9月9日に国立演芸場で開催された「昇吉の会」に行きました。昇吉さんの一つ目のネタ出しが「おしっこ見たい」。
この何とも怪しげな演題ですが、実は私が「君がおしっこするところが見たい」という演題でこの前のスダチ亭でもやった私が作った新作落語なのです。
昇吉さんが年に一度やられている国立演芸場での独演会という晴れ舞台で私の作ったネタをやってくれるということで呼んでくれたのです。
なぜ昇吉さんが私のネタをやるのかというと、ご存知の方も多いと思いますが昇吉さんは東大出身の落語家。
東大在学中は落語研究部、落研に所属していました。
私も東大落研OBなので昇吉さんは落研の後輩に当たります。
まず、これが私と昇吉さんのつながりです。
そして、東大の本郷キャンパスで毎年ホームカミングデーというイベントがあり、そこで毎年東大落研OB会が「東大落語会寄席」という寄席を開催しています。
そこに私も出演させていただいています。
3年前の東大落語会寄席に昇吉さんがお手伝いに来てくれたことがありました。
その時に私が「君がおしっこするところが見たい」をやりました。そして、お上品な東大落語会のお客様にドン引きされて、ど滑りしました。
客席はドン引きでしたが、昇吉さんは面白いですねと言ってくれましたのて、良かったら台本あげるから好きに変えてやってもいいよと台本を送ったのでした。
これが私の「君がおしっこするところが見たい」のネタと昇吉さんとのつながりです。
それから特に音沙汰もなかったので3年経ってやりますという連絡が来たので私も驚きました。
「『おしっこ見たい』東中亭どテ珍師匠作。現代的な都会の恋の物語です。」と私の名前を出して紹介してくれているじゃないですか。
こんな下品な噺を作ったのは昇吉さんではなくてコイツです、と昇吉さんのファンに知らせたかっただけかもしれませんけど(笑)。
この時間は撮影OKでした。
開口一番は古今亭今いちさん。
今いちさんとも立石落語会で何回か一緒に高座に上がったことがあります。
袴にサスペンダーとう出で立ちでマクラというかフリートーク的な漫談をたっぷりやって会場の雰囲気を解したところで羽織を脱ぐ変わりにサスペンダーを外したかと思ったら、小咄のような小品の「手紙は笑う」でサッとおりられました。
そしていよいよ昇吉さんの登場。
落語の歴史を竹取物語から現代まで語ってから「おしっこ見たい」。
自分の落語を人が演じてくれているのを見るのは初めてのことでした。
それを国立演芸場で見られるなんて夢のようです。
自分の落語を人がやっているところを見るのがこんなに緊張するものだとは思いもしませんでした。
また、昇吉さんが私の台本をあまり変えずにやってくれていたので、お客さんがどう反応してくれるのか余計に気になりました。
最初のキーワード「好きな人にいつおしっこするところを見せればいいの?」のところで笑い声が聞こえた時にはホッとしましたけど、次は大丈夫か?この次こそ引かれないか?と最後までドキドキしっぱなしでした
でも流石はプロ、と私が言うのも失礼な話ですが、昇吉さんは私の拙いネタを最後までほどよく笑わせながら見事に演じてくれました。
昇吉さんのネタの次は澄川武史さんの笛の演奏。
とても格調高い笛の演奏で前のネタとの落差が物凄いことになっていました。
国立演芸場は志らく師匠の会などで来たことありますが、照明がずいぶんと変えて演出できるということを初めて知りました。
昇吉さん二席目は古典落語の「明烏」。
筋立てや梅が出てくるところなど志ん朝師匠の流れをくんだ型を丁寧に演じてお客さんを引き付けていました。
仲入を挟んで創作和太鼓集団打鼓音さんの和太鼓の演奏。
こちらは五人での和太鼓のパフォーマンスで迫力が凄かったです。
トリの昇吉さんは釈台(?)見台(?)を置いて「曲馬団の女」。
田辺南鶴先生のネタだそうです。
というのは講談に造詣が深く南鶴先生の孫弟子になる社会人講談の玉井亀鶴さんに教えていただきました。
戦後の混乱忌の人情噺で世界観と昇吉さんの落ち着いた語り口とが合ってとても良かったです。
ゲストもどのネタも凄くて私のネタの印象は霞んでしまっなんじゃないかなと思いますけど(笑)、私にとっては本人よりも先に作品が国立演芸場の舞台を踏むという記念すべき日になりました。
楽屋に挨拶に行ってお礼を言いたかったのですが、コロナの影響で楽屋見舞いも差し入れもできなかったので残念ながらそのまま帰りました。
代わりに昇吉さんにお礼のメールをしたら、寄席で何度かやってみましたがウケます、という返事がきました。
もう、やってたんだ!
しかもウケてたんだ!
ということは、これからもひょっとしたら寄席で昇吉さんがやる「おしっこ見たい」が聴ける機会がある、かもしれません。
私も「君がおしっこするところが見たい」はやっていきますので、いずれ聴き比べができるかもしれませんね。
プロアマ問わず私のネタをやってくれる人が増えたら嬉しいですね。
そういう人がやってみたいとお思うようなネタをもっと作っていきたいと思います。て
と、いうことで締めの謎掛けを、
「昇吉の会の『おしっこ見たい』」 と、掛けまして
「居酒屋の呼び込み」 と、解きます
その心は、「どちらも いっぱいやってって ほしい」(いっぱい/一杯)




