数日前、車を運転していると

サングラスをかけた鼻のデカイ男がふと目に止まった。

「あれ?どっかで見た事あるな…」

考える事約5秒。

「誰だったっけ・・・?」

そして頭の中に典型的な電球マークが浮かんだ。

「…そうだ!あれは見栄晴だ!!」

駐車場に車を停めて急いで見栄晴を追う私。

しかし見回すがその姿は無い。

「ちぃっ、見失ったか…」

発見してから数分経っていたから、勿論その場にいる筈は無かった。

しかしここは小さな駅前。

もう一度だけ探してみよう。

と思い町を再度見渡す。

「いたーっ!!」

キオスクの前で数分待っている見栄晴氏。

「何してるんだろう?」

見栄晴氏はキオスクで競艇か競輪の新聞を購入している様だった。

そしてどうやら領収証をきってもらっている様子。

「連載でもしているのか?それとも只の趣味?」

それは定かでは無かったが、待っている間

恥ずかしいのかチラチラと周囲を気にしている見栄晴氏。

「私以外誰も気付いていないのに…馬鹿だなぁ…」

そして私は口の端を少し上げながら車へと帰った。

5月下旬のさわやかな出来事であった…。