SONY DTC-500ES 修理

 

 

 

メーカーサービスでDATデッキの修理を担当させていただいた経験も活かして丁寧に仕上げさせていただいております。

 

 

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「メンテナンス済み動作品」とか「メンテナンス済み動作保証品」と称して通販サイト、ヤフオク等で転売されているデッキの内部が、どのような状態になっているか、ご存じでしょうか。

 

失礼ですが、ご自身の頭で、よくお考えになられてください。

生産から30年以上経過し、メーカーがサポートを完了し、部品も無いのに、いったい、誰が、どんなメンテナンスを行ったというのでしょうか。

 

DATデッキのような精密機器の修理は、当時のメーカーサービスでも大変な作業でした。

僭越ではございますが、DATデッキの真の修理(メンテナンス)を行うことができる担当者は、社内でも、私を含めて、極、僅かだったことを申し上げさせていただきます。

 

 

「メンテナンス済み動作品」と称して販売されているデッキを、ご購入なさった方は、内部の状態を、お知りになることが困難だと思います。

 

通販サイト、ヤフオク等で転売されているデッキは、非常に危険なものがあります。

 

ご購入なさった方の、お命に係わる重要な事柄ですので、注意喚起のため、記事にさせていただきます。

 

お忙しいとは存じますが、少し、お時間をいただき、この記事をご覧いただきますようお願いいたします。

 

 

 

 

北海道の自称修理・転売業者が「メンテナンス済み動作品」と称して販売していたDATデッキ DTC-500ES を購入されたお客様から、購入直後から、ノイズが入る、テープが切れる等の不具合が発生したとのことで、修理のご依頼をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お預かりさせていただきましたテープのRF波形につきまして

 

RF波形につきまして、詳しくは、こちらをポチっとクリックしてご覧ください。

 

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テープを同梱していただき有難うございました。

 

DENON R-120DT

 

 

テープの冒頭箇所に傷がございます。

テープの冒頭箇所でノイズが発生する場合がございます。

 

 

 

 

 

SONY DT-60

 

 

テープの冒頭箇所等にドロップアウトがございます。

テープの冒頭箇所等でノイズが発生する場合がございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

デッキの内部の状態です。

 

 

 

テープを再生すると下方向へ、ずり下がりテープに傷が入ります。

テープに傷が入る原因は、北海道の自称修理・転売業者が取付けたことが想定される不良部品(ゴムホースをカットして嵌めたローラー)に起因しています。

最初から、テープに傷が入る状態だったと考えられます。

 

 

 

ゴムホースをカットして嵌めています。

 

 

ゴムホースをカットして嵌めています。

 

 

 

ヘッドドラムも清掃されていません。埃が付着したままです。

 

 

メカデッキは清掃されていません。埃が付着したままです。

 

 

テープパスもずれています。

 

 

テープパスにつきまして、詳しくは、こちらをポチっとクリックして、ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

とても危険な状態でした。

 

 

電源プラグが、清掃されていません。 信じられません!

 

いったい、この業者(メンテナンス済み動作品と称して販売している業者)は、何を考えているのでしょうか?

 

この電源プラグの状態を見て、私は、ブチ切れました。

 

 

電源プラグに埃等が付着しているとトラッキング現象で火災が発生する恐れがございます。

 

 

 

トラッキング現象につきましては、下記の動画をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

危険な処置がされていました。

 

ドラムドライブ基板のコンデンサーが空中配線されています。

半田付けのスキルが極めて低く、危険です。

このような不適切な処置は非常に危険で電気用品安全法に抵触する可能性が考えられますので善処させていただきます。

 

 

 

トレイ開閉用のベルトも交換されていないようです。

 

 

 

 

 

入出力端子も清掃されていません。

 

 

 

入出力端子も清掃されていません。

 

 

底面の脚部のゴムシートが欠品しています。

 

 

 

底面の脚部のゴムシートが欠品しています。

 

 

 

電源プラグさえ清掃を行わない業者ですので、内部も埃が堆積したままです。

 

 

電源プラグさえ清掃を行わない業者ですので、内部も埃が堆積したままです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

処置に入らせていただきます。

 

 

危険箇所の処置

 

 

ドラムドライブ回路基板の処置

 

 

 

毎度のことですが、この業者ならではの超低スキルの半田付けです。

危険で汚い半田付けです。

 

 

毎度のことですが、この業者ならではの超低スキルの半田付けです。

危険で汚い半田付けです。

 

 

毎度のことですが、この業者ならではの超低スキルの半田付けです。

危険で汚い半田付けです。

 

 

毎度のことですが、この業者ならではの超低スキルの半田付けです。

危険で汚い半田付けです。

 

 

 

 

この回路基板を修復できないことはないのですが、液漏れによる腐食が酷く、信頼性の面からも、

今回は、私が丁寧に補修し、コンデンサーを長寿命品に交換した下記の回路基板とリンク品交換させていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

メカデッキの処置

 

このデッキは、さまざまな不具合を抱えていました。

メンテナンス済みと書いてあるだけで、とてもメンテナンス済みとは言えない酷い状態でした。

正にジャンクという言葉が正しい表記だと思います。

 

テープを走行させるとテープに傷が入ることは先に書かせていただきましたが、

その他にも、テープをセットすると、高確率で1.5倍速で再生される状態でした。

とてもまともに使えるような状態ではありませんでした。

 

テープが1.5倍速で再生される原因はプッシュスイッチ(検出スイッチ)の不良です。

 

上記の写真の赤丸で囲んだ箇所がプッシュスイッチ(検出スイッチ)になります。

 

 

上記の写真の赤丸で囲んだ箇所がプッシュスイッチ(検出スイッチ)になります。

 

 

DTC-500ESは二つの検出スイッチが使われていますが、二つとも接触抵抗が増大して数百オームになっていました。

 

お預かりさせていただいた、この機体だけの問題ではなく、DTC-500ES等は生産から30年以上経過していますので、検出スイッチの処置は必須です。

 

このことは、このデッキを販売した悪質業者も理解できていると思いますが、接点復活材等をプシューとするだけでは絶対に解決できません。

 

 

 

当方では、この検出スイッチの問題に真剣に取り組み、根本的な原因の解決、真の処置を行っております。

検出スイッチの処置を行わなければ、メンテナンスとは言えないと思います。

 

具体的な処置の一部をご紹介させていただきます。

 

 

検出スイッチの処置

 

検出スイッチを分解します。

生産から30年以上経過していますので、接点が真っ黒になっています。

接点復活材等を吹きかけても絶対に導通は回復しません。

 

 

検出スイッチの接点を清掃させていただきます。

 

 

 

 

検出スイッチの組み立てが大変ですが、スイッチの構造を理解すれば破壊することなく、組み立てることが可能です。

 

良い子は真似しないでください。絶対に破壊します。
 

スイッチの組み立て方法の詳細を書くと、悪質な転売業者に悪用されることが考えられますので、ここでの公開は控えさせていただきます。

 

当方では、検出スイッチを分解して接点の清掃を行い、組み立てた再生品を修理に使用しています。

今回の修理でも、再生品に交換させていただきました。

 

 

 

 

ピンチローラーの交換

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新規に製造していただいたピンチローラーと交換させていただきました。

 

 

当方が修理に使用しているピンチローラーにつきましては、こちらをポチっとクリックしてご覧ください。

 

 

 

 

 

傾斜ガイドブロック

(S1ガイドローラー、T1ガイドローラー)の処置

 

傾斜ガイドの処置はテープパスにとりまして極めて重要です。

 

不適切なグリス(シリコングリス)が、べったり付着していました。

 

 

不適切なグリス(シリコングリス)が、べったり付着していました。

 

 

ガイドローラーが、緩んでいましたが、何の処置もされていませんでした。

これでは、テープパスがずれてしまいます。

この業者は、テープパスがずれていてもおかまいなしです。

 

 

 

 

傾斜ガイドの清掃をさせていただきました。

 

 

 

傾斜ガイドの清掃を行って軸抜け対策処置をさせていただきました。

 

 

 

 

Fガイドの清掃

 

グリスが付着していました。

このデッキで再生させたテープはグリスが付着してしまった可能性も考えられます。

 

 

Fガイドを清掃させていただきました。

 

 

 

 

 

 

ローディングリングの処置

 

 

 

 

毎度のことなのですが、この業者は劣化したグリスを完全に除去せず、その上から不適切なグリスを塗布しています。

 

 

毎度のことなのですが、この業者は劣化したグリスを完全に除去せず、その上から不適切なグリスを塗布しています。

 

 

本来、バネの力で、矢印の方向に戻らないといけないのですが、劣化したグリスを除去していないため、ひっかかります。

 

 

 

 

劣化したグリスを溶剤を使って溶かします。

 

 

 

 

丁寧に処置をさせていただきました。

 

 

 

 

 

当然ですが、ローディングローラーも丁寧に清掃させていただきました。

 

 

 

 

 

ローディングギヤの清掃

 

清掃前

 

 

清掃後

 

 

 

 

 

 

キャプスタンモーターの処置

 

キャプスタンモーターを分解してシャフト(回転軸)の清掃を行って、軸受けの処置をさせていただきました。

 

 

 

 

 

 

リールモーターの処置

 

コンデンサーの液漏れが酷いため、信頼性の面からも、今回は、私が丁寧に処置を行ったリールモーターとリンク品交換させていただきました。

 

 

 

 

 

FF/REWテンションレバーの処置

 

経年劣化でテンションパッドが、ずれていますが、この業者はスルーしています。

 

この部品は早送りと巻き戻しの時に、リール台にテンションを加える重要な部品です。

 

この部品が機能しないと、テープの早送りと巻き戻しの際に、リール台に適切なテンションが得られないため、巻き戻し後に、テープが途中で止まるなど、正常に走行しなくなる等の症状が発生します。

 

 

 

テンションパッドの剥離対策処置をさせていただきました。

 

 

 

 

 

Tロックレバーの清掃

 

清掃前 

 

 

清掃後

グリスが劣化して、レバーの戻りが正常に行えなくなる等の症状が発生しますので、清掃させていただきました。

 

 

 

 

 

テンションレギュレーター機構の処置

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メカデッキ(メカシャーシ)の清掃

 

磁気テープは、埃が大敵です。

メカデッキを丁寧に清掃させていただきます。

 

清掃前

 

 

丁寧に清掃させていただきました。

 

 

裏面も丁寧に清掃させていただきました。

 

 

 

 

 

ローディングモーターブロックの処置

 

清掃前

 

 

清掃後

 

 

 

清掃前

 

 

清掃後

 

 

 

 

 

ロリータエンコーダー

 

毎度のことですが、この業者は軸を削っていました。

しかも、削りかすは、そのままです。

将来、3Dプリンター等でギアを作成しても、軸が削られているため、

ゆるゆるで嵌められないと思います。

非可逆的破壊を行う業者です。

 

 

 

上記の写真の処置がされていました。

 

私の処置方法とは異なりますが、この箇所は過大な負荷がかかるところではありませんので、

軸を清掃して、このギヤが外れないように処置させていただきました。

 

 

 

 

 

 

ヘッド(ヘッドドラム)の清掃

 

お預かりさせていただいた時点

 

お預かりさせていただいた時点

ヘッドドラムのリード面に、汚れが付着しています。

ヘッドドラムのリード面が汚れているとテープパスの微調整を正しく行うことができません。

 

 

ヘッドドラムのリード面が汚れているとテープパスの微調整を正しく行うことができないため、

ヘッドドラムのリード面を丁寧に清掃させていただきました。

 

 

清掃後

私の頭頂部と同様に、ピカピカになりました。

 

 

 

 

 

メカデッキのフレームの清掃

 

清掃前

 

 

清掃前

 

 

清掃後

 

 

製造後

 

 

 

 

 

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