先日ファーストソロ(初単独飛行)に出た、と記事にしました。
その時の感想をもう少し。
通常の飛行訓練は2人乗りで順番に行われます。
練習生は順番に教官と乗り込み、着陸後アドバイスを受けながら
発航地点まで機体を戻してきます。
1機の離着陸にそこそこの人手を要するグライダーですので
自分の搭乗以外は何かしらの形で働く…その繰り返し。
命を懸けたスポーツではありますが
ある意味淡々としたものでもあります。
おとといの2発目の後、教官の第一声が「はい、いいでしょう」。
いくつか注意点を述べた後
「自分でも今の(フライト)は結構納得できたんじゃないですか?」
とおっしゃるので「まあまあ」とか何とか返事を。
それから重量(自分の体重+乗せている重り)をお聞きになって。
おもむろに聴こえて来る心の声↓
「???…もし…か…して…でも、まさか。え~!?そんなはずは」
完全にB子状態。
そんなことがこの身に起こるはずがない!という後ろ向きな反応。
「次、ソロ行きましょう」とかいう決定的な言葉がないのです。
まるで弟子入りを許されたのに気づかない徒然亭一門のよう。
「ちりとてちん」ならぬ「ちんぷんかんぷん」ですわ、ホンマの話(←上沼調)
で、いよいよ搭乗準備。雲の状況を見て少しの時間待機。
この待機中、心の中で一生懸命お祈りしました。
「どうぞ安全に帰ってこられますように。機体を壊すことなく
着陸できますように」と。
自分のためもありますが、何かあったら
私をソロに出すと判断してくださったH教官に対して申し訳ない。
この人に迷惑をかけたり、顔に泥を塗ることだけは絶対避けたい。
私の操縦に自分の命と、みんなで共有している大事な機体と
Hさんの教官人生さえかかっているのです。
そう、性質は違いますがちりとての時虎ノ介さんが担っていた重圧に
とても良く似ています。
グライダー操縦でもっとも大切なのは着陸。
ファイナルターン、滑走路に軸線を合わせ、イメージするパス角で下ろし
引き起こして接地、地上滑走。
引き起こしでフワッと上がりすぎたけど
滑走路の中心線、幅20cm程の白線の上を滑走している時
ジャストど真ん中を車輪が転がっているのを目の当たりにして
少しだけ自分に感動しました。
「出来たんだ」という感覚。安堵感。
その晩、あれはちりとてで言うところの
「人生のど真ん中」を象徴してたかもしれないなと思いました。
神様が24年越しで鈍い私に分かりやすく見せてくれた
「ここが人生のど真ん中や!」という、まっ白なサイン。