イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

知人からスネアのカスタマイズの依頼を受ける。型番は特定出来ないが、60年代後期~70年代のプレミア・マホガニーシェル。8テンションのリング・フープ(ダイキャスト)、彫刻的なデザインのラグ…いかにも英国製といった佇まいが美しい。

標準装備のパラレルアクション・全面当たりのスナッピーが使いにくいとのことで、ショートスケールの内面当たりスナッピーに交換した。最新鋭のストレイナーは緩まない構造の物もあり、機能面では非常に優秀だが、ヴィンテージスネアの持つ「雰囲気」を損ねるので、あえてラディックのシンプルなストレイナーをセレクト。

まず、パーツを全て外した状態でシェルを研磨。超微粒子のコンパウンドを用いてバフがけする事によって、カバリング表面の黄ばみ(経年変化による日焼け)・汚れをほぼ完璧に除去できる。続いてパラレルアクションのストレイナー取り付け穴の穴埋め。比較的大きい穴だったが、カバリングの色に近いエポキシパテを選んで補修する。硬化後はボルトを使ったパーツの取り付けに耐える強度もあり、自由に成型できるので便利である。

改造前のパラレルアクション・スナッピーは当たりがキツ過ぎて、どうチューニングしてもツマリ気味だった。これを内面当たりに交換した事で、自然なサスティーンを持つ開放的な鳴りを獲得出来た。私見だが、フープの種類とスナッピーを吟味する事でスネアのサウンドは劇的に変貌を遂げる。手持ちのスネアに不満があるなら、ヘッドの種類と併せてパーツのアセンブリーを見直すべきである。それでもダメなら…縁がなかったと諦めるしかない。