今度は愛妻家 | Une note...

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最初に、本日の記事はネタバレするので、要注意である。

2010年84回キネマ旬報ベストテンの主演男優賞に輝いたのは豊川悦司。

どの作品で選ばれたのかというと、『必死剣鳥刺し』『今度は愛妻家』である。

最近ますます評価の高いトヨエツが気になり、チェック。

NHK大河ドラマ『江』の織田信長役もなかなか良かったし。

監督は行定勲。

『GO』でヒットした頃は勢いがあって好きだった。

『Jam Films』の“JUSTICE”は最高だったし、『きょうのできごと』も良かった。

しかし最近はというと――――、……というイメージ。

『パレード』がベルリンで評価されったけか。

こちらは未見。今後のリストに入れるとして、『今度は愛妻家』の話へ。

そうそう、行定勲が監督で、予告がぱっとしなかった為、劇場へは足を運ばなかったのだが、キネ旬で評価されたとなれば、観ないわけにはいかない。



本編は、トヨエツと薬師丸ひろ子のかけあいが、テンポよく軽快。

夫婦生活をしたことがあれば、ぷぷぷと笑えるのではないだろうか。

また、さくらが新聞の切り抜きをしたり、人参茶を入れたり、そのさくらの日頃の行動をトヨエツが自然にしてるシーンなんかは、非常にリアルな感じがあって、感情移入しやすい。

夫が妻の急な死を受け入れられない状態から、受け入れようとするもしくは受け入れるまでを描くというのは、たいてい重くなりがちなのだが、それを夫婦の日常の掛け合いをコミカルに描いたり、オカマを登場させたりすることで軽くしている。舞台の作品を映画化したものなので、舞台的な要素が多くみられる。

コミカルな場面とさくらをカメラ越しにのぞき自分の気持ちに気づくといったシリアスなシーンが交互に登場し、メリハリがある。

夫が自分の気持ちに素直になり、目の前の現実を受け入れようとするシーンは思わず涙が出る。

不器用な男・北見を見事にトヨエツは演じた。相手役の薬師丸がチャーミングでなかなかのバランス。登場人物が少ない為、キャストはみな知ってる顔ばかりで、石橋蓮司のオカマは二丁目にいそうであり、流石である、

エンドロールに井上陽水をチョイスするあたりもセンスが良く、大人の愛を実に渋く締めくくる。

私は予告の時点で、恐らくさくらがすでに死んでいるのではと思っていた。この作品はさくらが死んでいるかどうかグレーな方が面白いのかもしれないが、死んでいると知っていても楽しめる。

日本アカデミー賞で「石橋蓮司と寺島しのぶと三人で三婆をやりたい」と冗談で言っていたが、是非実現してほしい。

今度は愛妻家【通常版】[DVD]/豊川悦司,薬師丸ひろ子,水川あさみ

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