入院中は、くどいけど
痛みと吐き気の二重奏。

その妙なる調べに

人は歯を食いしばるしかないのだが…



さて、手術前の問診に

「ゆるくなって動くような歯はありませんか?」

というのがある。

手術は全身麻酔なので
パイプを咥えさせられているらしいのだが
これが歯を傷つけたり、差し歯を破損したり
その欠片が誤嚥されたりすることを回避するためなのだが

この時、私はかなりビミョーだった。

例の「異物混入未遂」になった差し歯が
救急搬送されるあたりから
歯を嚙み締めすぎて何だか違和感があった。

でもまあ差し直したばかりだし、大丈夫だろうと
「ありません」と半分ハッタリで答えた。
(よい子は真似をしちゃいけません)

そして、手術後もずっとずっとずっと
歯を食いしばりっぱなし。

なんだか違和感が増してきた。
歯科衛生士の娘にそんなことをボヤいてみると

「こういう時は、歯も歯茎も瘦せる」

と、驚きのお告げが!


歯茎が瘦せるのはなんとなくわかるんだけどさ

「歯」もっ!? 歯も瘦せるのっ!?


しかし、現場で足かけ8年、歯科衛生士をしてきた実感として
あるのだという。


「あー、このお客さん、この歯はもうダメだろうなあー」

と思ってた人が、病気から快復してしばらくしたら
ビクともしない歯になってた

なんてことはいくらでもあるらしい。


「だから、まあしばらくの間我慢してれば
 元通りになるよ」

とのことである。

ヒトの身体は、外界からの補給線が断たれると
自分の臓器やらなんやらを分解して
必要な物を得ようとする。

それは歯にまで及ぶと…。


そうかー。カルシウム不足ですかー。
発注しときますですー。