まあこう書くとホンマに?って話にもなるけど、ちゃんとしたハーフのコーチング受けた事ある人間て居ないからキックの戦術わかってる人間が、ラグビー関係者でも1%だとしたら0.1%の人間すらわかってないのがハーフの事だろうなと思う。
俺は10年以上前からハーフのスキル育成は絶対しなあかんて言い続けてて、現代でやっとポツポツ出てきたけど、多分その人らは絶対言わない事をまず言います。
スクラムハーフの最低限やけど絶対必要なセンスや才能なんて部分のスキルを知っていますか?
これは練習出来るんですが、身につけれる人は少ないみたいです。
才能がある、身体能力が高い攻撃型ハーフなんて鳴物入りでトップリーグに入団したSHが、転向させられたりするのもこれが出来ないからです。
ズバリ言いましょう。
それは、ラックの中にあるボールを押さえ込むセンスです。
これがトップリーグのハーフに求められる必要最低限ですがもっとも重要な能力です。
これが最低限出来ないと、あのレベルのBDからボールを出すことは不可能に近いんだろうなと思います。そして、それが基本的なハーフのリズムで呼ばれるものの根本的な技術です。
これが出来ないとリズム良くボールを出すことは不可能で、出てきたボールを投げる事になります。ただ必要最低限しかなくてやってる選手も最近は少なくないですし、それ以外の能力も大きく求められるようになりましたが、出来ないと厳しいでしょう。
例えば、ボクスのデクラークなんかは決してこの部分は上手くないです。
イタリア相手にインターセプトされたジャンピングパスは、この能力が決して高くないからあそこにしか投げられなくなった結果です。いやデクラークめちゃくちゃ良いハーフやんて人もいます。確かにめちゃくちゃ良い選手です。コンタクトも嫌がらずキックの能力も高い素晴らしい選手です。ただ、ハーフのその部分だけ見た時に足りない。
何故ならあんなに活躍出来るのか?
彼のプレーするスプリングボクスは世界一と言っていいFW陣を擁しています。なので、つまり世界で1番クリーンなボールが出てくるスクラムハーフがデクラークとも言えます。
デクラークあまり良くない日がありますどんな時でしょうか?
FWの状態があまり良くない日じゃないでしょうか?
そして、日本にも同じ様な選手が居ますね?
そうです。流です。
この間も書きましたが、ちょっとした勘違いと言うかサモア戦で気付いたのがこの部分です。
俺は流は下が見えてなかったり、遅れてるだけでこの部分の才能は普通にあるから、テンポの良いアタックが出来てる時があるんだと思ってた部分があったんですが、違うみたいで逆に凄いなと思っています。
日本はまだラックに対する技術なんかがあまり上手くなくて、クリーンにボールが出ない事が多い。なので、他国よりこの能力が必要とされるわけです。
それをJJが知らないわけがありません。
バショップ、アーロンスミス、田中・・・この能力が世界歴代でも5本の指に入るような3人と表現してもいい選手と一緒にプレーしたり指導したりしてるんですからね。
それでも流を選ぶくらいですから、流がその他の能力は非常に高いんだと思います。見ててスキルめちゃくちゃ良くなってるし、ギタウとやってるからか明らかに判断等もまだまだな部分もありますが、良くなっています。じゃないとジャパンに選ばれるわけがないんです。
では何故、全ての選考を間違いてないと言いきれる位の現ジャパンで、ハーフだけ間違える事があるんでしょうか?
JJには流を使う理由が確実にあって、クリーンにボールが出た場合の能力が出なかった場合のリスクを上回ってるんでしょう。実際、この2試合も相手チームのラックへのファイトがあまり強くない時は、素晴らしいリズムを見せて得点に繋げています。他にも細かい部分でのミスも全て絡むのはこの能力の低さに問題があります。
タイヤの中に手を突っ込んで、押さえ込んで投げる練習しても多少は上手くなっても、達人の領域までは行かないでしょう。
だから必要になるのがああやってリーダー的な立場になり、FWにクリーンなボールを出させるようコントロールする事の重要度が上がります。もちろん高校レベルや大学レベルだとこの能力の重要さはもうちょっと下がります。
しかしスコットランド戦のようなレベルの高いゲームで、今日の前半のようにうしっかりファイトしてくる相手には対応して行かなければなりません。
今更流にその能力は求められないので、来週もFWのクリーンアウトは重要なファクターの1つです。パッと見ただけじゃあわからないでしょうが、明確な違いがあるのでわかる人は見てみてください。
そして、全てのスクラムハーフはまずこの能力が自分にあるのかないのか試して見てください。
最初は、タイヤの中にボールを入れてみるなんかで良いと思います。