米国債の下落が市場最悪の大暴落になってきています。

 

10年国債の価格下落は2020年3月以降46%にも達し、30年国債は53に達しています。1980年代に10年国債の利回りが16にも達した時よりも大きな価格下落となっていまして、文字通り大暴落と言っても過言ではない状況になってきています。

 

株式市場の大暴落と比較しても、決して引を取らないというか、株式市場は2008年のリーマンショックの時に59、ITバブルの崩壊の時に49下落していまして、今回の債券の下落はこれと変わらない水準の下落になってきてます。

 

利回りについては、10年国債が一時4.83%、30年国債が一時5%に経ちました。これ当然、色々なところに影響が出てくる形になります。

 

ということで、今回は債権の利回りの上昇の影響、そしてこの債権の利回りの上昇が何で起こったのか、経済の見通しについての考え方みたいな部分についても合わせてお話ししたいと思います。

 

まず、米国債の利回りが急上昇してどんな影響があるかですが、大きな影響があるのはその米国債を保有している投資家です。この米国債をはめMBS(不動産担保証券)でたくさんの損失が出る可能性があるのはアメリカの中堅銀行であるという件については先日MBSについての動画で解説しましたので、そちらをご覧になっていただければと思います。

 

米国債は世界中のたくさんの投資家が保有していますが、特にアメリカの中堅銀行が資産と負債のミスマッチが大きいために大きな損失を抱えている可能性があります。

 

この他にも色々なところに影響がありますが、私が懸念しているのは企業の資金調達です。今年の2月、楽天が12%を超える利回りでアメリカのジャンク債市場で債券を発行しましたが、今債券を発行するとこの時よりもさらに高い利回りになってしまう可能性があるでしょう。このように、アメリカの債権市場で債券を発行している企業は、資金調達にかかるコストが大きく増加する可能性があります。今楽天の例を出しましたが、楽天はこのアメリカのジャンク債市場で発行している債券は額も少ないので経営に与える影響は大きくないでしょう。問題はアメリカの格付けの低い進行企業です。

 

ブルームバーグなどがまとめたデータによりますと、アメリカのジャンク債市場で2029年までに召喚を迎える債券は1兆6000億ドル(日本円で約2307円程度)あるとされています。もう少し細かく見ていきますと、2024年は9635ドル、2025年は22065ドル、2026年は3290ドルとなっています。

 

企業の資金繰りが悪化するのはこうした借換えのタイミングで借り換えができない資金調達コストが急増して収支が悪化する時に起きる場合が多くなっています。ですので、今の金利上昇の悪影響が実際に企業の資金繰り悪化として表面化してくるのはまだまだこれからということになります。

 

この他、住宅ローン金利やクレジットカードローンの金利も上昇することが予想されていますし、株式市場から短期国債への資金シフトなど、経済に色々なマイナスの影響があるです。

 

で、今回の利回りの上昇、何が原因で起こったかを考えると、経済を見ていくことの難しさ、そして重要なポイントがたくさん含まれていて、そうした部分についても皆さんにお伝えしたいと思います。

 

2023年3月から始まったアメリカの中堅銀行の破綻で、春頃まで多くの市場参加者がアメリカ経済がこれから急速に落ち込んでいくと予想していました。しかし、そうはならず、雇用個人消費中心に予想に速がいということが起こりました。これを受けて多くの市場参加者は、これはソフトランディング、つまり経済が大きな混乱なく落ち着くか、もしくはノーランディング、全く落ち込まないで成長を続けると予想するようになりました。

 

こうした予想を受けて、米国債の利回りが上昇してきた面があります。もちろん、アメリカの中央銀行FRBがより長く高い政策金利を据え置く姿勢を示したことも今回の金利上昇に少なからず影響与ている形です。

 

ただ、このFRBの決定にも、人々が景気に対して強気で消費をあまり落とさない企業も雇用を増やしているような状況が少なからず影響を与えている形です。つまり、今多くの人々が景気に対して強気で、アメリカ経済が落ち込まないと考えていることが今の金利上昇を引き起こす1つの要因になっているわけですが、この金利上昇が経済に大きなマイナスの影響を与えようとしているという状況です。

 

人々が景気が強いと思えば思うほど、それが金利上昇を引き起こして景気を悪化させる可能性があるということです。これが経済社会の難しいところでもあります。明らかに経済が悪くなりそうな状況になっても、あまりにも人々がそれを警戒する状況になれば、政治的にも金融政策でもある程度対策が打たれたりして、そして個人や企業も身構えますので、景気はそれほど悪化しなかったりといったことも珍しくありません。

 

逆に、人々が景気に対して楽観的になると、警戒感が薄れて中央銀行は金融引き締めを行って、結果として景気が落ち込む社会で起こっていることは、結局、たくさんの人々の行動の集合でできています。行動経済学といった学問もありますが、人々がどう考え、どう行動するかも、経済がどうなっていくかに非常に大きな影響を与えます。

 

ですので、インフルエンサーなんかは、私くらいの視聴者が10万人くらいの発信者は、それほど世の中に大きな影響はないかもしれませんが、影響力のある人たちは、暴落する、暴落すると言ってみんなが警戒する状況になると、逆に暴落は起こりづらくなります。逆に、誰もが強気になっている時、警戒感が薄れ、それが経済を悪化させてしまうですので、アメリカの発信力のあるマーケット関係者は、その辺りまで考えて発信してる人もいます。

 

影響力のある人たちは予想が正しくても、それを言ってしまうと世が変わってしまって、逆に予想が当たらなくなってしまうこともあるので、自分の発言がどのように世の中に影響を与えるかも十分に考慮する必要があります。

 

今回、こうした観点で考えると、今あまりにも多くの人たちがアメリカ経済に対して楽観的になりすぎてしまった。これは春頃の過度な悲観の反動であったわけですが、これが金利の急激な上昇を引き起こし、これが経済に大きな悪影響を与えようとしています。

 

ということで、経済の動向を見て上ではこうした人々のマインドのようなものも合わせて見ていくことが必要だと私は思っています。今回は、米国際市場で大きく金利が上昇していることがどのように経済にマイナスの影響を与えるのか、そしてなぜこのような金利上昇が起こったのか、人々のマインドが経済の方向性を大きく左右することがあるということについてお話しました。