バイト先で知り合った人から相談を受けた。

DV夫と離婚して1年経つ彼女は

小学校低学年の娘さん(DV被害者)が
「お父さんに会いたい」

というのが信じられなくて

また、子どもたちを守るために
こんなに苦労して必死で今の生活を
ギリギリで保っているのに

私はいったい何なの!?

と、ひどく傷ついていた。


詳しくは書けないが、彼女と家族は
ある特殊な事情により
自治体のどんなセーフティネットからも
ことごとくスポイルされており

本当に100%彼女の努力だけで
細々と、せいいっぱい涙ぐましいぐらい立派に
子どもたちを守っている。

付きまとい禁止を言い渡されているにも関わらず
ほとんど他人から守られていない。

と、かなりレアケースな部分が多くあり
「ねえ、虚言癖ないよね?
 悪いけど、半分も信じられないぞっ」

と冗談で笑ったぐらいディープすぎて
参考になる人はまずいないからここに書かないけれど

彼女が抱えていた悩みは
離婚した母がかなりの確率でぶち当たることだと思う。
私もかなり苦しめられた。つらかった。


「お父さんに会いたい」


私がこんなにあなたたちのために頑張ってるのに
あの人はあなたたちをあんなにひどい目に遭わせたのに

どうして

どうして

どうして

どうして!!!


と、夜も眠れないし、ご飯も喉を通らない。


きっと多くの母が味わったと思う。

金銭的苦労よりもこれは本当にキツい。



問題の根底にはいろんなことがあるけれど

まず一番に彼女をはじめ、お母さんたちに言いたいのは


「子どもたちは子どもたちなりに 自分の心を守っている」

ということを理解してほしいということだ。



うちも子どもへのDVだったので
まったく同じ思いを味わったことがある。


所詮、夫婦は血のつながらない他人なのである。

親子とは違う。

夫婦間の「嫌い」と親子の「嫌い」はまったくの別物なのだ。


本来ならば、無条件で愛してくれて
自分の命より大切に思い
最優先で守ってくれるはずの存在から

言われなき暴力を振るわれるということが

子どもの心にどれだけの傷を負わせるか
それがどれだけ絶望的なことなのかを

まず理解してほしい。



「もちろんわかってる、だから子どもを守るために離婚した」

と言いたいだろう。私も同じだった。

だからこそ

「どうして!?」と思ってしまうのだが…


夫のDVはうまくいけば
妻にとってはその後の生活へのエネルギーに変換できる
背水の陣を敷くことによって振り返ることなく生きていける。
実際私はそうなった。


だが、親からのDVは、そうはならない。

とことん傷としてしか残らないのだ。


人間は、本当につらい記憶を消してしまうことがある。
そこの記憶だけがスコンと抜け落ちてしまうのだ。

それは「その記憶に堪えられないから」

そうすると、優しかった時のお父さんしか思い出さなくなる。

DV加害者の特徴として、気が済めば
涙を流して謝ったり、過分に優しくなったりするので
これは本当にタチが悪い。
まともな母には非常に分が悪いのだ。

経済的にも太刀打ちできない。




母と子といえど、同じ痛みを分け合うことは出来ないのだが

必死で生きている母親はそれをつい忘れてしまうことがある。

頭では、自分のわがままな決断のせいで
子どもたちに迷惑をかけたかもしれない

と わかってはいるのだが

心では、子どもたちのことを
「戦友」あるいは、「味方」と思ってしまう。
母だって、何かにすがりたいのだもの。


だから子どもの「お父さんに会いたい」は

とても大きな裏切り行為に思えてしまうのだ。


私の娘も被害者だが、
離婚後、落ち着いてからこう言ったことがある。

「お父さんがやったことは許せないけど
 できるだけ忘れるようにしてる。
 覚えておくのはつらいから」

ずっと忘れられない言葉だ。



だから、傷ついてるお母さんたち、

わかってほしい。

「お父さんに会いたい」
「できたら復縁してほしい」
「親が離婚してるからって学校でいじめられた」

お子さんの年代によって言葉は様々だろうけど

あなたの大切な宝物は
決してあなたを裏切ってるわけじゃない。

自分を守るために戦っているんだよ。

あなたを信じて甘えているんだよ。

試しているのかもしれない。


だから、つらいのはわかるけれど
ぐっとこらえて受け止めてあげてほしい。

いつか必ずわかってくれる日が来るよ。




登り坂は永遠には続かない。
しんどいのは今より上にあがっている証拠。

登り切ったら、どんな景色が見えるかな?

頑張り過ぎない程度に頑張ってー!




そう、葬儀続きで
車検代払えるめどまったく立たないけど
きっと私も大丈夫!

うーん、何回払いにしてもらおうか…(涙)