状況判断」というと、非常に高度で難しいことと思われがちですが、サッカーの場合、机の上に図面を広げて熟考するというようなものではなく、すべでの判断は瞬間的に下されなければなりません。したがって、「状況判断」の大部分は、状況を見て、たとえば「あそこにパスだ!」と感じるようなこととなります。

 

当然、そのためには、「周囲を見ること」、そして「プレーする前に考えること」が必要な要素となります。

 見で収集した「情報」を「予測→判断→創造→突抜」とつなげていくことで、初めて「状況判断に基づいたスキル」が発揮されるのです。


●判断すること


 現代のサッカーは「スピードが決定的要素」といわれますが、そのスピードとは、単に走る速さだけでは不十分です。「判断の早さ」が、「スピーディーなプレーができる選手」には不可欠なのです。


「情報収集→予測→判断→創造→実践」とつながる回路を、スムーズにするためには、判断すること、決断することの習慣をつけなければなりません。日常生活から自分で主体的に物事を判断し決めるスタンスをもたせること、そして、サッカーの練習では、この回路をスムーズにするような練習プログラムを用意しなければならないのです。


 また、主体的に判断できるプレーヤーを育てるには、練習の場をエンジョイできるものにすることも大切です。自由な発想を認め、「正解、不正解」で割り切るのではなく、主体的な判断とプレーを奨励しなければなりません。


 答えを先に与えて反復練習させることはもちろん、「考えること」自体を押しつけることも有害です。

 精神的にプレッシャーをかけることなく「考えなければうまくいかない」状況に追い込む練習メニューが必要です。


「うまくやりたいから考える」という状況を設定することができれば少年たちはそのなかで楽しんで自由な発想を展開してくれるはずです。


 こうした練習には、「ゲーム形式」が非常に有効です。ルールはできるだけ簡単にして、「何を考えたらいいか」をあくまで少年たちに委ねるようにします。あとコーチに必要なのは、「観察すること」と「忍耐すること」のふたつです。