サッカーにおいて、必ずしも(最大)筋力がパフォーマンスに対して直接的に影響しているとは限らない。むしろその相関は低いと言えるかもしれない。ただし、大きくレベルの異なる個人やチームを比較した場合、その筋力差は明らかである。このことは、一流選手となるためにはある程度の筋力は必要であるが、筋力がある一定以上に達すると、それに比例してパフォーマンスが向上することはないということを示しているかもしれない。むしろ、この次の章に紹介する爆発的筋力の方が、サッカーのパフォーマンスに大きく影響していると言えよう。しかし、だからと言って爆発的筋力の向上に有効なトレーニングだけをしていればいいわけではなく、この爆発的筋力を獲得する上で極めて重要なベースとなるのが、実は筋力なのである。
1.筋力発揮時に動員されるのと同じ運動単位(筋線維)をトレーニングできるように、高い強度の負荷が必要
2.最大筋力発揮時同様、主にATP-CP系エネルギーによって行われる程度の運動時間である、すなわち高強度低回数のトレーニングであることが必要
3.毎セットとも最大限の能力が発揮できるように長い休息が必要であると同時に、それぞれのセットにおいて極端に疲労するほど反復を繰り返さない
4.1セットにおける反復回数が少ないので、筋肉に十分な刺激を与えるために多くのセットが必要
ウェイトトレーニング(バーベルやダンベル、専用のマシーンや器具などを用いて筋肉に負荷をかけながら、一定の動作を繰り返す方法)が最も効率的かつ効果的である。
大筋群を使った種目、あるいは多関節運動による種目に限られるべきで、小筋群による単関節運動による種目ではさほど効果はないと思われる。
6RM以上(正しいフォームで6回以上は反復できないような重さのことで、これは、1回だけ持ち上げることのできる最大の重さ、いわゆる最大挙上重量のおよそ65%以上に相当)
ただし、90%以上の強度でのトレーニングをすべての種目にわたって長期間(1ヶ月以上)行うことは避けるべきである。オーバーワークとなって腱や靭帯、筋肉それ自体も傷めてしまう可能性が高まるからである。
最大反復回数あるいはそれより1,2回少ない回数
私の個人的な意見としては、複数セット行う場合、最終セットのみ限界まで反復を繰り返すようにして、その他のセットでは、疲労の影響が出ないようにその1,2回手前で反復を終えるようにした方がより効果的であると考える。むしろ、後述する反復時の動作スピードに意識を集中すべきである。
主要種目;3~6セット、補助種目;2~5セット
おそらくトレーニング時間との兼ね合いになると思うが、状況が許せば上記に示したセット数の上限、すなわち主要種目であれば6セット、補助種目であれば5セットに近いセット数をこなせるようにしたい。ただし、トレーニングの初・中級者はその限りではない。また、強度が高いので十分なウォーミングアップ(2~3セット)をする必要がある。
休憩時間:2~5分(十分に疲労が回復していないと、エネルギー源となるATP-CPも回復せず、その結果動員される筋線維も制限される) |
ただし、90%以上の強度でのトレーニングをすべての種目にわたって長期間(1ヶ月以上)行うことは避けるべきである。オーバーワークとなって腱や靭帯、筋肉それ自体も傷めてしまう可能性が高まるからである。
動作スピードおよびセット内休息時間:できるだけ速く、ただし、早く疲労するのを防ぐため、反復と反復の間に多少(1,2秒)休息を入れてもいい。
それぞれの部位について週2~3回。
週3回行う場合は、必ず1回はトレーニングの質・量とも若干コントロール(落とす)ことがオーバートレーニング防止のために望まれる。
練習と同じ日に行うのであれば、練習後の方がよい。
直後でもかまわないが、時間があるのであれば、休養を取った後に時間をずらして行う方がベター。