完璧主義って、決して悪いことではないんだけれど
時と場合によっては困りものなんだよね。

今のバイトの先輩がそうなんだけどさ
仕事で完璧を追求すると、ドつぼにはまる。

家の掃除でも同じだけども
店というものは生き物で、毎日動いている。

そこで生活する人がいたり、
そこで何かしら動きがあるなら
それを完璧なままにとどめておくことは不可能なのだ。

だから、「そこそこ」。

そこそこキレイを目指すべきだと私は思っている。

だけど先輩はソレができないのだ。
その結果、プライオリティーを間違えた進め方をしている。
そして、私たちにお金を払っている人の望むことができていない。

どうしても目に入るとそっちにいってしまうと彼女は言う。

それを無視することも大切なのだが。

完璧を目指して、満足したとしよう。
だが、そこから客が一つ品物を取るために
あっちゃつかみ、こっちゃつかみ、
あっちゃ放り投げ、こっちゃ放り投げするのを
とがめることは出来ないのだ。

芸術作品ではないのだから。

展示されるアートであれば、自分が完璧と思えるところまで仕上げるべきだし
時間と予算の許す仕事であればそれもありだけれど。

私たちに誰もそこまで求めていないのに。

そして彼女自身を苦しめてもいるんだからやっかいだ。

彼女の自己満足のために費やされた時間とその結果。
その対価を支払う側の満足度。

考えると切ないわ。

どうにかしたいなあ。

一瞬完璧にすることと、
そこそこキレイを保ち続けること、
どちらが大変だろう?

それを考えてほしいんだよね。

実はそこそこキレイを保ち続けることは
とても大変なのだ。

一瞬の自己満足の虚しさと
一定のレベルを保つことの難しさ。

このあたりに彼女が気付いてくれるようにするにはどうするべきかしらね。

これ、実は歳取って、身体がしんどくなれば
自然と見えてくるんだけど。

結局彼女は、公式スペックで私よりも6年新型なのよ。
体力余ってるのよ。
だからやってしまうの。

あと数年すれば、イヤでも
プライオリティー優先でしか
ものを考えられなくなるんだけどね。

でも楽しいよ。先輩だけど相棒なの。ふふふ。