出生率が下がった下がったと騒ぎ出した頃からか、

やたらと妊娠・出産をお祭り騒ぎに仕立て上げるような雑誌が増えたわね。


確かにどちらもおめでたいことではある。


でもオシャレで、楽しくて、美しくて…っていうイメージばかり先行しすぎてて


とーーーーーっても嘘くさい。っていうか、嘘。


赤ちゃんは天使じゃない。 それどころか時々悪魔。


ペットに服を着せたり、ブランド物の首輪を付けたりするのと

赤ちゃんを妊娠して産んで育てるのはまったく違う次元のことだわよ。


あたり前田のクラッカーですけどね。(←これって、もしや地方限定?)



夢を抱くのはいいけれど、あまりにも楽しくておしゃれでっていうイメージをもったまま

現実の子育てに突入すると、そのギャップに耐えられないんじゃないかしら。


雑誌に載ってる読者ママのように、スマートに楽しく育児が進まない自分を責めたり

雑誌に載ってるハウツーどおりにしても夜泣きばかりする我が子を虐待したりしないかしら


近頃そんなことが心配でならない。

(その前に娘の結婚の心配しろよとか言われそうだけど…)


妊娠も、出産も、子育ても、マニュアル通りにいかないのが普通。

それが個性なんだもの。工業製品とは違うのよ。

同じボタンもついてなきゃ、取説もないのよ。


そんなオシャレな雑誌じゃなくて、母親教室とかで

ちゃんとしたお母さんになるための教育を受けてほしい。


できたら、生身の先輩お母さんと数人、知り合ってほしい。


何人産んだ人でも、ひとりひとり個性が違うから、

一回ごとに戸惑いがあるのが当たり前だと思う。

そういう人の話を聞いてほしいの。




私は、妊娠初期、親に内緒にしてたから

自分で育児書を4冊買い込んで、必死で勉強した。21歳だった。


それでも当然、育児書に書いてあるとおりにいかなくて、

イライラしたり、泣いたりしながら娘を育てた。

同世代の子たちが毎日楽しんでるのを羨ましいと思ったこともほんのちょっとだけある。


でも、そんな時にいつも思い出したのは

出産後、父から掛けられた言葉だった。


「子供ができた以上、自分のことは10年我慢する覚悟でいろ」


何か辛いことがあっても、やりたいことがあっても

この言葉が心のつっかい棒になってた。

母になったっていうのは、こういうことなんだな、と決意が新たになった。


若い時に10年自分のこと我慢するのは辛いと思うかもしれないけれど

それに見合うだけの幸せを子供は、ちゃんと私にくれた。


子供に手がかかるのなんて、ほんの少しの間だけ。

それを過ぎたら、してやりたくても拒否られるんだよ。

その時しかできないことがあるの。それを楽しんでほしいな。


このところ、若いお母さんの虐待事件が毎日のように報道されててとても辛い。


出生率だけが上がればいいってもんじゃない。

はっきり言いたい。


10年自分のこと我慢するぐらいの覚悟がないなら、子供を作るな!

出産、育児はお祭りじゃない。3日じゃ終わらないよ!




……そんなこと言ってるから、一人育てるのに10年掛りになっちゃって…

たった2人育てるのに、20年も……いやはや…。


年子や双子の育児してるお母さんにはもう平伏いたしますです。はい。