《評価》
第1週分を東京のドラマ部の部長に見せに行く。ダメだと撮り直さなければならない。
「これは数字は取れないが、一部の人に熱狂的に受け入れられるチャンスを持った番組だ」
と、言われる。
なんて先見の明のある上司!静かにどよめく会場。
それだけ部長の反応を一字一句覚えてるってことは、遠藤さん嬉しかったんだろうナ。
朝ドラが始まって2週間は抗議の電話が必ず来る。
「どんど晴れを再放送しろ!」
「瞳」のスタッフからも「勘弁して下さいよぉ~」と言われた。
それはいつも繰り返されること。「だんだん」も然り、だそう。
放送開始3週間ぐらいから、メールや電話が届き始めた。
通常は2行くらい、「いつも見てます。頑張ってください」とか。
ところが…ちりとて宛てはA4で3枚とか。
怒りのエネルギーは大きいから、「金返せ!」などの電話につながりやすいが、
「良かった」と言って電話を掛けてくる人は非常に少ない。
だから遠藤さんたちにとっても、実はとても大きなことなんだそう。
「何かが起きている…」
数字は低いが、ながーいメールは続々と来る。
スタジオの壁に張り出すと、みんな熱心に読んでいた。
どうやら史上最低の視聴率となりそう、という予測もついてきた頃…
「一部の熱い人たちを集めたら…」
ということで開催決定したのがファン感謝祭。
用意したスタジオでは間に合わない応募総数となる。
番組ポスターのスライドが出るや
「虎ちゃん小さいですね。まだこの頃は」
確かに弟子の中でもっとも小さい写真。
余談ですが、民放局で日本を代表する女優にぐるっと取り囲まれて写真に納まるようになるとは
この頃だーれも思ってなかったでしょうしねぇ。
《質疑》
Q「キャスティングについて」
和久井さんをお母さん役に、というアイディアには賛否あったが、
NHKドラマ「華岡青洲の妻」でのお芝居が、なんにも笑わせようとしていないにもかかわらず、
ただ一生懸命な姿が抜群におかしかったことから、キャスティング。
事務所のマネージャーさんに20歳くらいの娘のお母さんなんですけど…と話しにいったら
「そういう役を待ってたんです!」と言われる。
京本さんに関しては、初めから藤本さんが「フーテンの叔父さん」と決めていた。
京本さんからは「愛と友情 のブギウギ」がとても楽しかったので、藤本さんの作品ならどんな役でもやりますよという返事。
が…
最初の打ち合わせから、ヒロインの父親でないことに納得いかない京本さん。
松重さんに「松重君、病気にならない?」などと言う。
いよいよ小浜ロケ。最初の撮影に入る前にも、
「あーあ、ホントに撮っちゃうの?」
これで叔父さん決定か!?とこの期に及んでゴネている。
その他第一希望で決まった人、第三希望の人、色々いるが、結果的にはうまくいって良かった。
Q「いつから上沼恵美子になるの?」
関西からの来場者。可愛らしい喜代美ちゃんを見ていても、
「いつかは可愛い喜代美ちゃんも上沼さんになるのか…」と思うと、気になって仕方ないそう。
いったいいくつになったら上沼さんになるのか教えて下さい、というご質問。
関西では上沼さんの露出度の高さ、人気から、声と顔が直結してしまっているからだと思うけれど、
実は「上沼さんはいつ出るんですか?」とか「上沼さんは最終回に出ますか?」という問い合わせは
関西からはよく来ていたとのこと。
喜代美はあくまでも貫地谷しほり。そのまま彼女が年齢を重ねていって、そのナレーションの声だけが上沼さん、ということ。
Q「数字について」
数字が悪くても、何とかしろとは一言も言われなかった。
前述の部長の話もあり、一部の熱い支持もあり…。
ニュアンスとして、その「熱い支持」を感謝祭なり、DVDの1位なり、メモリアルブックなり、形として残せたことが大切だったとお感じになっていたよう。
多分それは、内外に向けてという意味で。推測の域を出ませんが。
(司会から)「最後に遠藤さんの今後を…」と促されると
来年春、秋放映のドラマを一本ずつなさるそう。
そして、藤本脚本再び!
木曜8時の「七瀬ふたたび」の後番組、1月からのドラマに、ちりとてメンバーが続々登場だそう。
「あんな人とあんな人がカップルに!?」え~!
「こんな人が車椅子に…」えぇ~~!
「あんな人が犯人にっ!?」えええぇぇぇっ~~~!?
「ナイスリアクション!」と、みんなの反応の良さに喜色満面。
これでちりとてちん関連のイベントは最後です、とおっしゃっていましたが、
そうとは知りつつ、認めたくない気持ちもあり…
でも〆が愛宕山でこじんまり、というのも粋で良かったのかな、とも思いつつ。
ということで、ありがとう遠藤さん。ありがとう「ちりとてちん」。
See you again (^_-)-☆