「少年は小さな大人ではない」。

これが少年サッカー指導の出発点です。

一生サッカーとつき合っていくことのできる「サッカープレーヤー」にするために、小学生年代でとんな指導が望ましいか考えていきましょう。


少年サッカーの指導を考える前に、まず「サッカーとはを考えてみたいと思います。


サッカーというスポーツの本質を明確にすることが、サッカーの「技術」とは何か、それを身につけさせるためにどんな指導をするかの、ひとつの大きな前提になるからです。


「サッカーとは、ボールをけって相手ゴールに運び入れるゲーム、すなわちパスゲームと考える」

 いうまでもなく、シュートも、ゴールの中のGKの届かないところにボールを送り込むということで、一種の「パス」と考えられます。

 

このことから、非常に重要なポイントが明らかになります。


「すべての技術は、次にキックするために使われる」 


 サッカーの技術は、トラップ、ダイレクトプレー、ドリブル、キック、ヘディングなど多岐にわたっていますが、サッカーがキック(あるいはヘデイング)を使ってのパスゲームである以上、トラップもドリブルも次にパスするために使われる技術であることを、しっかりと意識しなければなりません。


 そのパスには、いろいろなバリエーションがあります。

 横パス、スルーパス、サイドチェンジ、センタリング、ロビング、クリアリング、バックパス、壁パス、そしてシュートなどです。


 大事なのは、そのすべてに、状況に応じた判断と意図が必要だということです。最終的に相手ゴール内へのパスをしなければならないのですから、ゲーム中の状況を判断して、「そのためにこう運ぶ」という意図が必要なのです。


 したがって、その「前段階」としてのいろいろな「技術」にも、次のパス(シュート)をどうするかという明確な「イメージ」がなくてはなりません。

 また、パスというものが2人以上の閑係があってはじめて成立するものであることを考えれば、パスの「受け手」側の意識やイメージ、そして準備もが、パスゲームの必要不可欠の要素となります。

「サッカーの基礎技術」とは、正確なテクニックでは不十分です。「意図のある技術の表現」と考えなくてはなりません。


 たとえば、止まっているボールを目標に向かって正確にキックできるのは、「正確なテクニック」です。しかし「パス」(あるいはシュート)を成功させるには、それだけでは十分ではありません。しっかりとした状況判断をベースにした明確な意図をもってプレーできなくてはならないのです。


 いつ、どこへ、どんな強さで、どんな性格のボールをけるか、はっきりとした意図をもち、それを正確に実行することが、プレーヤーには求められているのです。


 これができる選手を、私たちは「スキルフルプレーヤー」と呼びます。


 少年サッカーの指導で何よりも中心にしなければならないのは、少年たちをこうした「スキルフルプレーヤー」にするという課題なのです。