レイテ島といえば、レイテ島の戦い、
タクロバン海岸といえば、かつてコレヒドール島の戦いから、
「I shall return」のセリフを残してフィリピンを脱したダグラスマッカーサーが、
第6軍の総指揮官として、戦場に戻ってきた地である。

今回フィリピンが台風で甚大な被害を受けた地は
日米にとっていわくつきの地である。
特に、日本軍は上がバカだったせいで
本当なら出さなくていい戦死者の山を築いた場所。

もちろん地元民にとっても未だ忘れられない傷だ。


だが、そこへ自衛隊が国際緊急救助隊として
1180人体制で艦艇3隻を率いて赴いた。
これは海外被災地支援としては過去最大規模なのだそうだ。

どこかの国が忌み嫌う、「旭日旗」を掲げた日本の艦艇を
フィリピンはどう受け入れてくれるのか。

などというのは杞憂に過ぎなかった。

地元では始めから大歓迎だったようだ。
よかった。心から素直にそう思う。
自衛隊の隊長は「日本の真心を伝えにきた」と述べたそうだが
その真心が必ず相手に伝わるとは限らないのだから。

それでこそ助け合いという言葉が生きてくる。

もちろん、かの地には米海兵隊が沖縄基地から、
くだんのオスプレイで支援に行っている。
当然日米合同の作戦もあるだろう。

かつての敵国同士が、かつての戦場で共に救難作戦に当たる…。

新しい歴史が今、書き加えられているんだね。


フィリピンの人々が、リアリストで、大変親日的ということは
以前にも書いた気がする。

翻って、特定アジアと呼称される国々(て、2つだけど)はどうであろうか。

もしも今回のフィリピンと同じような被害に遭ってさえ
「旭日旗」批判が轟々と沸き起こるなら、
逆に「敵ながら天晴れ」と褒め称えたいところではある。

旧日本軍が整備しまくってしまったインフラなど
見る影もなく木っ端微塵に吹き飛ばされれば、
「負の遺産」もキレイサッパリということで
やっとイチから自分たちの手で国づくりできることとなりましょうな。
やれ、めでたしめでたし。

そこに穢れの象徴である「旭日旗」など、
どうして受け入れることが出来ようか!
自分たちの手だけでやり遂げるに決まってるわよね!

自分たちの大好きな「歴史」に殉じるのも
また美しいかもね。

まあなんて不謹慎なんざましょ!





でも歴史はどんどん書き続けられていくもの。
後ろばかり見ていては、先に進めない。