前回に引き続き話し方技術の向上のためのワークショップを始めます。ワークショップというのは、話を聞くだけでなく,自分でやってみることに意義がありますので、本日は会場の中から何人かに参加してもらいたいと思います。お手元にその材料となる練習問題をお配りしましたので、よろしくご協力願います。
今日のテーマは「スピーチの閉じ方」です。
すばらしいスピーチは,聞いた後に感動や余韻が残るものです。それは大部分の場合スピーチの締めくくり方が大きく影響します。自分主張をいかに前向きに伝えどのように強調するかにかかっています。

すなわち効果的なスピーチの閉じ方のコツは次の3つの原則を守ることが重要です。
それは 一つ、シグナルを送ること。自分が話を終えたいと思ったなら,事前にシグナルを送って聴衆に話に集中してもらう必要があります。たとえば「結論を申し上げます。・・・」「最後になりますが,・・・」「まとめますと・・・」などです。
二つ、強い印象を残すこと。いつまでも聴衆の心に残るような言葉やジェスチュアで締めくくることを忘れてはいけません。昨秋の千葉での全国大会で優勝したコンテスタントは、最後に無言で自分にエールを送るジェスチャーをして余韻を残しました(そのまねをしてみせる)。
三つ、結論部分はスピーチ全体の時間の10%以内でまとめることが必要です。すなわち,30秒から45秒までです。長すぎると劇的な終わりを期待している聴衆の集中力が途切れてしまいます。また,短すぎると聞きそびれたり何を言いたいのかわからなかったという結果になりがちです。
それでは、具体的にどのようにしたらいいのでしょうか。私のスピーチを例にとってみんなで考えてみましょう。

○名言等を引用する
→橋尚子選手は,シドニーオリンピックで金メダルを取った後,私たち市民ランナーに「夢はいつかは叶う」と走る意欲と喜びを発信しています。
(K.K さんに自分の案を発表してもらいました。)

○小話で閉める
 →これは昨春トーストマスターズ全国大会にゲストとして来られたバレンタインさんの話です。
 「私はスピーチを専業とする前には会社勤めのサラリーマンでした。今の仕事に転職する時上司に相談したところ、上司は給料を倍にするから辞めないでくれと強く引き留めてくれました。私がそのことを家内に話すと,家内は貴方の夢何なのと聞き返しました。その夜じっくりと考えた末、翌日上司にこういいました。私の夢は売りものではありません、と。」・・・走る喜びはお金では買えません。

 
○行動を促す
 →それでもランニングを続けますか、あるいは始めたいと思いますか。
一つ、お金がかかりますよ。懐は大丈夫ですか。財布の中味を今一度確認して下さい。
二つ、休日に何をしていますか。愛妻家のあなたは家族サービスですか。賢母派の貴女は家事ですか。休日がなくなっても大丈夫かどうか貴方の家族にも今一度確認して下さい。
三つ、仕事や恋愛との両立はできますか。残業ができませんよ。デートのチャンスが減りますよ。
以上3つの質問に全てイエスと答えられる方・・・貴方は私の尊敬する人です。」
(E.Hさんに自分の案を発表してもらいました。)

○質問で終わる
 →あなたは,貧乏なランナーを見たことがありますか?
あなたは,休日をもて余ましているランナーを見たことがありますか?
あなたは無職で結婚できないランナーを見たことがありますか?
(H.K さんに自分の案を発表してもらいました。)

○最初に戻る
 →でも,世の中が目まぐるしく動いていく中今のランニングブームに乗ってみることであなたの人生に新しい希望が生まれるかもしれません。

○要点をかいつまむ
 →以上,ランニングの弊害は次の3つです。
 一つ、お金がかかります。財布の中味を今一度確認して下さい。
二つ、休日がなくなる。愛妻家のあなたは家族サービス,賢母派の貴女は家事ができなくなっても大丈夫かどうか貴方の家族にも今一度確認して下さい。
三つ、仕事や恋愛との両立が難しい。残業ができません。デートのチャンスが減ります。
  今一度考えてみてください。

このほかに特に注意する点があります。

●結論を暗記する。
●時間通りに終わる。
●新しいことを付け加えない。

最後にこれらの原則とヒントを活用して皆様のこれからのスピーチが向上し、次回のスピーチマラソンで良い成績がえられることを期待します。