エンディングソング、「夕焼け小焼け」の時のこと…

 

その歌は、いつも自分の前の方の手をとり

「お手て繋いでみな帰ろ~♪」と歌うのだが

私が彼女の手を取ると、表情がくしゃっとなりました。

 

「え!? 嫌だった?」

と、一瞬ひるみましたが、彼女の口元を見ると…

歌っていました。涙を浮かべながら…。

 

手を放そうとすると弱々しく握り返してくる

私が嫌なんじゃなくて、何かを思い出しているよう。

 

大きな瞳から涙がこぼれ落ちることはありませんでしたが

私が手を放すと、その手で涙を拭う動きをされました。

きっと彼女の中では涙が頬を伝ったのでしょう。

 

どんな景色を見ていたのかしら。

彼女の大切な思い出があの歌で甦ったのだ思うと

音楽の力を感じずにはいられません。

 

凍り付いてしまった記憶と感情を音楽が穿ち、

心に流れ出る様子が

カイとゲルダの物語のように広がりました。

 

そんな感動を、会のお姉様方と分かち合いながら、

御接待のおせんべいをバリボリ喰い散らかして来ましたん。